【親子インタビュー式読書感想文】最初のステップは「本選び」 極意と絶対に言ってはならない親のNGワード〔文章力養成講座の専門家が解説〕

「親子インタビュー式読書感想文」松嶋有香さんが解説④ 教材:課題図書『ぼくの色、見つけた!』

中村 美奈子

ゆか先生:「親子インタビュー式読書感想文の書き方」に取り組む場合は、節約のために図書館や古本屋を利用するのではなく、できれば購入してあげてほしいです。

──なぜですか?

ゆか先生:1つ目の理由は、本にふせんを貼るので、図書館の本では紙をいためてしまうことです。2つ目は、この取り組みは本気で子どもの心と向き合う機会になるはずなので、「自分で選んだ自分だけの本」という特別感を、子どもに味あわせてほしいからです。

文章力養成講座「カキマクル」のゆか先生 撮影:講談社写真映像部
文章力養成講座「カキマクル」の松嶋有香ことゆか先生 撮影:講談社写真映像部

──確かに、「自分で選んだ自分だけのもの」は大人でも心がトキメキます。それでは、どんな本屋さんに行けばよいですか?

ゆか先生:なるべくいろんなジャンルの本がたくさんある大きな本屋に、親子で行きましょう。本独特の紙の感触と匂い、背表紙が並んだカラフルな棚、平積みされた本の圧倒感、他の人、特に大人が本を選んでいる雰囲気、静かな緊張感のある空気といった、本屋の「気」が大切です。

インターネット書店とリアル書店では、テレビでディズニーランド特集を見るのと、実際にディズニーランドに出かけるくらい違うはずです。

そして本屋に着いたら、「好きな本を選んでいいよ」と伝えて、子どもに選んでもらいます。そして、子どもが「これがいい!」と本を持って来たら、「子どもが選んだ本を絶対に否定しない」でください。特に子どものやる気を削いでしまうNGワードには気をつけましょう。

OKワード:本を選んだ子どもを丸ごと「肯定」する
→子どもはうれしくなって自信がつく、やる気がでる
「あら、おもしろそう!」
「ステキな表紙(絵)だね!」
「読むのが楽しみだね!」
「ママ(パパ)は見たことがない本なのに、よく見つけてきたね!」

NGワード:易しい、難しいを親が判断し、子どもの能力を「否定」する
→せっかく自分で選んだのに否定されたので自信を失う、やる気が削がれる
「本当にその本でいいの?」
「最後まで読めるの?」
「難しそうだけど、本当に読める?」
「えー、それって小さい子が読む簡単な本じゃない?」

──そもそも「本が嫌い」という子は、本を選ぶのも苦手だと思います。そんな時はどうしたらよいですか?

ゆか先生:子どもが好きなこと、興味があるものがテーマの本が置いてあるコーナーを探してみましょう。今、自分の子どもが夢中になっていることを身近で感じているのは、同じ家で生活している親です。

──「好きな本なんてない!」と言われたら、どうしたらよいでしょうか。

ゆか先生のアドバイスは?
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