第46回講談社絵本新人賞受賞作『オオカミさんのおきゃくさん』ができるまで④

【制作日記④】いざ制作! 地道な作業

絵本作家:鹿毛 トモタロウ

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あのぉ……。すみません……。

内気なオオカミさんのところにやってきたお客さんの正体とは?

第46回講談社絵本新人賞受賞作は、誰でも読める「コミック絵本」!

受賞作家・鹿毛トモタロウさんによる、絵本制作日記の第4回目です。
オオカミさんの おきゃくさん

オオカミさんの おきゃくさん

鹿毛 トモタロウ(作)

発売日:2026/08/26

価格:定価:本体1600円(税別)

これまでの日記

ラフすぎるラフ

絵本の制作はラフを描くことから始まります。

ラフとは、文章と絵の配置、絵の構図などを大まかに示した絵本の設計図のようなもの。今まではラフを人に見せることがなかったので、字はぐちゃぐちゃ、絵は丸や線のみをざっと引いただけの、私にしかわからないものでした。

さすがにそんなものを編集部で見てもらうわけにはいかないので、紙に描いたものを参考に、デジタルでくわしく描きこみ、メールで提出しています。打ち合わせとラフ提出は、毎度デジタルの恩恵をひしひしと感じています。もし普及する前だったら、どちらも毎回大変だったことでしょう……。

ゴリゴリ削る

これでOK! となるまでひたすらラフのやり取りをしました。特に苦労したのは文章です。

最初は韻文調で書いていたのですが、どうもうまくいかず……。思い切って散文に変更してみると、話の内容がわかりやすくなったのでこちらを採用。

次の問題は、文の長さです。短く修正したつもりでもまだ削れる部分があったりして、ゴリゴリゴリゴリ……

このままじゃ文、なくなるのでは……

と思うほど、短い文も削りに削り、絵の部分よりこちらの修正に時間がかかりました。

ラフ最終仕上げ中に

今年(2026年)1月下旬、最後のラフ修正中のこと。

里帰り出産のため実家に戻ってきていた妹が、「痛いからまた病院行ってくるね」と出かけてそのまま入院。日付が変わる前、無事出産! ということがありました。

姪、誕生。

父・母には初孫です。おめでとう!


あまり時間を置かず、2月上旬。とうとう、ラフにもOKが出て、いよいよ原画の制作スタートです。

妹退院後のお祝いケーキ、ようこそベビー!(写真提供 鹿毛トモタロウ)

画材と道具

絵を描くのに使っている画材は、アクリル絵の具つけペン&インク。欠かせない道具はデザインナイフ芯ホルダーの芯&削り器マスキングテープをどっさりと。それから、インクが切れたボールペン。どうやって使うかはお楽しみです。

ちなみに、机の上の作画台は、テレビ台の棚部分から引き抜いた仕切り板を鉱物標本ケースに立てかけたもの(幅も傾斜もいい具合)。この作画台、絵を始めた当初から使い続けているのです。そのうちちゃんと作ろうと思っていたのに、すっかり馴染んでしまったので、もうこれでいいと思っています。

下絵スタート

もとの絵本より、原画サイズがひとまわりほど小さくなったので、描き始めはちょっととまどいました。 サイズが小さくなると窮屈に見えてしまう構図もあったので、そんな部分も修正しながら描いていきました。

すべての工程でこの下絵制作の時間がいちばん長く、1ヵ月ほどかかりました。

下絵が完成したら次は本画用の紙に写す作業です。 まず、下絵の紙の裏に、芯ホルダーの芯を削った粉をばらまき、全体にこすりのばします。 これには丸1日かかります。

下絵を写す準備(写真提供 鹿毛トモタロウ)

そして、この下絵の紙を本画用の紙にのせ、ずれないように固定。下絵の線をインク切れのボールペン(ここで登場!)でなぞると、本画の紙に転写されます。

これで、下絵の作業は完了です。

ペン入れ

転写した下絵の線にペンを入れていきます。

1日2枚いけるかどうか、というペースです。

ペンは2色使用(写真提供 鹿毛トモタロウ)

お皿を描いて盛り付けて(写真提供 鹿毛トモタロウ)

マスキング作業

すべてのページにペンを入れ終わったら、消しゴムで下絵の線を消し(これも地味に大変) 、色をのせたくない部分にマスキングをほどこします。 マスキング液やフィルムもありますが、私はマスキングテープを使っています。

ひたすらテープを貼って切り抜いて……。ここで2日かかりました。

紙まで切らないように(写真提供 鹿毛トモタロウ)

いよいよ彩色に入ります。でも今回はこのあたりで……。

次回に続く。
オオカミさんの おきゃくさん

オオカミさんの おきゃくさん

鹿毛 トモタロウ(作)

発売日:2026/08/26

価格:定価:本体1600円(税別)

これまでの日記

鹿毛 トモタロウ
かげ ともたろう

鹿毛 トモタロウ

Tomotaro Kage
絵本作家

1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。

1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。