『ぎょうざが いなくなり さがしています』が大重版! 絵本作家の日記リターンズ

8皿目「大盛りのおかわりをいただきました」(2022年 講談社絵本新人賞受賞者)

作家:玉田 美知子

1979年に創設され、かがくいひろしさん、シゲタサヤカさん(佳作)、石川基子さんなど、たくさんの絵本作家さんを輩出してきた「講談社絵本新人賞」。新人賞受賞作品は単行本として刊行されるため、絵本作家を目指す多くの人からご応募いただいております。

第43回講談社絵本新人賞は応募数442作の中から選考会を経て、『まよいぎょうざ』を描いた玉田美知子さんに決まりました! 受賞からデビューまでの日々を、受賞者自ら書き上げる「制作日記」です。


7皿目のデビューまでの日々に続いて、発売後の日々を書いていただきました。

絵本『ぎょうざが いなくなり さがしています』制作日記 8皿目「大盛りのおかわりをいただきました」玉田美知子

ぎょうざも顔ハメパネルも大好きな玉田美知子です、お久しぶりです。
とうとう餃子に進化しました。写真提供:玉田美知子
光栄なことに制作日記のおかわりをいただきまして、再び帰ってまいりました!

みなさまが、書店で出来たてのぎょうざを探してくださったおかげで、なんとなんと大重版のはこびとなりました。

心より御礼申し上げます。
赤帯! 大重版に感謝するぎょうざさんたち。写真提供:玉田美知子  
新しい赤い帯まで作っていただき、なんて光栄なことでしょうか! 帯のデザインは脇田明日香さんが手がけてくださいました。黄色も赤も、どちらの帯も可愛らしくて幸せです!

想像を超えるすごい出来事で理解が追いつきませんが、東西南北全方位に向かって手を合わせる日々です。本当にありがとうございます。

さて今回は、絵本が出版されてからの激動の2ヵ月間のお話を、写真特盛りでお届けいたします。最後までお付き合いいただけたら幸いです。

実は先日、絵本『ぎょうざが いなくなり さがしています』を宇都宮餃子会さんに贈呈するために、栃木県宇都宮にある「来らっせ本店」さんまで行ってきたのです!
自分なりに正装をしてご挨拶に伺いました。写真提供:玉田美知子
宇都宮餃子会の鈴木事務局長と、ギョーザについて語り合うという、たいへん贅沢なお時間をいただきまして、鈴木事務局長のギョーザ愛に圧倒され、洗礼を受けてきた私です。

ギョーザに献身的に向き合いながら、常に新しいことに挑戦し続け、妥協せず前に進んだ結果、昔から今に至るまで、宇都宮はギョーザのまちとして君臨されているんだと強く感じました。

そして顔ハメパネルにまでお付き合いくださったお優しい鈴木事務局長、お忙しいところ、ありがとうございました!

お話を伺い、さらに絵本愛とぎょうざ愛を深めていきたいと決意を新たにし、美味しい餃子もいただいて、胸もお腹もいっぱいになりました。

というわけで早速ですが8皿目は、こちらでいただいた餃子をご紹介させていただきます!

来らっせ本店さんは、宇都宮餃子会さんが運営されている、5つの人気店が一堂に会する素晴らしい施設。いろいろな餃子を一度に楽しみたい方、宇都宮餃子初心者の方におすすめです。

私は前回行けなかったお店の定番の焼き餃子を注文。パリパリとした薄い皮で、軽い口当たりなのでいくらでもいけそう!
再び宇都宮餃子を堪能できて、大満足でお店を後にしました。
下はご同行くださった下野新聞さんが注文された「よだれ餃子」。写真提供:玉田美知子
その後は、宇都宮市内にある書店さんを巡り、ご挨拶をさせていただきました。

店頭で、ぎょうざグッズと共に展開してくださっていたり、絵本が紹介されている新聞記事や、ポップも素敵に飾ってくださっていて感激しきりでした。思わず手に取りたくなるような工夫が盛りだくさんです!

宇都宮のみなさまの温かさに、じーんと胸が熱くなりました。
書店さんにお渡ししたミニ色紙。栃木県バージョン。写真提供:玉田美知子
餃子通り。マンホールのふた、三角コーンまでおしゃれなぎょうざデザイン。写真提供:玉田美知子
餃子通りを再訪し、駅前の餃子像と記念撮影もしてすっかり観光気分ですが、この日のことを胸に刻み、より一層励んでいくことをここに誓います!

また新しい絵本を携えて宇都宮に餃子を食べに来られるように、これからもがんばるぞー!

さてさて、お次は千葉県まで。

松戸にある良文堂書店さんからお声がけをいただき、ギャラリーカフェベラさんにて、絵本をご購入くださった方にサインを書かせていただくことに。

とても緊張しましたが、良文堂書店さん、カフェのオーナーさんに温かく迎えていただき、初めてのミニサイン会を無事に終えることができました。

松戸では、実際に地域で読み聞かせの活動をされている方々のお話も伺うことができて、その活動の場にもお邪魔させていただきました。たくさんの絵本に囲まれて、読み聞かせをする年齢に合わせ、熱心に絵本を選んでいるご様子を拝見し、非常に勉強になりました。
初めてお子さんの前でサインを書かせていただき感極まりました。下の写真は良文堂書店さん撮影。写真提供:玉田美知子
そして最後は地元神奈川で、初めての絵本原画展を開催することもできました!

いま私が習っている版画教室の先生が企画してくださって、辻堂にある、おもて珈琲さんの素敵な空間に、絵本の原画7点を展示させていただきました。
ぎょうざの原画たちも正装しました。写真提供:玉田美知子
老若男女問わず、さまざまな方々に絵本を手に取っていただき感無量です。

初めてお会いした方が絵本を読んで笑っているお姿をみたときは、言い知れぬ喜びを覚え、あーまた面白い絵本を描きたいな、もっと笑ってもらえたら嬉しいな、とますます意欲がみなぎりました。

原画展を開催して本当に良かったと、しみじみ思っています。

足をお運びくださったみなさま、お力添えくださったみなさまに、重ねて感謝申し上げます。

このように絵本が発売されてからの日々を振り返ってみると、当然ながら初めてのことばかりで緊張の連続でした。

改めて思うのは、ご活躍の絵本作家さんは、サイン会や講演会もしつつ、新作を生み出し続けるってすごいことだなぁと尊敬いたします。

今まで家に籠もりがちの人生だったので、急に人前に出てお話をしたり、サインを書かせていただいたり……ありがたいことですが、毎回うろたえてしまいます。慣れるまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、自分の歩幅で少しずつ歩んでいこうと思います。

新人絵本作家の右往左往する様子を少しでもお伝えできたでしょうか。

おかわり大盛りでお届けいたしました。

またいつかお腹が空いたころにお会いできますように。

ごちそうさまでした!

講談社絵本新人賞 受賞作既刊

たまだ みちこ

玉田 美知子

作家

1977年生まれ、神奈川県在住。多摩美術大学立体デザイン専攻卒業。 第21回ピンポイント絵本コンペ入選、第42回講談社絵本新人賞佳作受賞。 2022年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。 コーヒー豆のサブスクリプションサービスを運営。

1977年生まれ、神奈川県在住。多摩美術大学立体デザイン専攻卒業。 第21回ピンポイント絵本コンペ入選、第42回講談社絵本新人賞佳作受賞。 2022年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。 コーヒー豆のサブスクリプションサービスを運営。