「ついに出版!」デビュー直後の絵本作家の制作日記

7皿目「できたての ぎょうざを さがしてください」(2022年 講談社絵本新人賞受賞者)

作家:玉田 美知子

1979年に創設され、かがくいひろしさん、シゲタサヤカさん(佳作)、石川基子さんなど、たくさんの絵本作家さんを輩出してきた「講談社絵本新人賞」。新人賞受賞作品は単行本として刊行されるため、絵本作家を目指す多くの人からご応募いただいております。

第43回講談社絵本新人賞は応募数442作の中から選考会を経て、『まよいぎょうざ』を描いた玉田美知子さんに決まりました! 受賞からデビューまでの日々を、受賞者自ら書き上げる「制作日記」です。

絵本『ぎょうざが いなくなり さがしています』制作日記 7皿目「できたての ぎょうざを さがしてください」玉田美知子

ぎょうざも絵本も大好きな、『ぎょうざが いなくなり さがしています』の作者である玉田美知子です、こんにちは!

そうです、ついに……!
絵本を出版することができましたー! ばんざーい!
ぎょうざさんたちも大喜びしております。写真提供:玉田美知子
完成した絵本を手にした瞬間、これまでの出来事が思い起こされて、じんわりと温かい涙が滲みました。無事にこの日を迎えることができ、感無量です。

帯の素敵なコメントは、選考委員の三浦太郎先生からいただきました。三浦先生から強く背中を押していただき、これから自信を持って進んでいけそうです!

発売されてからは、親族や友人から、たくさんのメッセージをいただきました。いきなりですが、私の知人からのメッセージを元にした、人気の場面ベスト3を発表いたします!

○第3位…ぎょうざ、決死のダイビング
○第2位…ぎょうざ、修行の旅に出る

そして栄えある第1位に輝いたのは……

○ぎょうざ、小料理屋に行く

でした!

友人のお子さんたちから特に評判がよく、小料理屋なんて少し大人っぽい表現かと心配していたので意外でした。おかみさんの口紅が濃いところが面白かったというご意見も。

貴重なエピソードをお寄せくださり、ありがとうございました! 手にとってくださった方々に直接会ってお礼を言いたい気持ちです!

絵本を読んだら餃子が食べたくなって食べに行ったよーというご報告も多数いただき、餃子の売り上げにも少しばかり貢献できたのなら作者冥利に尽きます。

ここでさらに畳みかけて! 餃子欲を増進させるべく、最後の一皿をお届けいたします!

初めて講談社を訪れた際に、なんと編集長からおすすめの餃子屋さんを教えていただきまして、食べに行ってまいりました!
右上の写真は護国寺にあったスピーカー。この絵本を描いてから、街中にある防災無線が気になって、見つけると写真を撮っています。写真提供:玉田美知子  
とその前に、護国寺にご参拝して、無事に絵本を出版できますようにと手を合わせました。

お店の場所は、講談社から電車と徒歩で30分ほどのところにあります。

まずはお店の看板餃子を、蒸しと焼きでいただきました。初めての色校正の喜びに浸りながら、ひとり烏龍茶で乾杯!

もちもちの皮で食べ応え充分! ぷっくりとした形も可愛らしいです。肉汁たっぷりで、うっかりズボンにこぼしてしまうほどジューシーでした。

種類が豊富で気になる餃子もたくさんありましたが、胃袋が足りず。セロリ餃子とニンニク餃子をお持ち帰りして、心の中で再訪を誓いました。

編集長、最後の一皿のご提供をありがとうございました!

制作日記の餃子紹介はこれで最後になりますが、まだまだ道半ば。これからも餃子道を突き進んでいこうと思います! 引き続き餃子情報をお待ちしております!
東京の神保町にある子どもの本専門店&カフェの「ブックハウスカフェ」さんにお邪魔して、自作のポップを飾っていただきました。営餃ぎょうざも派遣しました。 写真提供:玉田美知子
お店で書いた初めてのサイン。比喩じゃなく本気で手が震えました。写真提供:玉田美知子
最後になりますが、絵本を出版するまでの道のりで、たくさんの方々のお力添えをいただきました。家族、友人の応援にも、どれだけ励まされたことでしょう。今まで出会って関わってくださったすべてのみなさまに、心から御礼申し上げます。

そして伴走してくださった担当編集者さん。

「制作日記で毎回餃子を紹介したいです」「第1回第2回ではなく、1皿目2皿目と数えたいです」という、やや斜めなやる気をみせた私の提案に対して、「面白いことはどんどん試していきましょう!」とご快諾くださり、むしろ楽しんでアイデアまで出してくださって、どんなに心強かったことか。

常に意見を尊重してくださった担当さんの懐の深さに救われ、最後まで走り切ることができました! たくさんお世話になりました! ありがとうございました。
ぎょうざたちが切れたドクロのブレスレットをつなぎ直してくれました。写真提供:玉田美知子
全7皿、制作日記を書かせていただき、とても光栄で幸せな7ヵ月間でした。ここまで私の拙い文章にお付き合いくださったみなさまにも、深謝いたします。

もしこの日記を読んで、ぎょうざが食べたい! ぎょうざってなんてかわいいの! ぎょうざの絵本が読みたくてたまらない! と思っていただけたら本望です。

ドクロのブレスレットも傍で最後まで見守り続けてくれました。

これにて完食です!

ごちそうさまでした!

講談社絵本新人賞 受賞作既刊

たまだ みちこ

玉田 美知子

作家

1977年生まれ、神奈川県在住。多摩美術大学立体デザイン専攻卒業。 第21回ピンポイント絵本コンペ入選、第42回講談社絵本新人賞佳作受賞。 2022年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。 2024年、第15回ようちえん絵本大賞受賞、第8回未来屋えほん大賞受賞、第15回リブロ絵本大賞入賞。コーヒー豆のサブスクリプションサービスを運営。

1977年生まれ、神奈川県在住。多摩美術大学立体デザイン専攻卒業。 第21回ピンポイント絵本コンペ入選、第42回講談社絵本新人賞佳作受賞。 2022年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。 2024年、第15回ようちえん絵本大賞受賞、第8回未来屋えほん大賞受賞、第15回リブロ絵本大賞入賞。コーヒー豆のサブスクリプションサービスを運営。