第43回講談社絵本新人賞は応募数442作の中から選考会を経て、『まよいぎょうざ』を描いた玉田美知子さんに決まりました! 受賞からデビューまでの日々を、受賞者自ら書き上げる「制作日記」です。
絵本『ぎょうざが いなくなり さがしています』制作日記 6皿目「宮崎最高! 色校再校!」玉田美知子
今回は趣向を変えて、ぎょうざのラップから始めてみました玉田美知子です、こんにちは。
前回の制作日記では、自分の作業が終わって吞気に喜んでいましたが、なんと浅はかな考えだったことか!
ここから校了までの最終調整が、さらに良い絵本にするための重要なプロセスであることを、各分野のプロフェッショナルにお世話になりながら、身を持って学びました。
まず、テキストの再考です。
担当編集さんと、絵本を声に出して何度も読み合い、読みにくいところはないか、無駄なところはないかを推敲していきます。
読んだり聞いたりを繰り返しているうちに、その絵にぴったりと合う文章が生まれることがあって、言葉の面白さや重要さを改めて感じました。
特に、担当さんからご提案いただいた一文で、自分では到底考えつかない表現があって、言い回しひとつで、その場面がより臨場感を持って感じられて驚きました。
言葉の力ってすごい!
担当さんのご協力のおかげで、とても良いテキストになりました。
つぎに、絵本の装丁について。
デザインを担当してくださるのは、かっこいい装丁を数多く手掛けられている、田中久子さんです。先輩方の制作日記でも登場されていたデザイナーさんなので、大船に乗ったつもりで安心してお任せできました。
私の絵に合った、ちょっとめずらしい感じの書体のセレクトや、見返しや帯のデザインも可愛らしく仕上げてくださって、田中さんのお仕事ひとつひとつに、ただ感動するばかり。
1点だけ、どうしても気になってご相談した箇所がありました。それは自分で書いた表紙のタイトル文字です。私の手書きの文字によって、締まりのない表紙にみえる気がして、フォントに変更したい旨をお伝えしました。
田中さんは、私のお願いどおりに、タイトルをフォントバージョンでも作ってくださったのですが、手書きのほうが絵の雰囲気に合っていて良いと思いますよ、とのこと。
担当さん、私の家族も同意見で、みんなにそう言われると、自分の文字もなかなか味があって良い感じかも? なんて思い始めて、結局最初にデザインしていただいたままの表紙になりました。
田中さん、本当にありがとうございました!
校閲さんは、文章のみならず、絵の中に書いてある文字も細かくチェックしてくださいます。今回の私の作品は、作中にお店の看板や標識などの書き文字が多いので、校閲さんにはご面倒をおかけしました。
例えば、書き文字の「餃」の字が正しくないのではないか、看板の内容などのご指摘をいただきまして、修正作業のために、一度印刷所さんから原画を戻していただくというハプニングもありました。
自分の認識の甘さを知り、これからは気をつけようと深く反省した次第です。
テキストとデザインが固まったら、つぎは色校正という工程に進みます。色校正とは、本番の印刷の前に、なるべく原画に近い色合いになるように、印刷所さんに調整をしていただく作業のことです。
色校正の確認作業は、講談社に伺って行いました。
初めての訪問、初めての絵本の色校正ということで、胸が高鳴ります。
気合を入れて、最近買った餃子柄の靴下を履いて臨みました。
まずは担当さんから色校正の基本的なやり方などを教えていただきながら、イメージと異なるところはないかを見ていきます。印刷所さんのご尽力のおかげで、色味はほぼイメージどおり。私からお願いしたことといえば、絵の中のゴミ(下書きなど)を取っていただく程度でした。
自分なりに丁寧に描いたつもりでも、印刷されたものをみると、線の揺れや雑なところ、色むらが目立ってしまって、次はもっと丁寧に描かなくては、とまたまた反省。
原画を描き終えてから反省ばかりしている情けない私ですが、自分の絵本の色校正を初めて見たときの感動は、一生忘れないことでしょう!
たくさんの方々のご協力のおかげで、みなさんに読んでいただけるクオリティの絵本の形になります。言葉では言い表せないほど、感謝の気持ちでいっぱいです。
これらの経験を次に活かして、前に進んでいこうと思います!
宮崎に住む学生時代の友人が、宮崎県高鍋町の有名餃子店まで連れていってくれました!
制作日記を書かせていただくようになってから、友人から美味しい餃子屋さん情報や、レシピなどを教えていただく機会が増えて、本当にありがたいです。この場をお借りして感謝申し上げます!
これからも餃子情報をどしどしお寄せいただけると嬉しいです!
楽しい宮崎餃子旅行になりました。
実は今回の宮崎で「餃子のまち」3都市を制覇し、最終回を迎える予定でしたが……。
まだ食べ足りません! まだまだ伝え足りません!
というわけで、もう1皿だけ、おかわりさせてください!
絵本の発売日が8月31日(野菜の日)なので、7皿目は発売されてからの様子をお伝えできるかと思います。
今からドキドキがとまりません。
次回いよいよ最終回! ぎょうぞよろしくお願いいたします!
講談社絵本新人賞 受賞作既刊
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第42回新人賞受賞作『タコとだいこん』伊佐久美・作
amzn.to amzn.to -
第41回新人賞受賞作『にんじゃいぬタロー』渡辺陽子・作
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第40回新人賞受賞作『まよなかのせおよぎ』近藤未奈・作
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第39回新人賞受賞作『いっぺん やって みたかってん』はっとりひろき・作
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第38回新人賞受賞作『おじいちゃんの ふしぎなピアノ』はまぎしかなえ・作
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第37回新人賞受賞作 『ピカゴロウ』ひろただいさく・ひろたみどり・作
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第36回新人賞受賞作『ほしじいたけ ほしばあたけ』石川基子・作
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第35回新人賞受賞作『てがみぼうやのゆくところ』加藤晶子・作
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第34回新人賞受賞作 『きいのいえで』種村有希子・作
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第34回佳作受賞作『それなら いい いえ ありますよ』澤野秋文・作
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第33回新人賞受賞作『シールの かくれんぼ』定岡フミヤ・作
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第33回佳作受賞作『おにぎりにんじゃ』北村裕花・作
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第32回新人賞受賞作『ぼくと おおはしくん』くせさなえ・作
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第30回新人賞受賞作『あっぱれ! てるてる王子』コマヤスカン・作
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第30回佳作受賞作『まないたに りょうりを あげないこと』シゲタサヤカ ・作
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第29回新人賞受賞作『たこやきかぞく』にしもとやすこ・作
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第28回新人賞受賞作『つぎはぎ おばあさん きょうも おおいそがし』たかしまなおこ・作
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第27回新人賞受賞作『おもちのきもち』かがくい ひろし・作
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第25回新人賞受賞作 『ミーちゃんですヨ!』なかや やすひこ・作
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第25回佳作受賞作『いぬの ムーバウ いいね いいね』高畠那生・作
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第24回新人賞受賞作『むしゃむしゃ武者』藤川智子・作
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第21回新人賞受賞作『ガボンバのバット』牛窪良太・作
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第20回新人賞受賞作『かみをきってみようかな』足立寿美子・作
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第19回新人賞受賞作『トカゲのすむしま』串井てつお・作
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第18回新人賞受賞作『ハワイの3にんぐみ』笹尾俊一・作
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第16回新人賞受賞作『しろへびでんせつ』山下ケンジ・作
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第14回新人賞受賞作『ふしぎなカーニバル』あきやまただし・作
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第5回新人賞受賞作『新装版 ばあちゃんのえんがわ』野村たかあき・作
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第2回新人賞受賞作『新装版 ゆきのひ』佐々木潔・作
玉田 美知子
1977年生まれ、神奈川県在住。多摩美術大学立体デザイン専攻卒業。 第21回ピンポイント絵本コンペ入選、第42回講談社絵本新人賞佳作受賞。 2022年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。 2024年、第15回ようちえん絵本大賞受賞、第8回未来屋えほん大賞受賞、第15回リブロ絵本大賞入賞。コーヒー豆のサブスクリプションサービスを運営。
1977年生まれ、神奈川県在住。多摩美術大学立体デザイン専攻卒業。 第21回ピンポイント絵本コンペ入選、第42回講談社絵本新人賞佳作受賞。 2022年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。 2024年、第15回ようちえん絵本大賞受賞、第8回未来屋えほん大賞受賞、第15回リブロ絵本大賞入賞。コーヒー豆のサブスクリプションサービスを運営。