2021.08.27

対話激減のコロナ禍 「発語が遅かった子ども」の成長を助けた絵本とは

人気イラストレーターやまだだり 初めての絵本『とことことこ』の魅力

著者:幼児図書編集部

寝ている間に子どもにイタズラされていた(イラスト:やまだだり)

子育てをしながら、雑誌、ポスター、フライヤー制作などを多数手がける、イラストレーターのやまだだりさん。なんと、育児中の娯楽として何気なく始めた育児アカウントが、SNSで人気を集めているんだとか。

そんなだりさんに、SNSの裏話、コロナ禍での育児の話などを、たっぷりインタビューしました。

やまだ だり
1988年愛知県生まれ。イラストレーター。東京藝術大学デザイン科修了。子育てをしながら、雑誌、書籍の挿絵、ポスター、フライヤー制作などを多数手がける。8月26日に初めての幼児絵本『とことことこ』が発売。


ーー今日は、よろしくお願いいたします。

やまだだりです。2歳の子どもを育てながら、イラストレーターとして働いています。どうぞよろしくお願いいたします。

ーーいつも、SNS拝見しています。育児アカウントを始めたきっかけはなんだったのでしょうか。

子どもを産んでから、あまり外に出かけられなくなったので、ネットサーフィンばかりしていたんです。そんな時に、Twitterで育児アカウントというものを作っている人が多くいることを知り、子育ての情報収集や、他の子育て中の方との交流目的で何気なく始めました。

元々、イラストレーターとしての仕事を発信するアカウントも持っていたのですが、今では育児アカウントの方が使っていますね。

ーーほぼ毎日、育児中の1コマのイラストをのせているかと思いますが、日記のような感覚なのでしょうか。

はい。子どもは成長が早いので、今、この瞬間しかないと思って、記録を残すために描いています。照れくさいので、フォロワーさんを増やそうというよりは、純粋な日記として続けていたら、多くの方がみてくださっていました。本当にありがたいです。

「なになに期」に突入した子ども(イラスト:やまだだり)

ーー娘さんは、今2歳5ヵ月だそうですが、ちょうどコロナが流行する前と後の育児を経験されたかと思います。前と後で変化したこと、大変だったことはありますか。

0歳時はコロナが流行する前で、1歳になったあたりでコロナが流行ってしまったんです。家だと子どもの「遊んで」攻撃がすごいのですが、外に行くと周りに意識が向くから、勝手に遊んでくれるんです。でも、コロナによってそれが封じられてしまって、ずっと家で面倒を見なくてはいけなくなり、とても辛かったです。

あと、子どもはいろんなところをさわるので、コロナになったらどうしようとか。神経質になってしまって大変でした。この前は、床に落としたハンバーグを止める間もなく食べちゃって.......。コロナじゃなかったら、「あーあ汚い」で済んだものが、今だと「あぁ! コロナになったらどうしよう!」って不安でいっぱいになります。

ーー子どもがいろいろなことに興味をもって、触ってしまうのも、口に入れてしまうのも、ふせぎようがないですよね。

さらには、保育園の保護者会や運動会、入園式などの行事が全部なくなってしまったので、とても悲しいです。行事があったとしても、保護者1名までなど制限があるので、家族みんなで一緒に思い出が作れないのも寂しいです。

ーー保育園のお母さんたちとの交流もできないと、情報交換が難しいですね。

そうなんです。なので、仲良くしているお母さんたちのラインで、近況報告だったり「ここの公園空いているよ」とか「〇〇は空いていてよかった」とコロナ禍でも子どもを遊ばせやすい場所の情報交換をするようになりましたね。

コロナ禍、お出かけの時間を楽しむ子ども(写真提供:やまだだり)

ーー育児の中で大事にしている時間はありますか。

ハードルは低いですが、一日一回は笑わせてあげることを心がけています。こちょこちょとか、抱っことか。簡単なことですが、笑顔になってほしくて。

絵本の読み聞かせも、何もわかっていないだろうな〜と思いながらも、0ヵ月の時からやってました。今でも絵本を読む時間は大切にしています。

ーー絵本はなぜ読むようにしていたんですか?

保育園に行きはじめた時に、他の子の方がお話が上手だと感じたんです。その時に、娘は発語が遅いのかもしれないと思いました。こっちの言っていることは分かっている様子だけれど、娘が話すのは「あー」「うー」とかばかり。しゃべることがあまりなかったんです。

ですが、2、3文字くらいの簡単な単語が登場する絵本を読んであげると、単語を真似して話してくれることに気づき、それから絵本の読み聞かせをとくに大切にしました。

ーーそれでは、今回初めて手がけたという絵本『とことことこ』も、娘さんの反応をイメージして作ったのでしょうか?

そうなんです。『とことことこ』のラフを考え始めた時は、娘は全然しゃべらなかったんですが、何回も読み聞かせをしたら、ある日ついに「ねこ! ねこ!」って言ってくれるようになりました。

絵本の中に出てくる動物がテレビに出ると、「たこ!」ってしゃべったり。街中でも遠くにいる猫を見つけて、「ねこ!」と指差したり、自分からしゃべってくれるようになったのがとても嬉しかったです。

絵本『とことことこ』(作・やまだだり)に登場するねこ

なので、『とことことこ』は、娘の反応をとことん研究して、子どもが真似しやすい、発音して楽しい言葉を選びました。そして、子どもが反応してくれる明るい色合いを選びながら描きました。

絵本が出来上がった今では、結構おしゃべりになったので、絵本の力ってスゴイなと、感動しました。これからも、子どもが喜んでくれる絵本やイラストを描いていきたいです。

ーー素敵なお話、ありがとうございました。

ありがとうございました。

『とことことこ』(作・やまだだり 講談社)

【公式】『とことことこ』(作・やまだ だり) 子どもがよろこぶオノマトペ絵本!

やまだだり

1988年愛知県生まれ。イラストレーター。東京藝術大学デザイン科修了。子育てをしながら、雑誌、書籍の挿絵、ポスター、フライヤー制作などを多数手がける。「会話をするようにモチーフと向き合う中で、そのものがふと見せたひょうきんさを描きとめること」を制作のテーマにしている。幼児絵本は『とことことこ』がデビュー作。

Twitter:@nemure_yoiko

著者紹介

幼児図書編集部

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