2021.03.19

小6の妖怪博士・関本創くん 兄弟でカッパ釣りに挑戦!?

関本創の妖怪探訪シリーズ 第2回 カッパで有名な岩手県 カッパ淵

著者:関本 創

2020年11月に『小学5年生がかいた ざんねん いがい ゆかいな妖怪事典』(講談社刊)を出版した妖怪博士の関本創(せきもとあらた)くん。彼がこれまで訪れた妖怪ゆかりの地で感じたことや体験談を文章と写真で紹介してくれます。第2回は河童(かっぱ)で知られる岩手県遠野市(とおのし)にあるカッパ淵。ラストにまさかの展開が訪れます!!

こんにちは。妖怪探究家の関本創です。
前回に続いて、この場で妖怪探訪記を書かせていただきます。よろしくお願いします。今回が初めての方もいらっしゃると思うので、もう一度自己紹介と、こちらがどんなコーナーなのかを説明させてください。

僕は福島県に住んでいる妖怪や怪異が好きな小学6年生です。昔、妖怪が出たと伝えられている日本全国のスポットを巡る、その名も「妖怪探訪」をしています。(残念ですが最近はコロナの影響もあり近所にしか行けていません。)

ここでは、僕が今まで訪れたスポットを紹介している……というわけです。前回は、「元祖・座敷わらしの宿」と呼ばれている緑風荘(りょくふうそう)さんについて書かせていただきました。今回は、緑風荘さんと同じ岩手県のスポットのご紹介をさせていただきます。どうか最後までご付き合いください。

今日紹介するスポットは「カッパ淵」です。
岩手県遠野市にあります。緑風荘同様、聞いたことがある方、訪れたことがある方も多いのではないでしょうか。遠野で一番有名な地といっても過言ではないこのカッパ淵。その名の通り、河童が出たという伝説が残っている淵なのです。今回はこのカッパ淵での体験談をお話しさせていただこうと思います。

いたるところにカッパが!

遠野……民俗学の祖、柳田國男(やなぎだくにお)さんがさまざまな伝承伝説を集め、まとめた「遠野物語(とおのものがたり)」によってその名が知られるようになりました。今では「妖怪の聖地」と呼ばれ、昔ながらの雰囲気が残る場所です。

僕が初めて遠野駅に着いた時、それはもうびっくりしました。なんと!! 町のいたるところにカッパがわんさかいたのです! 銅像もカッパ、マンホールもカッパ、しまいには交番までも超巨大カッパ! 隠れミッキーみたいな感じで探してみたくなります。

ここに来て、まず最初にすることは、観光協会、伝承園(でんしょうえん)にて「カッパ捕獲許可証」を購入することです! カッパ淵でのカッパ捕獲にはこの許可証が必要なのです。そこには、「カッパ捕獲7ヶ条」という七つの約束あります。内容は次の通りです。


1、    カッパは生け捕りにし、傷をつけないで捕まえること。
カッパ淵のカッパはデリケートなのでしょう。気をつけないと。

2、    頭の皿は傷つけず、皿の中の水をこぼさないで捕まえること。
頭の皿から水がこぼれたらカッパ弱っちゃいますもんね。当然です。

3、    捕獲場所は、カッパ淵に限ること。
捕獲範囲までしっかりと決められています。

4、    捕まえるカッパは、真っ赤な顔と大きな口であること。
遠野のカッパは赤い顔をしているのですね。

5、    金具を使った道具でカッパを捕まえないこと。
カッパは金物を嫌うと言われています。これも当たり前です。

6、    餌は新鮮な野菜を使うこと。
腐った野菜なんて食べたくないですからね。伝承園ではキュウリも売っていました。

7、    捕まえたときには、観光協会の承認を得ること。
なるほど。最後までちゃんとしていますね。

伝承園前で2代目カッパおじさんと記念撮影。パシャ!

これらの約束を守ると誓い、いざカッパ淵へ出発です!

到着した時に驚いたことが二つあります。
ひとつ目は、やはりカッパ淵のただならぬ雰囲気です。今まさにひょっこりカッパが出てきそうな雰囲気です。

そしてふたつ目、淵に沿って歩いて行った先にある巨大な釣り竿。先にはキュウリが括り付けてありました。
えっ……!? カッパって釣るの……? もう少し別の方法があると思うのですが……。まあ……ともかく、7ヶ条に従いみずみずしい新鮮なキュウリをしっかりと縄に結び付け、カッパ釣りを開始します。ですが、釣竿はピクリとも揺れません。

その時に、カッパ淵の守っ人(まぶりっと)こと、2代目カッパおじさんに遭遇しました。話を聞くと、初代カッパおじさんがこの淵でかつてカッパを見たことがあるということがわかりました。カッパおじさんいわく、「日本でカッパを見た人は、初代カッパおじさんただ一人!」だそう!!! カッパ釣りのコツもたくさん教えてくださり、いざ再チャレンジです! すると……なんと少し目をそらした隙にキュウリがきれいさっぱりなくなっていたんです!

釣り竿にキュウリをしっかり結んでスタンバイOK!

いかにもカッパが出そうな雰囲気

一瞬、縄がほどけた? のかと思いましたが、釣り竿の先の縄は輪っかのままだったので、ほどけてはいませんでした。では……輪っかから抜け落ちたのか? とも思いましたが、川の下流にキュウリは流れていませんでした。ということは……やはりカッパが持っていったのでは!?

さらにさらに、僕の弟、想(さとる)も一緒に釣りをしていたのですが、その釣り竿についていたキュウリもなくなっていました!
これにはすごくびっくりしました。すごく、すごーくびっくりしました。まさか兄弟でカッパにキュウリを持っていかれるとは……(笑)。感激です。

印象的だったのは、「カッパは見るものではなく、会うもの。」というカッパおじさんの言葉です。カッパにも心があります。ぜひ、会いたいという気持ちがカッパに伝わったのかと思うとすごく嬉しかったです。

二代目カッパおじさんからは「3代目は決定だな!」と言われました。現在検討中です(笑)。

それにしても、遠野は自然豊かですばらしい場所でした。そして、遠野には遠野物語で語られた話を今でも体感できるような場所がいくつかあるそうです。いつか行ってみたいな……いや、いっそのこと老後は遠野に住み着こうかな……? なんて考えている小学6年生です。

カッパだらけの今回も、最後まで読んでくださりありがとうございます!

取材・文:関本創
写真協力:伝承園

次回は新潟県にある婆々杉(ばばすぎ)です。お楽しみに!


著者紹介

関本 創 せきもとあらた

関本創(せきもとあらた)
プロフィール 
2008年7月21日、福島県生まれ。NHK Eテレ「沼にはまってきいてみた」やテレビ朝日の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」に取り上げられた小学生の妖怪博士。小学4年生で特許を取得。小学5年生で起業し取締役社長を務める。2020年、アマビエキーホルダーを制作、販売。その売り上げのほとんどでマスクを購入し地元医師会や保健所に4000枚寄付。12歳で自費出版本は5冊を数える。