そもそもイギリスは、地層と化石の研究が始まり、恐竜化石が世界で初めて発見された場所でもあります。古生物学の「聖地」と呼ぶにふさわしい、由緒正しい土地を一度は自分の目で見て調査してみたい、という気持ちが次第に強くなってきました。
そこで2025年秋、研究所の同僚で僕と同じくアンモナイトを研究している村宮悠介さんと一緒に、約10日間の調査旅行に出かけることにしました。村宮さんも調べたい場所があるとのことで、全部で6ヵ所の化石産地を車で巡ることにしました。
今回の記事では、その調査旅行の様子を皆さんに紹介したいと思います。
約1億年前の中生代白亜紀の地層があるイーストボーンへ
また、有名な恐竜、ティラノサウルスやトリケラトプスなどが生きた中生代の一時代を白亜紀と言いますが、時代名の「白亜」は、実はチョークそのものを指す言葉で、イギリスで見られるこのチョーク層に由来して付けられたものです。
チョーク質石灰岩の地層は何でできている?
言ってみれば、地層全体が化石の塊なのです。円石藻は「炭酸カルシウム」の石が並んでできています。炭酸カルシウムは、私たちが普段食べる鶏卵の白い殻と同じ成分なので、これが集まってできた地層の色は白くなるのです。
イギリスから持ち帰った岩石を宇都宮さんに送り、そこに含まれる円石藻を電子顕微鏡で撮影して送ってもらいました。円石藻の名前のとおり、細長い石が円形に並んでいる様子がわかると思います。規則正しい形がとても綺麗だと思いませんか?
































































