カメの寿命はほんとうに万年?

「鶴は千年、亀は万年」の本当のところは?

カメは長寿の象徴とされていますが、「万年」は生きません。しかし、動物の中ではとても長生きで、ペットとして飼われることがある『アカミミガメ(ミドリガメ)』の寿命は、40年以上です。また、私たちのみぢかな川や池にすんでいる『クサガメ』の寿命は、60年以上です。
そのほか、『アメリカハコガメ』は100歳以上で、ワニガメは150歳以上です。

過去に記録された最高齢のカメは、『ガラパゴスゾウガメ』で、175歳です。
このガラパゴスゾウガメは、進化論で有名な博物学者チャールズ・ダーウィンが1835年にガラパゴス諸島から連れてかえったとされています。
その後、「ハリエット」と名づけられ、オーストラリアの動物園で2006年に亡くなるまで飼育されました。

そのほかには、確かな記録ではないのですが、『アルダブラゾウガメ』で250歳以上という記録があります。このカメは、1750年ごろにセーシェル諸島で捕獲され、「アドワイチャ」と名づけられて、長い間ペットとして飼育されていました。その後、インドの動物園で飼育されることになり、2006年に死亡するまで130年間飼育されました。

現在、最も長生きしているカメは、セーシェル諸島のバード島にすんでいる、「エスメラルダ」と名づけられた『アルダブラゾウガメ』です。
年齢は200歳以上と推定されていて、これが確かであれば、現在生きている動物の中で、世界最長寿です。

今のところ、どうしてカメが長生きできるのか、解明されていません。
しかし、カメの生活と体のしくみに秘密があるようです。カメの呼吸はゆっくりで、のんびりとした生活をします。冬眠しているカメは、心臓の動きもゆっくりです。
また、体温を一定に保つために、常に熱を生み出す必要がある私たちとは異なり、カメは気温が下がると体温が下がります。そして、活動するためにエネルギーが必要なときには、日光浴をして体温を上げます。

このように、省エネルギーで活動できることが、カメの長生きの秘訣なのかもしれません。


■関連:「は虫類・両生類」30-49ページ