きみの住んでいるところはどっち? 東西でことなる梅雨のひみつ

東日本の梅雨は「しとしと型」、西日本は「ザーザー型」

 日本の6月といえば梅雨の季節。夏本番のまえに、くもりや雨の多い時期が1~2か月ほど続く。
(今年は例年より早く梅雨明けになってしまったが…)


この時期にテレビで天気予報を見ていると、「梅雨前線(ばいうぜんせん)」ということばがよくでてくるよね。天気図では、日本列島の南側に東西に横たわる線が描いてある。これが梅雨前線だ。

地球上では、たとえば「温度が高くて湿っている」というような、ある一定の性質をもった大気が、大きなかたまりのようになって広い地域をおおっていることがある。
この大規模な大気のかたまりを「気団」という。おなじ性質をもった大気の団体、ということだ。
そして、ちがう性質をもった気団どうしが接すると、そこに「前線」ができる。前線のところでは、ちがう性質の大気どうしが混じりあおうとしているので、大気の状態が不安定になって天気が悪くなるんだ。

さて、梅雨前線のお話だ。梅雨前線の南にあるのは小笠原気団。太平洋の上にある「暖かくて湿った」気団だ。では、前線の北側にある気団はなにか。

じつは、梅雨前線は日本だけのものではなく、はるか西の大陸から続いている。梅雨前線は、中国にもあるんだ。
梅雨前線の北側の西半分、つまり大陸のほうにあるのは、長江気団(ちょうこうきだん)という「暖かくて乾燥した」気団。そして、東半分にあるのはオホーツク海気団とよばれる「冷たくて湿った」気団だ。日本は、その境目くらいにある。

だから、東日本の梅雨は、寒冷なオホーツク海気団の影響を強くうけて、冷たい雨がしとしと降る。一方、西日本の梅雨は、それほどひんやりした感じはない。そして、西日本には、南の海上から湿った空気が大量に吹きこむことがあり、大雨になって土砂くずれなどの被害がでる。
東日本の梅雨は「しとしと型」、西日本は、降るときには激しく降る「ザーザー型」ともいわれている。おなじ梅雨でも、西日本と東日本とでは、ずいぶん違うんだ。

この日本の梅雨は、ずっと西のほうにあるヒマラヤの山々やチベット高原の影響をうけている。これらの地形がないと、こんなじめじめした梅雨はなくなってしまうんだ。
くわしいお話は「びっくり! 地球46億年史」にのっています。