日本にもコブラがいる! その名は『ハイ』!! <後編>
2019.03.01
ハイもコブラ科なのだから当然、毒を持っている。……と言われている。
しかし、ハイはものすごくおとなしくてなかなかかみついてこない上に口も小さい。そのため、これまでハイに咬まれて毒にあたったという人は一人も知られていないのだ。
……気になったので実現してみた。
路上に出ていたハイをやさしくつかみ上げる。すると怒っているのか怖がっているのか、指にしっぽを巻きつけてきた。しかし、かみつきはしない。口を開きもしないし、それどころか顔はそっぽを向いている。
……えぇ~、なんだおまえ……。せっかく毒持ってるのにおとなしすぎるだろ……。
しかし、次の瞬間!指にチクチクと何かが当たるのを感じた!
これがハイにとっては必死の攻撃なのだ。……正直言ってぜんぜん痛くないです。
毒のあるキバ持ってるんだろ!?
コブラなんだろ!?
それ使おうよ!
そう思ってしまいがちだが、きっとハイの毒はあくまでエサであるトカゲやメクラヘビを捕まえるためのもので、外敵から身を守るために使うことは想定されていないのかもしれない。
沖縄にもともといるハイの天敵といえば、アカマタやフクロウの一種のリュウキュウコノハズクくらいのものだろう。
きっとそうした敵にはハイの小さな口とキバなんかでは、かみついて毒を注入することなんてとてもできないのだろう。だから、そのかわりにかたくてとがったしっぽを使った攻撃を身につけたのかもしれない。人間にとってはたいしたことないように感じるが、ヘビや鳥にとってはめちゃくちゃ痛いのかもしれない。
だからよい子は沖縄でオレンジ色のヘビに出会っても甘く見て素手でつかんだりしないように!万が一のことがあっても知らないよ!
みんなわかった!? ほら返事は!?
……そうだね。『ハイ!』だね。