図鑑はプレゼント需要上位! クリスマス前に押さえておきたい リアル書店で売れる図鑑&ネット書店で売れる図鑑

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幼児・学習図書出版部 部長:片寄 太一郎

手に取ったときの興奮がそのまま数字に反映

これらの結果からわかることはなんなのか、編集部と営業部で知恵をしぼりました。その分析を、以下にあげてみます。

リアル書店で売れているものは、はっきりしています。「恐竜」「危険生物」「昆虫」……。

ビジュアルインパクトが強いのが図鑑MOVEの特徴ですので、おそらく親子で書店に行った際に、実際の読者となるお子さんが「すげぇ!」と興奮して手に取り、そのままレジに行かれたケースが多いのではないかと推察します。
じつは、リアル書店でトップ10に入った図鑑について、お客さんがほかにどんな本を一緒に買ったかについても調べてみました。
・恐竜2 最新研究 新訂版(講談社の動く図鑑MOVE)
・昆虫 新訂版(講談社の動く図鑑MOVE)
・動物 新訂二版(講談社の動く図鑑MOVE)
・魚 新訂版(講談社の動く図鑑MOVE)
・危険生物 新訂版(講談社の動く図鑑MOVE)
・大むかしの生きもの(講談社の動く図鑑MOVE)
・宇宙 新訂版(講談社の動く図鑑MOVE)
・乗りもの(講談社の動く図鑑MOVE)
・EX MOVE 猛毒の生きもの(講談社の動く図鑑MOVE)
・[新版]昆虫 DVDつき(小学館の図鑑NEO)
「恐竜」「昆虫」「動物」……。結局、リアル書店でよく買われる図鑑は、2冊目、3冊目にも選ばれているという結果でした。
学習図鑑でシェアNo.1を誇る小学館の図鑑NEOの「昆虫」が、一緒に買い求められる書籍の10位にランクインしていますが、同じジャンルの図鑑同士を読み比べて知識を深めるというよりも、やはり1冊MOVEを買ったら同じシリーズの図鑑をそろえて楽しみたいということかと分析します。

ネットで「はじめて」シリーズが買われる理由

一方、ネット書店で人気のあるのが図鑑MOVEの中でも、「はじめて」シリーズに集中しています。

「はじめて」シリーズとは、読み聞かせ2~3歳ごろの読み聞かせにも対応できる、まさに子どもが初めて出会う図鑑、「ファースト図鑑」というコンセプトでつくられています。

総監修に脳医学者・瀧靖之先生をむかえ、保護者から子どもたちに読み聞かせができるよう、ページ中に「ココを声に出して読んであげて」というポイントが示されています。
この「はじめてのずかん」を読み聞かせられている2~3歳のうちは漠然と自然科学について触れる程度かもしれませんが、4歳、5歳、6歳と年齢が上がってひとり読みができるようになるにつれ、幼いころから図鑑に触れたことで埋められていた“サイエンスの種”が芽吹いてほしい――というのが狙いです。
「はじめてのずかん」が人気の理由は?
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