中学受験生の親として実際に体験したリアルな情報や驚きの真実、お子さんの成績アップに直結する塾では教えてくれない&巷の受験本やサイトには書かれていないお役立ち情報・裏ワザが満載の、面白くてやる気が出る作品です。
コラボ企画としてアンケートで集めた、中学受験経験のある東大生35人のフレッシュな情報とともに、これから中学受験を考えている方、今まさに通塾や勉強法で悩んでる方、みなさんのヒントになるコラムをお届けします。
第8回:中学受験 ~勉強法ヒント・過去問編~
受験における大切なテーマの1つである『過去問』の取り組み方について見ていきましょう。
9月からは土日を利用して学校別模試がスタートします。学校別模試は、数回しかない非常に貴重な機会です。それなのに、過去問を1回も解いたことが無い状態で模試を受けるのはもったいないです。
9月の学校別模試までには少なくとも1年分は、解いて解説するところまで済ませておきましょう。記述形式で採点が難しい場合は、塾の先生にお願いするのも良いと思います。
その際、我が家は、算数の難易度も書いていただいていました。○(絶対落としてはいけない問題)△(できたら取りたい問題)×(解けなくても良い問題)というように設問の前に記号を付けることをお願いしました。
ご存知のように、試験は満点を取らなくても合格できます。いかに、解けなくても良い問題(捨て問)を見極めるかも大事な要素になってきます。素晴らしいバッターが選球眼を持つように、「選問眼」を持つことが得点アップに繫がります。
またせっかくの過去問ですから、解答用紙は、本番と同じような倍率でコピーして解きましょう。学校説明会などで本番と同じ過去問を販売していたら、ぜひ入手しておくことをおススメします。紙質によっては、消しゴムをかけると破けやすいとか設問の文字も消えやすいとか、コンパスが使いにくいといったこともあります。
過去問がない場合の対策は?
新設校の場合は、同じような偏差値帯で似たようなタイプの学校(共学、別学、進学校、大学附属校など)のものを参考にすると良いかと思います。
過去問は、できたら本番と同じ開始時間・同じスケジュールで解きたいのですが、秋以降は、土曜も日曜も塾や模試があって、なかなか同じ条件では解けません。そして5年分を解こうと思ったり、第一志望校以外の過去問も手をつけようとすると、秋や冬からスタートしたらとても間に合いません。
過去問は解いたら終わりではなく、採点をして、解説をして、理解するところまでが過去問の取り組みとなります。4教科ですと最低でも6時間はかかります。塾の先生に採点をお願いする場合は返却までに時間がかかることも想定しておく必要があります。
そう考えると小6のGWあたりから始めても決して早くはないのです。よく過去問を模試のようにとらえて『できた・できない』で一喜一憂する方がいらっしゃいますが、それは学校別模試でやればよいことです。
過去問はその学校がどのような問題をどういう狙いで出しているのか、その傾向を体にたたきこむために取り組むのです。ですから一度解いた過去問を2度、3度と繰り返して解くことも意味があると考えています。
これを読んでいる親御さんは、過去問を実際に解いたことはありますか? 全科目は難しかったら、国語だけでも解いてみてください。
「試験問題は学校からのラブレター」とも言われますが、何年分も解いていると、この学校はこういう問題が好きだなということが分かってきて、ひいてはこういう生徒に来てほしいんだなということも見えてきます。
それと、お子さんは、自宅で過去問に取りかかる際にも、マスクを着用していますか?
マスクって、お子さんによっては、うっとうしいのでつけたがりません。マスクをするとパフォーマンスが下がるお子さんもいます。
だからこそ、家でも本番と同じようにマスクを着用して行う必要があります。マスクも、息がしやすいもの、耳が痛くならないもの、メガネがくもらないものなどいろいろな機能がありますので、過去問を解く際にマスクを着用して、自分にあったストレスの少ないものを本番までに見つけておきましょう。
文房具や時計も、試験当日はシャーペンや腕時計が禁止の学校もありますので、事前にチェックし、過去問を解く際には、本番同様に取り組みましょう。とにかく徹底的にシミュレーションをすることが大切です!
今回も実際の現役東大生が体験した中学受験のデータ、私が親として見聞きした肌感覚の体験や臨床心理士としての知識などを元に、過去問を解くときの注意点についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
小説『受験精が来た!』はこれまで全く受験に興味のなかった小6の女の子が、いきなり現れた毒舌のイケメン妖精・受験精の助けを借りながら第一志望校合格を目指すお話です。小学生が読んでも笑って楽しめる内容ですが、ここに書いた超リアルな中学受験は、本当の情報が満載です。
そしてちょっとした気づきでグッとケアレスミスが減る方法や各科目をできるだけ無駄を省いて楽しく効果的に勉強するヒントなどを『26条の受憲法』としてまとめてあります。今回のコラムでいくつかご紹介しましたが、さらに多くのノウハウをくわしく紹介しています。
親子で夫婦でお子さん自身で、これから受験を考えている人も、いま受験でくたびれ気味だよって人も、受験をするか迷っている人も、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
次回は、本番前に試験が行われる『前受け校編』です! 東大生は、何校くらい前受け校を受けたのでしょうか? 本番に活かせる『前受け校』の効果的な受験方法をお伝えしていきます。お役に立てる情報がたくさんありますのでお楽しみに♪
真田 涼
小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https://rindashinri.wixsite.com/mysite Instagram : https://instagram.com/rinda_shinri
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