中学受験生の親として実際に体験したリアルな情報や驚きの真実、お子さんの成績アップに直結する塾では教えてくれない&巷の受験本やサイトには書かれていないお役立ち情報・裏ワザが満載の、面白くてやる気が出る作品です。
コラボ企画としてアンケートで集めた、中学受験経験のある東大生35人のフレッシュな情報とともに、これから中学受験を考えている方、今まさに通塾や勉強法で悩んでる方、みなさんのヒントになるコラムをお届けします。
第12回:中学受験 ~試験当日・トラブル編~
中学受験のときにトラブルにあった東大生が、その内容についてアンケートに書いてくれました。先輩たちの試験当日のトラブルや失敗例から、トラブルに遭った際の対処法についてお伝えしていきます。
ではさっそく、どんなトラブルに遭遇したのか見ていきましょう。
東大生の中学受験当日のトラブル
・上履きを忘れた
・受験票を忘れて再発行してもらった
・お弁当に箸が入っていなかった
・前日にインフルエンザに罹った
・受験教室を間違えた
・携帯の電源を切っていなかった
・体調を崩した
・電車で酔った
・人身事故があり、到着が遅れた(試験の開始時間も遅れていたが)
・自分は時間どおりに着いたが、雪で試験の開始時間が遅れ、試験開始まで教室で非常に長い時間待たされた
・試験中に尿意や便意をもよおしたが我慢したため、試験に集中できなかった
・緊張から吐きそうになった
心の避難訓練でトラブル回避を!!
地震や津波に遭遇した際などに、人がパニックになるのは想定外だからです。なのでそれを回避するために、地震が来たらどこに避難するということをあらかじめ決めておいて、避難訓練をしていますよね。それと同様で、『心の避難訓練』をして、想定外を減らしておくと良いのです。
まず忘れ物です。受験票は再発行してくれるところがほとんどかと思いますが、受験票を忘れたということに動揺してしまう場合もあります。まれに受験票がない場合は受験できませんと表記している学校もあります。WEB出願でしたら、受験票を2部作成して、親も受験票を持っておくと良いです。
受験票には、各科目の開始時間や試験の終了時間が書かれていることも多いので、忘れ物対策でなくても持っていると心強いです。
WEB出願ではなく受験票が1部しかない場合は、表裏をカラーコピーしたものを親が持っておくと、再発行の際にスムーズです。
上履きやお弁当、テキストなど子どもの荷物を親が持ってあげていると、うっかり渡しそびれて、後からあわてて届けたという話もよく聞きます。最寄り駅に着いたら親が持たずに本人に持たせることを意識すると良いです。
また試験の休み時間にも何に取り組むか決めておきましょう。「次は社会だけど、どれやろうかな? 年号暗記カードか一問一答か、それとも過去問を見るべきか……」なんて迷っていたら、時間がもったいないです。
受験生は本番までに何十回も、模試や過去問を受けると思います。模試や過去問と全く同じ問題はほとんどでませんが、同じシチュエーションは起こります。
模試は学習面の習熟度をはかる以外にも、気持ちの切り替え方や緊張をほぐす方法、休み時間の過ごし方などの絶好の練習機会でもあるのです。
アンケートにもありましたが、試験中に尿意や便意をもよおして、試験に集中できなかった。このエピソードもよく聞きます。トイレが非常に混んでいて、並んでいたら試験開始時間までに戻れないのではないかと思い、休み時間にトイレに行かなかったというお子さんも結構見受けられます。
トイレが混んでいた場合は、試験の開始時間も遅らせてくれます。なので、トイレは我慢しないで行きましょう。特に女子トイレは結構並びます。トイレに行く際は、並んでいる間に見るテキストも忘れずに!
これは塾ではほとんど教えてくれないことかと思いますが、小6の女子は初潮を迎える年頃です。まだ初潮を迎えていなかったお子さんが、試験当日に初潮を迎えて、トイレに行ったら下着が汚れていてパニックになり、その後の試験中はスカートも汚れてしまうのではないかと気になり、試験に集中できなかったという話も聞いたことがあります。
生理用品はカバンのポーチだけでなく、1つは必ずポケットに入れておきましょう。というのも、トイレに行って下着が汚れていたのに気づいた場合に、また教室に戻って生理用品を取りに行くのも時間のロスになります。
同様に水なしの下痢止め薬もカバンに入れている場合が多いかと思いますが、試験中にお腹が痛くなった場合、トイレに行くことは許可されますが、基本的に試験中はカバンを開けて中から何かを取り出すのは許可されていません。我が家は下痢止め薬も1つはポケットに入れておき、万が一お腹が痛くなったらトイレに行ってそれを飲むように伝えていました。
人がパニックになるのは想定外のことが起きたときです。地震が来たらあそこに避難するというように、みなさん避難訓練をしますよね。それと同じで、「心の避難訓練」をしておくと、何かが起こってもパニックにならずに済みます。
試験中にお腹が痛くなったらトイレに行って薬を飲む、分からない問題があったら何かを書いて先に進む、違う場所に記述を書いてしまったら問題用紙に自分の答えを書いてから消す、などなど……。
親のほうも受験票を忘れたら、上履きを忘れたら、予定していた路線が雪や事故などで使えなかったらと、いくつかのトラブルを想定して、あらかじめ対処法を考えておく『心の避難訓練』をしておきましょう!
また、個人差はありますが、試験には緊張はつきものです。ルーティンを行うと平常心でいられると言う人もたまにいますが、それは少し違います。ルーティンというのは、それを行うと、たとえ緊張しても次の動作に入れるというもので、ラグビーの五郎丸や野球のイチローなどが行っていますよね。
適度な緊張感は集中力を高めてくれますが、あまりに緊張して実力が発揮できなかったということがないように、緊張したらどうするかということも決めておくと良いです。人は、何もしないという状況が苦手で、今、現在、明確にやるべきことがないと過去や未来のことを考え、後悔したり不安を抱いたりして、それが緊張に繫がります。
問題用紙が配られて、試験開始を待つ間などがそうですね。いったん過去や未来のことを考えると気持ちの切り替えに時間が掛かってしまうので、今ここでできることに取り組むことが緊張をほぐす最善の方法となります。
模試を受ける際に緊張したら、深呼吸をする、ヒジをもみもみする、脳内でしりとりする、膝の上で好きな曲を弾く、心の中で歌を唄うなど、自分が好きなこと、取り入れてみたいことなどをいろいろ試して、自分なりの緊張をほぐす方法を本番までに見つけておいてください。
模試で緊張したら、手応えが悪かったら、試験中にトイレに行きたくなったら……それはとてもラッキーなことです。そういった際の対処法の練習ができるのですから。模試や過去問は、得点を見るだけでなく、『心の避難訓練』の場としても活用してくださいね!
今回も実際の現役東大生が体験した中学受験のデータ、私が親として見聞きした肌感覚の体験や臨床心理士としての知識などを元に、試験当日のトラブルに遭遇した際の対処法についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
小説『受験精が来た!』はこれまで全く受験に興味のなかった小6の女の子が、いきなり現れた毒舌のイケメン妖精・受験精の助けを借りながら第一志望校合格を目指すお話です。小学生が読んでも笑って楽しめる内容ですが、ここに書いた超リアルな中学受験は、本当の情報が満載です。
そしてちょっとした気づきでグッとケアレスミスが減る方法や各科目をできるだけ無駄を省いて楽しく効果的に勉強するヒントなどを『26条の受憲法』としてまとめてあります。今回のコラムで取り上げた受験当日のエピソードやトラブルなども書かれています。
親子で夫婦でお子さん自身で、これから受験を考えている人も、いま受験でくたびれ気味だよって人も、受験をするか迷っている人も、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
次回は、いよいよ合格発表・総括編です! 試験は受けて終わりではありません。合格発表、そして第一志望校に合格できなかった場合に、親はどうしたら良いかなど、成長の糧につながる結果の受け止め方をお伝えしていきます。お役に立つ情報がたくさんありますのでお楽しみに♪
真田 涼
小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https://rindashinri.wixsite.com/mysite Instagram : https://instagram.com/rinda_shinri
小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https://rindashinri.wixsite.com/mysite Instagram : https://instagram.com/rinda_shinri