コラボ企画としてアンケートで集めた、中学受験経験のある東大生35人のフレッシュな情報とともに、これから中学受験を考えている方、今まさに通塾や勉強法で悩んでる方、みなさんのヒントになるコラムをお届けします。
第6回:中学受験 ~勉強法ヒント・国語実践編~
一つ目は新聞のコラム、「天声人語」や「編集手帳」をどれか選んで書き写してみることです。「十読は一写にしかず」という言葉があります。10回繰り返して読むよりも、1回で良いからていねいに書き写すほうが心に残るという意味です。
小学生がトライするにはかなり高度なことですが、前回ご紹介した漫画を読むこととは逆のアプローチで、楽しむのではなく「自分が難しいことに取り組んでいる」という達成感を得ることができます。さらにこういったコラムで取り上げられている内容は、理社の時事問題として出題されることも多く、一石二鳥の効果が得られます。
また前回漫画を読むことをおススメしましたが、もちろんいわゆる「小説」にも自分自身の自由な想像力で人物や情景を想像して楽しめるという面があります。それぞれが楽しみや達成感をもって、言葉に対する興味を持つように働きかけていきたいものです。
また、小説『受験精が来た!』でも書かれていますが、情報を、目からキャッチしやすいタイプと耳からキャッチしやすいタイプがいます。主人公・希望(のぞみ)のように耳からのほうがキャッチしやすいタイプには、オーディオブックもおススメです。車での移動時間、お風呂に入っている間、食事中などのすき間時間に、流しておくのも良いですよ。
ここまで国語学習の総論的なお話をしてきましたが、ここからはいくつかすぐに点数が上がる国語攻略のヒントをご紹介します。
*中学入試における漢字は、見せびらかし
「もっとていねいに書きなさい!」と言いたくなりますが、子どもには「ていねいに」という抽象的な言い方よりはもう少し踏み込んだ表現のほうがイメージがわきやすいかもしれません。中学入試における漢字の問題は、ズバリ「見せびらかし」です。
フィギュアスケートで審査員に見せているようなイメージで、思いっきりアピールするように書きましょう。
「見て見て! ここ、はねてますよ! ほら、ここにパシッと点をうちましたよ! だからここ、ポイント入れてください!」というように、それこそ採点者に見せびらかすつもりでしっかり書いていく、というイメージを持つのが良いと思います。
*選択肢問題の答えを選ぶやりかた
解き方としては、まずいきなり選択肢から選ぼうとするのではなく、設問を読んだら自分なりの答えを短くていいから、問題の下に書くことをお勧めします。それからはじめて選択肢の文章に目を通すのです。
そのときにコツがあります。
選択肢は、文章を句読点ごとに区切って、合っているか、合っていないかを○×△を付けて判断するとまちがえにくいです。
例えば問題文の選択肢に『町の書店での本探しは思わぬ本との出会いがあり、ネット書店にくらべるとかならず豊かなめぐりあいがある。』という文があったとします。
この場合前半の『町の書店での本探しは思わぬ本との出会いがあり』は○です。でも後半の『ネット書店にくらべるとかならず豊かなめぐりあいがある。』の部分に関しては、豊かなめぐりあいがあることは文章に書いてあっても、それがかならずとまでは言っていないので×です。
このように句読点ごとに判断していくと、何となく全体的には正しそうな雰囲気の設問に引っかからなくてすみます。またパターンとして、本当は正しいのに間違った選択肢に見せかけるために、言いかえをして同じ意味の内容をわざと別の表現に変えていることがよくあります。
例:「二度と話したくないと思った」が「強い嫌悪感を感じた」に表現が変わっている、など。
子どもはこんな言葉は文章の中に出てこなかったから×だ! と思いがちですが、まさにこれこそが出題者の仕掛けたトラップになります。
一見正解のようだが間違っている選択肢、同じ内容を違う言葉で表現することで不正解に見せかけた選択肢が誤答を誘う2大パターンです。落ちついて見抜くようにしましょう。
また数年前の本屋大賞受賞作品もしばしば問題文として登場します。13歳前後の主人公のものはとくに出やすいです。
ここで少し小ネタの紹介です!
今回ここまで文字ばかりでしたので、ここでいつもおなじみの現役東大生によるアンケートをご紹介します。
うちの子公文に行かせてなかったから出遅れた! と慌てる必要はなさそうです。もちろん公文のシステムは優れたものだと思いますが。
*小学生のときに英語は習っていましたか?
受験雑誌を見ると英語こそ早期教育で決まる! などと煽るような記事をよく目にしますが、少なくとも大学受験においては必ずしも気にしすぎることもなさそうです。
まあ実際に受験塾に通うようになると、英語塾に行く時間的余裕が無くなる、ということも影響していると思います。
今回も実際の現役東大生が体験した中学受験のデータ、私が親として見聞きした肌感覚の体験や臨床心理士としての知識などを元に、国語の勉強法のヒント、すぐに効果が上がる攻略法についてお伝えしました。いかがだったでしょか?
小説『受験精が来た!』はこれまで全く受験に興味のなかった小6の女の子が、いきなり現れた毒舌のイケメン妖精・受験精の助けを借りながら第一志望校合格を目指すお話です。小学生が読んでも笑って楽しめる内容ですが、ここに書いた超リアルな中学受験は、本当の情報が満載です。
そしてちょっとした気づきでグッとケアレスミスが減る方法や各科目をできるだけ無駄を省いて楽しく効果的に勉強するヒントなどを『26条の受憲法』としてまとめてあります。今回のコラムで取り上げた国語の点数を上げるコツのほかにも、説明文と物語文の読み方などさらに多くのノウハウをくわしく紹介しています。
親子で夫婦でお子さん自身で、これから受験を考えている人も、いま受験でくたびれ気味だよって人も、受験をするか迷っている人も、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
次回は、勉強法ヒント・ケアレスミス編です! 「このミスがなければクラス落ちしなかったのに……」と悔しい思いをしたことはありませんか?
天下の東大生はケアレスミスをしていたのでしょうか? どうやったらケアレスミスを減らせるのかとっておきの方法をお伝えします。お役に立てる情報がたくさんありますのでお楽しみに♪
真田 涼
小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https://rindashinri.wixsite.com/mysite Instagram : https://instagram.com/rinda_shinri
小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https://rindashinri.wixsite.com/mysite Instagram : https://instagram.com/rinda_shinri