読書感想文の本選びに困ったときは、お子さまの興味に寄り添った一冊を一緒に探すチャンスです。
今回は特別に、中学受験でも人気を誇る名門、鷗友学園の現役生徒のみなさんに「小学生のとき読書感想文を書いた本」を大調査!
先輩たちは、どんな本で読書感想文を書いたのか、覗いてみるとヒントが見つかるかもしれません。要チェックです!
鷗友学園(おうゆうがくえん)とは?
中学受験で人気の中高一貫の女子校。東京大学や早慶など、難関大学への合格者も多数輩出しています。
“本好き”を育てる環境づくりに力を入れていて、図書館には青い鳥文庫をはじめとした児童文庫がたくさん。
また、中高それぞれで100冊読破を目指す「読書ノート」や、クラスメートに向けて読んだ本についての手紙を書く「読書郵便」など、独自の取り組みが活発に行われています。
目次
おすすめの本①『モモ』
かつて栄華を誇っていたが、今では廃墟と化してしまった円形劇場。そこに住み着いたのはきみょうなひとりの少女。少女はモモと名乗った。
彼女は人の話を聞く才能に長け、どんな人でもモモに相談するとなやみが解決したり、幸せになったりする。
しかし幸せだった街に、「時間の貯蓄」をうながす灰色の男たちが現れて……。人々はいつの間にか変わってしまう。
人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う、エンデの名作。
モモは、自分をしっかり持っていて、本当に大切なものは何かを教えてくれます。「タイパ主義」の流行する現代において、時間の節約にせかせかしている私たちに、人間の幸せな生き方を諭してくれるような本です。
今の自分の時間に対する生き方を見つめなおすことで読書感想文が書けるはず!
おすすめの本②『かがみの孤城』
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこにはちょうどこころと似た境遇の6人が集められていた――。
オオカミさまと名乗る仮面をつけた少女によると、城のどこかに「願いの部屋」があり、その部屋に入るための鍵を見つけた者は一つだけ願いを叶えられる。しかし城には厳しいルールもあった。少年少女たちは少しずつ心を通わせていく。
なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
城に集められた7人の子どもは、どこか心に悩みや傷を負っています。人間関係で悩んだ経験は誰にだってあるはず。こころたち登場人物に共感しやすく、自分のことと絡めて感想文が書ける! 「居場所とは」「他人とのつながりとは」という深いテーマを考えるきっかけになるはず。
おすすめの本③『しっぱいにかんぱい』
人に言えない失敗は、だれにでもあります。達也のおねえちゃんは、小学校のリレーで、失敗をしてしまいます。朝ごはんも食べられないくらいおちこむおねえちゃん。そんなとき、おじいちゃんから電話がかかってきて……。
失敗はだれにだってあるもので、しっぱいしても大丈夫! ということを教えてくれる一冊。
2009年青少年読書感想文全国コンクール小学校低学年の部〈課題図書〉選定
誰にだっていくつもある、失敗。失敗をすると落ち込んでしまうけれど、それはがんばった証。読書感想文を書くときは自分だったら?ということを書くのが大事。自分がしてしまった失敗やそのときの気持ちなど、「失敗」というテーマからたくさん広がる!
おすすめの本④『保健室経由、かねやま本館。』
ずっとクラスの人気者として生きてきた中学生の佐藤まえみ(通称:サーマ)。父親の異動に伴い、夢の東京生活がはじまった。東京生活になじめなかったのか兄の慈恵(じけい)は突然不登校に。
サーマは東京でもうまくやっていけるって信じてたけど、「サーマって、なんていうか……ちょっとしんどい」と、仲良しグループにはじかれて……。
学校に行きたくないけど、両親に心配されるから休みたくもない。葛藤しながら保健室に向かい、扉に手をかけようとした瞬間。
「ちょっとちょっと、あんたはこっち!」手招きしてきた不気味な白衣のオバさん・銀山先生に導かれ、いぶかしみながらも保健室の隣の【第二保健室】で休むことに。
その地下にあったのは、中学生専門の湯治場「かねやま本館」だったーー。
「辛かったら、休んでいい」ということを教えてくれるこの本。転校して人間関係や環境の変化にとまどう主人公サーマの気持ちは、新学期などに経験した人もいるかも? 心が温まるお話で、どこに感動したか、自分がサーマだったらどんな気持ちか、どうするかなど書きやすい。
どれも選りすぐりの本で、読書感想文にはもちろん、普段の読書にもおすすめ。ぜひ、読んでみてください!
次回は鷗友学園の現役生徒たちが「本に救われたこと」特集! お楽しみに
鷗友学園の生徒が子ども目線で中学受験を語る企画も! 『中学受験準備大全』が12月3日に発売
鷗友学園の生徒が自ら企画、編集、執筆した「子どもが語る中学受験」という記事が読める! 中学受験のすべてが理解できるようなムック本が2025年12月3日に発売されます。
中学受験を考え始めた保護者の方におすすめの一冊。
中学受験準備大全 知識ゼロから「中受」のすべてが一冊でわかる! (講談社 MOOK)
定価:1980円(税込)/講談社





























