ぼっち、不登校、同調圧力…10代が抱える悩みに向き合う小説たち 「未来屋アオハル文学賞」で『15歳の昆虫図鑑』が大賞受賞!

講談社作品が受賞10作品中4作品入賞! 10代の中高生に向けた新しい文学賞の受賞10作品を紹介

中村 美奈子

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株式会社未来屋書店の創立40周年を記念して設立された、10代の中高生に向けた新しい文学賞「未来屋アオハル文学賞」の第1回受賞作品が、2025年7月18日に発表されました。

選考者は、書店店頭で多くの読者と向き合ってきた児童書アドバイザーたち。「10代に今、読んでほしい」と心から思える作品が選出されており、受賞作10作品中、講談社作品が4作品選ばれています。

受賞作の作者は、2005年以降にデビューした方ばかり。いずれの作品も、ミレニアル世代やZ世代の若者たちの生活や感性、悩みを的確に捉えており、多くの若者の共感をよんでいます。大賞を受賞した『15歳の昆虫図鑑』と『かなたのif』をはじめとする受賞全10作品を紹介していきます。

【大賞】五十嵐美怜『15歳の昆虫図鑑』虫オタ×悩みアリな中学生5人の化学反応に心が躍る♪

『15歳の昆虫図鑑』著:五十嵐美怜、1,650円/講談社
『15歳の昆虫図鑑』著:五十嵐美怜、1,650円(税込)/講談社

【書店でもお買い求めいただけます!】
受賞作を含む上位入選作は、8月31日(日)まで、全国の未来屋書店およびアシーネ店舗にて「第1回 未来屋アオハル文学賞フェア」として展開されています。

〈あらすじ〉
舞台は、東北の田舎町。町を流れる川には、少し前までホタルがたくさん見られたけれど、今は川が汚れてしまい、わたし・鈴木真優は、生まれてから一度もホタルを見たことがない。

町では「ホタルがすめる環境を取りもどす」ことを目的に、川沿いのゴミ拾いをする参加者を学校ごとに募集しているが、中学3年生にもなって参加する人なんていないと思っていた──東京からやってきた転校生・吉岡蛍子が手を挙げるまでは。

吉岡蛍子は、肩までの髪を二つ結びにして銀ブチメガネをかけた「まじめ」女子。東京の学校から転校してきたけれど、「特に都会っぽくない」見た目と、休み時間はひとりで昆虫の本を読んでいる「変わった」子で、転校してたった数日で「話しかけちゃダメな人」のカテゴリに入ってしまっていた。

一匹狼で我が道を行く吉岡蛍子と、ホタルが気になるわたし。
でも、中学3年生になってからいっしょにいるグループのリーダー・遠藤咲に対して、本音を口にすることができず、苦しい思いをしていたが……。

『15歳の昆虫図鑑』の〈注目ポイント〉を紹介! 昆虫に例えられたコトとは?

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