のっぺらぼうのおじさん

作:そうま こうへい   絵:タムラ フキコ  

発売日 2014/05/16
価格 定価:1,210円(本体1,100円)
ISBN-13 9784061981997
判型 A5
ページ数 80ページ

 1年生から一人で読める童話シリーズ、「どうわがいっぱい」の新作です。
 夕方の公園で出会った、似顔絵描きののっぺらぼうのおじさん。
 「ぼく」は最初逃げようとしますが、勇気を出して、おじさんの顔を描いてあげることに。
 ちょっとこわいけれど、心あたたまるお話です。
 書籍・雑誌・広告で活躍中のイラストレーター、タムラフキコ氏の、雰囲気のある絵がぴったり合っています。

●あらすじ
 ある夕方。友だちの家から帰る途中、ぼくは公園で額縁を売っている露天を見つけた。
「あなたの にがおえ かきます 50えん」
と書いてある。
 安いので描いてもらうことにしたけど、おじさんはずっと下をむいたまま、顔も見ずに描くので、似顔絵はぼくにぜんぜん似ていない。
「おじさん、へたくそー。下ばかり見てないで、ぼくをよく見てかいてよ。」
 すると、おじさんは、
「そんなにいうなら、ぼうず、おまえがかいてみな。がようしじゃなくて、わしのかおにちょくせつかいてくれないか。」
と言って、顔をあげた……! 
 ぼくは全力で逃げようとしたけど、
「やっぱり、こわいのかー。」
というおじさんの声に、立ち止まった。
 ぼくは、よわむしじゃない! それに、こののっぺらぼうのおじさんは、そんなにわるい人じゃない気がする。
 ぼくは、ゆうきを出して引き返し、絵筆をとって、おじさんの顔を描きはじめた--。

※1年生漢字のみ使用。ルビつき

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角野 栄子
児童文学作家
1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。 代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。 2023年には、江戸川区に「魔法の文学館」がオープンした。 写真提供:魔法の文学館 童話作家・角野栄子のオフィシャルサイト 魔法の文学館オフィシャルサイト
ナコ
イラストレーター
宮城県仙台市在住。イラストレーター。アパレル・キャラクターのデザイン会社にてグラフィックデザイナー・イラストレーターとして活躍後に、フリーに転身。現在は、書籍や雑誌、広告のイラストから企業キャラクターデザイン、エッセイ漫画執筆、雑貨やテキスタイルデザインも手がけている。ブログ、SNSでもエッセイ漫画を公開中。 【著書】「ナコさんちの頑張らない家事」(KADOKAWA) ▼webサイト▼ https://nfsn66.net/ ▼ブログ▼ https://ameblo.jp/nacomusud/ ▼instagram▼ naco.nfsn66 ▼Twitter▼ @nfsn66
佐野 洋子
絵本作家・エッセイスト
1938年6月28日中国・北京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。 主な作品に『100万回生きたねこ』(講談社)、『おじさんのかさ』『おばけサーカス』(講談社・サンケイ児童出版文化賞推薦)、『すーちゃんとねこ』(こぐま社)、『わたしのぼうし』(ポプラ社・講談社出版文化賞絵本賞)、『だってだっての おばあさん』(フレーベル館)、『ねえ とうさん』(小学館・日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)などの絵本や、童話『わたしが妹だったとき』(偕成社・新美南吉児童文学賞)、さらに『神も仏もありませぬ』(筑摩書房・小林秀雄賞)、『役にたたない日々』(朝日新聞出版)、『シズコさん』(新潮社)、『死ぬ気まんまん』(光文社)、『佐野洋子対談集 人生のきほん』(西原理恵子/リリー・フランキー 講談社) などのエッセイ、対談集も多数。 2003年紫綬褒章受章、2008年巌谷小波文芸賞受賞。2010年11月5日72歳で逝去。 ©︎ JIROCHO, Inc.               
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