
わたしの船長さん
発売日 | 1998/07/29 |
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価格 | 定価:1,540円(本体1,400円) |
ISBN-13 | 9784062092470 |
判型 | 四六変型 |
ページ数 | 190ページ |
「隔離」という20世紀の人災
たった30メートルのもうひとつの大橋
1人の少女が出会った重い現実――「らい予防法」。
「もしもし、小川さんのお宅ですね。お父さんいますか。」
「えっ、……どなたでしょうか。」
「その声はエッちゃんだね。はじめまして。おじさんはね、ナガシマの船長さんです。」
「ナガシマ?あのう、父は……。」
死んでしまった父にかかってきた1本の電話。父の死は自殺だったのか、事故だったのか?謎を追っていくうちに、いつのまにか悦子は、知らなかった父の世界へと導かれていく。
「もういちど、船長さんに会ってみたい……。」妻にさそわれるまま、わたしがはじめて長島をおとずれたのは邑久長島大橋が完成した年のことでした。彼女は、学生のころボランティアの仲間たちと、何度も長島をおとずれ、船長さんとも親しくしていたのです。
この物語は、そんなふたりの交流から生まれたフィクションです。荒療治にすぎたかもしれませんが、とつぜんの不幸からたちなおろうとする少女の目を通して、船長さんたちの悲劇をみつめてみたかったのです。
長島大橋が完成して今年で10年になります。一昨年(1996年)4月には「らい予防法」も廃止になりました。しかし、「人間回復の橋」をわたって故郷へ帰っていった人はいまだにだれもいないのです。この歴然たる事実はなにを物語っているのでしょう……。
ハンセン病にかぎらず、偏見や差別をなくす特効薬はどこにもありません。はびこった病巣をとりのぞくメスは、わたしたちひとりひとりが手にしなければならないのです。そのメスを、あなたは心のどこかにしまったままにしてはないでしょうか。――和田英昭
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