月と珊瑚

著:上條 さなえ  

発売日 2019/07/11
価格 定価:1,540円(本体1,400円)
ISBN-13 9784065162224
判型 四六
ページ数 178ページ

【対象:小学上級以上】「わたしは、六ねんせいになったので、べんきょうをがんばります。」ひらがなだらけの作文をばかにされたのをきっかけに日記をつけることにした沖縄の少女・珊瑚は、『ベルサイユのばら』の世界から抜け出したような月(るな)という転校生と仲良くなりたくてたまらない。珊瑚の日記を通じて、沖縄の子どもたちが感じていることのすべてが浮かび上がる。沖縄に移住した作者が贈る、新たな児童文学の可能性。


【対象:小学上級以上】
「わたしは、六ねんせいになったので、べんきょうをがんばります。」
ひらがなだらけの作文を、クラスメートに「あなた、ほんとに六年生?」ってばかにされた。私は、「勉強をしよう」って、本当にそう思った。まず、どうすればいい。そうだ、漢字を書けるようにしよう。日記だ。日記を書こう。これはちかいだ――。

勉強ができないことを恥ずかしいと感じ始めた少女・珊瑚のクラスに転校してきたのは、まるで『ベルサイユのばら』のオスカルのような、男の子か女の子かわからない月(るな)という子でした。
珊瑚の日記に描かれるのは、エイサーを舞う姿がかっこよかったり、ひいおばあちゃんが辺野古に座りこみに行ったり、耳をつんざくような戦闘機の轟音で機体の種類を当ててしまったり、その逆に轟音が聞こえると耳をふさいで動けなくなってしまったりする同級生たちの姿です。
珊瑚の「月と仲良くなりたいな」と思う日常を描いた、たどたどしい日記からは、沖縄の子どもたちが、いま、目にし、感じていることのすべてが浮かび上がってきます。
子どもの貧困、学力の差、沖縄文化の継承、そして米軍基地問題……。沖縄に移住した作者があたためてきたテーマが、いま花開きます。新たな児童文学の可能性がここにあります。

序章 わたしのちかい 第一章 はじめての日記 第二章 ただ今、勉強中! 第三章 鳥はだ体験 第四章 ネコパンチされた日 第五章 もう一人のオスカル 第六章 ママに会いたい日 第七章 ルリバーが話してくれたこと 第八章 てぃんさぐぬ花 第九章 沖縄の六月 第十章 おもいがけない出会い 第十一章 私のひいおばあちゃん 第十二章 月の告白 第十三章 月と珊瑚

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角野 栄子
児童文学作家
1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。 代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。 2023年には、江戸川区に「魔法の文学館」がオープンした。 写真提供:魔法の文学館 童話作家・角野栄子のオフィシャルサイト 魔法の文学館オフィシャルサイト
ナコ
イラストレーター
宮城県仙台市在住。イラストレーター。アパレル・キャラクターのデザイン会社にてグラフィックデザイナー・イラストレーターとして活躍後に、フリーに転身。現在は、書籍や雑誌、広告のイラストから企業キャラクターデザイン、エッセイ漫画執筆、雑貨やテキスタイルデザインも手がけている。ブログ、SNSでもエッセイ漫画を公開中。 【著書】「ナコさんちの頑張らない家事」(KADOKAWA) ▼webサイト▼ https://nfsn66.net/ ▼ブログ▼ https://ameblo.jp/nacomusud/ ▼instagram▼ naco.nfsn66 ▼Twitter▼ @nfsn66
佐野 洋子
絵本作家・エッセイスト
1938年6月28日中国・北京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。 主な作品に『100万回生きたねこ』(講談社)、『おじさんのかさ』『おばけサーカス』(講談社・サンケイ児童出版文化賞推薦)、『すーちゃんとねこ』(こぐま社)、『わたしのぼうし』(ポプラ社・講談社出版文化賞絵本賞)、『だってだっての おばあさん』(フレーベル館)、『ねえ とうさん』(小学館・日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)などの絵本や、童話『わたしが妹だったとき』(偕成社・新美南吉児童文学賞)、さらに『神も仏もありませぬ』(筑摩書房・小林秀雄賞)、『役にたたない日々』(朝日新聞出版)、『シズコさん』(新潮社)、『死ぬ気まんまん』(光文社)、『佐野洋子対談集 人生のきほん』(西原理恵子/リリー・フランキー 講談社) などのエッセイ、対談集も多数。 2003年紫綬褒章受章、2008年巌谷小波文芸賞受賞。2010年11月5日72歳で逝去。 ©︎ JIROCHO, Inc.               
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