
【医療的ケア児】の子育て 病院から“卒業”して自宅へ 生活はどう変わる?【国立成育医療研究センター・専門医が解説】
小児科医・余谷暢之先生インタビュー
2026.05.09
アレルギー、怪我、突然の病気や、発達の特性による障害……子どもにはどうか健康に育ってほしいと願いながらも、実際の子育てには、想定しなかった「困りごと」が起こることがあります。
なかには生まれたときから「健康面の困りごと」が大きく、医療や福祉の支えがいることも。
「医療の進歩によって、生まれる前から、子どもの病気や障害がわかるケースが増えています」
そう話すのは、日本最大規模の小児病院「国立成育医療研究センター」の小児科医・余谷暢之(よたに・のぶゆき)先生。
生まれたときから病気や障害を持って育つ「医療的ケア児」は全国で2万人以上(※)。医療的ケアが必要な子どもたちが、病院を出て家や地域で暮らすとき、パパやママはどのように子育て生活を整え、そこではどのような支援を得られるのでしょうか?
「医療的なケアが必要な子どもと家族を支える仕組み(法律や制度)も作られてきている」と話す余谷先生に、これからの時代に知っておきたい、医療的ケア児の子育てと、家族を支える社会の仕組みについて聞きました。
(※こども家庭庁「医療的ケア児について」2024年の数値)
医療的ケア児 15年で約2倍に
「医療的ケア児」とは、生まれてすぐに集中治療室に入院して、退院後も人工呼吸器などの医療機器によるケアを必要とする子どもたちのこと。
今の日本ではおよそ2万1000人(2024年)の医療的ケア児が、自宅で家族と暮らしています。
「『医療的ケア児』と一つの言葉で言われますが、子どもたちの状態やその変化、成長は、一人一人違います。病名や障害はその子のすべてではなくあくまで『特徴の一つ』。お着替えやおむつ替えをしたりするのと同じように「医療ケア」がある。そんな風に、理解してもらえるとよいと思います」
そう余谷先生は説明します。
そのような特徴を持つ子どもたちは、医療の進歩とともに増え、この15年で約2倍に。
お腹の中にいる間に、赤ちゃんの病気や成長が詳しく分かるようになったこともひとつの要因です。2004年以降には、赤ちゃんへの高度な治療を妊娠中から始められるようになりました(※)。救える命が増えたことで、日常的に医療を受けながら自宅等で生活する子どもたちが増えています。
(※2004年に実施された胎児手術が高度先進医療(当時)として認定。これをきっかけに、胎児への手術が本格的に医療体系に組み込まれた)
このことを、余谷先生は次のように説明します。



































