読書の楽しみを知ってもらいたい! 実際に試したこと・うまくいったこと
「本を読みなさい」と促すのではなく、自分から本を手に取りたくなるきっかけをつくろうと考えました。ここからは、息子が読書に興味を持つよう、私が実際に試してみたことをご紹介します。
作戦1 子どもが興味を持ちそうな本をさりげなく置く
まず試したのは、長男が興味を持ちそうな本を、さりげなく目につく場所に置いておくことでした。
本人が好きそうなテーマの中から、親としても「読んでみてほしい」と思える本を何冊か選び、ソファの近くへ。「目につくところにあれば、気になって自分から手に取ってくれるかも」と期待していたのですが……。
結果は、なんと反応ゼロ! 本が置いてあることすら気にしていないようで、まったく手に取る様子はありませんでした。
よく考えてみれば、わが家は夫婦そろって読書好き。家のあちこちに本があるのが日常なので、息子にとってはすっかり見慣れた光景です。
新しく本を置いたところで、「また本があるな」くらいの感覚だったのかもしれません。
作戦2 好きな本を自由に選んでもらう
次に試したのは、本人に好きな本を選んでもらうことです。書店でもよかったのですが、「好きな本を自由に選んでいいよ!」と心から言えるよう、お金のかからない図書館へ一緒に足を運びました。
自由に選んでもらうとはいえ、心のどこかでは、文字が中心の「小学6年生らしい読みもの」を選ぶのではないかと期待していました。
ところが、息子が手に取ったのは、「小学校中学年向けの絵本」「写真がメインの少年野球の解説書」「大人向けのコミックエッセイ」の3冊。
野球の解説書とコミックエッセイを見たときには、「読書というには、ちょっと物足りなくない……?」「マンガを選ぶんだ……」と、正直少し拍子抜けしてしまいました。
もちろん、息子が選んだ本を否定したかったわけではありません。どれも本人が興味を持ち、自分で選んだ本です。ただ、私がモヤモヤしたのは、無意識のうちに「文字が多く、年齢相応の本を読むことこそ読書」と思い込んでいたからでした。
好きな本を自由に選んでもらったことで、どんなものに興味を持つのかを知れただけでなく、私自身が思い描いていた「読書」の形にも気づくことになったのです。
作戦3 親が読書を楽しむ姿を見せる
図書館での出来事をきっかけに、親が思い描く「本らしい本」を押しつけるのではなく、本人が興味を持ったものを、その子なりの読書として受け止めようと思うようになりました。
とはいえ、私の見方が変わっただけで、自然と本を読むようになったわけではありません。
本人が選んだ本を尊重しつつ思い出したのが、「子どもに何かをしてほしいなら、まずは親がその姿を見せる」という考え方です。「本を読みなさい」と言う前に、まずは私自身が読書を楽しんでみよう。そう思い、時間を見つけては息子の隣で本を読むようにしました。
すると数日後、「最近、読書にハマってるの? 何読んでるの?」と、興味を示してくれたのです。
「親が楽しんでいる姿を見せるのも、きっかけになるのかもしれない」。少し手応えを感じたものの、親が読んでいる姿を見せるだけでは、息子が読書を始めるところまではいきませんでした。
私はあきらめずに、さらにもう一歩踏み込んだ方法を試してみることにしました。
作戦4 親子で一緒に読む
最後に試したのが、私が小学校高学年向けの本を選び、一緒に読むことでした。普段から息子は、ひとりでは難しそうと感じることでも、親と一緒なら「やってみる」と挑戦することがあります。
「本も一緒に読めば、ひとりでは選ばないような少し難しい作品にも挑戦してくれるかもしれない」。そう考えました。そこで今回は、あえて対象年齢が「小学校高学年~中学生」の推理小説を選びました。
「中学生も読む本みたいだから、ちょっと難しいかもしれないけど……すごくおもしろくてハマるんだって。お母さんも読んでみたいから、一緒に読まない?」
そう声をかけると、「中学生も読む本」という言葉がうれしかったのか、息子は少し誇らしげに「いいよ!」と即答しました。
最初は私が読み聞かせていましたが、数日後には「次は俺が読むよ」と言ってくれるように。交代で1章ずつ読み、「この先どうなるんだろう?」と話しながら物語を楽しみました。気づけば、親子で1冊を最後まで読み切っていたのです。
始める前は、読み聞かせを続けるのは負担になりそうだと思っていました。ところが、少しずつ読み進めればそれほど時間もかからず、私自身も続きが気になっていきます。いつの間にか、「子どもに本を読んでもらうための時間」ではなく、親子で一緒に物語を楽しむ時間になっていました。
わが家に一番合っていたのは「一緒に読む」こと 想像以上に親も楽しかった!
息子に読書の楽しさを知ってほしくて、いろいろな方法を試してきました。試行錯誤した中で、わが家に一番合っていたのは、「親子で一緒に読むこと」でした。
今のところ、本人がひとりでどんどん本を読むようになったわけではありません。それでも、「続きを読みたい」と夢中になれる時間がゲーム以外にも生まれたことは、わが家にとって大きな変化でした。
そして私自身も、「この先どうなると思う?」「ここ、おもしろかったね」と感想を交わしながら読むうちに、ひとりで読むのとはまた違う、親子で物語を楽しむおもしろさに気づきました。
「本を読んでほしい」と始めた試行錯誤でしたが、思いがけず、私にとっても新しい読書の楽しみ方を見つけるきっかけになりました。
読書を好きになるタイミングや入り口は、子どもによってさまざまです。わが家の体験が、「これなら試せそう」と思えるヒントのひとつになればうれしいです。
※記事内写真はすべて撮影:はな

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