あんなにお姉ちゃんのことが大好きだったのに
私が中学校に進学してからも、家族が姉中心に回る生活は変わりませんでした。家族行事はすべて姉の体調次第。姉のために両親が有休を取ることが増え、次第に、私の授業参観や学校行事に両親が来ることは減っていきました。
いつしか私は、家で姉の姿を見かけるたびにイライラするようになっていきました。大好きだった姉、私の憧れだった姉。それなのに、姉の姿を見るたびに「なんで私ばっかり、こんなに我慢しなきゃいけないの!?」という怒りがどうしても湧き上がってしまうのです。
その一方で、かつてあんなに大好きだった姉に対して、ひどい嫌悪感を抱く自分のこともだんだん嫌いになっていきました。姉が不登校になって以来「私くらいは元気にしておかなきゃ」と思ってきましたが、もう限界。そんな日々が続くうちに、家での私はだんだん口数が減っていきました。
「元気なら学校に行けばいいじゃん!」
息苦しい日々の中で、迎えた中学最初の夏休み。このころ、母は姉を少しずつ外へ連れ出すようになりました。最初は近所のコンビニやスーパーへ行くだけでしたが、それでも両親は「一歩前進だね」と涙ぐんで喜んでいました。しかし私は、姉のチャレンジを素直に応援することなどできませんでした。
外に出ることがいい刺激になったのか、家のなかでも少しずつ、姉は笑顔を見せるようになっていきました。家族と話すことが増えていったのもこのころです。
私は姉の回復を喜ぶよりも、「ずるい、許せない」という気持ちでいっぱいでした。これまで抑え込んできた感情を処理できなくなっていたのです。
そしてとうとう、私はリビングで姉に向かって言ってしまいました。「元気なら、学校に行けばいいじゃん。私は毎日、頑張って学校に通っていてもほめられることなんてないのに。おかしくない?」
文/構成・橘サチ
後編は明日公開!
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