
「国語の記述問題」が苦手な小・中学生へ 〔専門塾講師〕が教える『放課後死体クラブ(仮題)』からの「読解力」アップ法
グノーブル山下倫央先生の『放課後死体クラブ(仮題)』に対する記述対策
2026.11.04
小学生高学年から中学生になると急に難しくなる国語の記述問題。「どう書けばいいかわからない」と悩む子どもは少なくありません。
国語専門塾講師である山下倫央先生によると、読解力とは単に文章を読む力ではなく「自分の内面の変化に気づく力」だと言います。
本記事では話題の小説『放課後死体クラブ(仮題)』を題材に、記述問題の具体的な解き方と思春期の悩みに寄り添う読書の魅力を山下先生に解説してもらいました。
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読書で広がる自分 きっかけを作る『放課後死体クラブ(仮題)』の魅力
あなたは、自分の日常経験とかけ離れた世界を描いた話なのに、自分の心を鷲づかみにする作品に出会ったことはないだろうか?
もしも「ある」のなら、この作品もきっとそうだと思う。
もしも「ない」のなら、この作品がきっとそうなると思う。
「自分」は小さく、狭い。でも、誰かのちょっと(いや、だいぶ)変わった物語に没入してみる。そこで何かを感じたり、思ったり、納得したり、やるせなくなったりする。そんな体験を通して、「自分」は広がっていく。
読んでいなかった、読む前の自分には戻れない。その不可逆性こそが読書の本質である。
ホラー映画は、わたしの心の安定剤だ。
ゾンビ、怨霊、猟奇殺人犯、地球外生命体が容赦なく人間を追い詰める。
そして映画が終わり、そんなものが存在しない現実の世界に帰るその瞬間、窮屈で息苦しいこの世界を、とても温かくて素晴らしい場所のように感じることができる。
こんな気持ち、誰にも理解されないだろうし、話したって引かれるに決まっている。だから、わたしは自分の中だけに押し込める。
この抜粋は『放課後死体クラブ(仮題)』(著:ひなたきな)より。この作品は、周囲とどうしようもなく話の合わない主人公が、学校という空間でいかにダメージを負わずに生き延びるかを描いた一種の逆サバイバル・ホラーだ。
といっても中学二年生の主人公・ひよりは、クラスで孤立などしていない。「仲良しグループ」にきちんと所属している。そのグループはTikTokで多くのフォロワーを抱える凜珠を中心とした5人組で、クラス内では「一軍」だと見られている。
SNSメインのキラキラしたやり取りが交わされるその一軍で、ひよりは本当はまるで興味のないK-POPボーイズ・グループの話題にへらへらと笑って合わせるしかない。それができないならそこを出ていくしかないのだ。
人目を盗んで観に行ったホラー映画の帰り、ひよりはいつも一人で本(『恐怖の心霊体験白書』等)を読んでいる由木(ゆき)さんに遭遇する。彼女も同じ映画を観ていたのだ。同じ趣味を共有するたった一人の仲間に出会い、大いに会話を楽しむ。
そしていつの日か死体役として映画出演したいと願う由木さんの夢を支える約束をし、ここから彼女の二重生活が始まる。日中は「仲良しグループ」の一員として過ごし、放課後は由木さんと一緒に「死体クラブ」の活動を行うのだ。
しかしそれは簡単には両立しない。「仲良しグループ」の一人・凛珠は、自分の威光を毛ほども感知せずに超然とたたずむ由木さんを目の敵にしはじめる。
ついには「みんな」が由木さんを嫌悪しているという「事実」を知らしめるために、ひよりに由木さんの髪の毛の匂いをかぐよう命じるのだった。


































