「好き」が最強の武器! 200城制覇の“戦国プリンセス博士ちゃん”が証明した「探究学習」と「難関中学受験・防災検定1級」合格を両立させる方法

#1 “戦国プリンセス博士ちゃん”に学ぶ「好きなことの育み方」【諸星天音さん編】 (3/3) 1ページ目に戻る

多くのイベントに出演し、聴衆を前に巧みにトークをこなす天音さんですが、実は「人前で話すのは、何回やっても緊張する」のだそうです。

母の奈穂さんは「本番当日の朝になると、緊張のせいで『髪のセットがうまくいかない』など、些細なことで1回泣くんですよ」と笑います。

最近はそんなこともなくなってきたようですが、「毎回、泣く時間はほんのちょっと。儀式のようなもので、そうすると落ち着くのかもしれませんね」。

緊張するからこそ、天音さんはイベントの際には「準備万全でいたい」と、本番を想定したトークの練習を行うなど、見えない努力を重ねています。

2025年8月、永田町の衆議院第一議員会館で開催された「みんなでつくる防災2025」のトークセッションで語る天音さん。  写真提供:諸星天音
すべての画像を見る(全7枚)

また最近は、都内で開催されている歴史好き同士の交流プロジェクト「レキシズル」の、歴史プレゼンにも登場。人前で話す技術を鍛えているそうです。

防災士・防災検定1級に合格 スキー検定も1級を狙う

歴史だけでなく防災の分野にもくわしい天音さん。興味のきっかけは、好きだった歴史の本『戦国の城と59人の姫たち』(並木書房)の著者、濱口和久先生が実は防災の専門家だったことを知り、「なぜ歴史と防災なのだろう?」と、疑問に思ったことでした。

調べていくと、お城でも昔の人々が延焼を防ぐために防火の工夫をしていたり、石垣が崩れないように耐震技術が使われていたり……と、それぞれリンクしていることが分かり、関心が広がっていきました。

中1で防災士の資格を取得し、中3で大学卒業以上の難易度とされる防災検定1級(アドバイザーとして講演可能なレベル)に合格。スキーも得意でスキー検定は2級、現在は1級を目指しています。

「個人的に検定ものはレベルが数値で出るので好きなんです。1回取ると、上まで取りたくなるので、やる気が出るんだと思います。知識欲などを満たしてくれる存在です」

防災検定1級の合格証書を手にする天音さん。  写真提供:諸星天音

とにかく新しい知識を学ぶのが好きだという天音さん。小4のころには、知的好奇心を刺激する授業で話題の塾「探究学舎」もオンライン受講していました。当時学んだ講師とは、今も歴史イベント等で交流が続いています。

「なぜ?」を起点に人と出会って世界が広がる

歴史でも防災でも、興味のきっかけは「なぜ城址に穴が?」「なぜ防災?」など、ふとした疑問からです。

「『なんで?』と思ったときに、答えを知らないままなのが、気持ちが悪いんです。調べて『あっそうなんだ!』と分かった瞬間が気持ちが良くて。

私は“なぜなぜ期”(幼児期の質問を繰り返す時期)が今も続いているんだと思います。口癖のようにいろんな人に『なんで? なんで?』と聞いているので、実はウザがられているかもしれませんが(笑)」

人見知りではあるものの歴史や防災で気になる人がいると、臆せず話しかけにいくことも。

「大人にも子どもにも、詳しい人に話を聞くのがすごく好きなんです。学ぶことを通していろんな人とつながることができ、自分の世界が広がります」

SNSのX(旧Twitter)で日々の活動や訪れたお城などの発信もしている天音さん。

「今は高校生だからこそ、できることがあると思っていて。特に子どもたちには年齢の近い自分が話すことで興味を感じてもらいやすいと思うんです。

とりわけ、歴史に興味を持っていない人にも、もっと手軽で身近なものに感じてもらえるようにできたら。歴史のおもしろさや防災の必要性を、子どもたちに繫いでいきたいです」

第2回は、天音さんの母・奈穂さんのお話から子育てのヒントを探ります。

取材・文/原田美咲

続きはこちら↓

◆編集部おすすめの本はこちら◆

『日本の歴史』 講談社(編) 国立歴史民俗博物館館長 西谷 大(監) 価格:本体4,000円(税別)

累計550万部を超える大人気図鑑MOVEの『日本の歴史』(講談社)。旧石器時代から現代まで日本の歴史を網羅。イラストをふんだんに掲載し、ビジュアルを楽しみながら歴史への興味を深められる。テキストは総ルビなので、歴史に初めて触れる読者にもぴったり。

この記事の画像をもっと見る(全7枚)

前へ

3/3

次へ

32 件
もろほし あまね

諸星 天音

Amane Morohoshi
戦国プリンス博士ちゃん

2009年生まれ。小4から戦国時代の城や歴史に情熱を注ぐ。城の石垣は特に大好き。その豊富な知識から小5でバラエティ番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)に“戦国プリンセス博士ちゃん”として紹介され、たびたび出演。 学業と並行しながら、全国各地の歴史イベントでトークや講演を行っている。歴史のほか、「防災」「石」などのテーマでも探究を続ける。防災検定1級で防災教育推進アドバイザー、ジュニア防災検定・防災検定アンバサダー、戦国北条フェスティバルフェロー、戦国魂アンバサダー。

  • x

2009年生まれ。小4から戦国時代の城や歴史に情熱を注ぐ。城の石垣は特に大好き。その豊富な知識から小5でバラエティ番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)に“戦国プリンセス博士ちゃん”として紹介され、たびたび出演。 学業と並行しながら、全国各地の歴史イベントでトークや講演を行っている。歴史のほか、「防災」「石」などのテーマでも探究を続ける。防災検定1級で防災教育推進アドバイザー、ジュニア防災検定・防災検定アンバサダー、戦国北条フェスティバルフェロー、戦国魂アンバサダー。

はらだ みさき

原田 美咲

Misaki Harada
フリーライター

地域情報紙の記者を経て、2025 年からフリーライターに。これまでは地域の取り組みや活躍する子どもたち、選手への取材・インタビュー等を中心に、広いテーマで執筆。趣味は段ボール工作。

地域情報紙の記者を経て、2025 年からフリーライターに。これまでは地域の取り組みや活躍する子どもたち、選手への取材・インタビュー等を中心に、広いテーマで執筆。趣味は段ボール工作。