
「ハチの毒針」はメスだけ? 正体は「別の器官」だった? 国立科学博物館の研究者が明かす意外すぎる「進化の秘密」
特別展『いきもの超ワールド展』監修 井手竜也さんインタビュー #2 (2/4) 1ページ目に戻る
2026.09.05
目指せ新種発見! 世に知られていないハチはたくさんいる
──井手先生がタマバチに興味を持ったきっかけは?
井手先生:植物に卵を産みつけ、そこを自分好みの巣の形に作り変えてしまうというその生態が面白かったというのが、一番大きな理由ですね。
実は、子どものころから虫が特別に好きだったというわけではないんです。いきもの全般が好きで、自然系のドキュメンタリー番組を観てワクワクしたり、学校で飼育係をやったりしていました。
高校生のときに入部した生物部の顧問の先生がいわゆる“虫屋(虫が大好きな人)”で、そこから研究対象として虫の面白さに目覚めていきました。
宮崎大学の農学部に進学したのですが、牛や馬などのほか昆虫の研究室もあり、幅広く学べるところでした。最終的に何を研究するかを検討し、昆虫を研究対象にすることに決めました。その中でタマバチに出会ったというわけです。
僕が専門としているのは分類学といって、一番わかりやすいところでいうと、新種のハチを見つけて名前を付けるといったことを行う研究分野です。
実はタマバチなどの小さなハチは、まだ名前の付いていない新種がたくさんいるんです。世に知られていないものがたくさんいるというのが、研究者としては楽しいところですね。
先ほどお話ししたように、僕の研究者生活はタマバチの虫こぶを作る生態を研究・解明したいというところからスタートしましたが、いきものは分類ができていなければ研究対象として扱えないので、名前を付ける分類学を出発点として研究しています。
NHK『ダーウィンが来た!』との共同調査
──今回の特別展では、NHK『ダーウィンが来た!』との共同調査も行われたそうですが、どのような成果が得られましたか?
井手先生:『ダーウィンが来た!』のスタッフの方々とは1年ほど前からずっと一緒に調査をしてきました。調査対象のハコネナラタマバチはある特定の時期にしか虫こぶを作らないのですが、ハコネナラタマバチの虫こぶは非常にユニークで、表面から甘い蜜を出すんです。
その蜜にアリをはじめ多様な虫が寄ってくるということで、実際にどのような虫がやってきているのか、カメラマンさんに10日間、朝から晩まで張り込んでもらって映像で記録していただきました。
自分一人ではそれだけ長い期間、虫こぶにつきっきりというのは不可能ですから、本当に貴重な機会でした。『ダーウィンが来た!』スタッフの皆さんの執念が結集した映像が撮れ、番組でも放送されました。
毒針を持っているのはメスだけ?
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