
『放課後死体クラブ(仮題)』 中学生のスクールカーストとリアルな友人関係 〔出版ジャーナリスト〕は「学校がしんどい中高生にそっと手渡したい」
出版ジャーナリスト・飯田一史が読み解く 思春期の息苦しさと解放
2026.11.03
出版ジャーナリスト:飯田 一史
子どもが学校で疲れた顔をしている。「何かあった?」と聞いても「別に……」としか返ってこない。そんな思春期特有の人間関係に悩む子どもたちへ、どんな言葉をかければよいのでしょうか。
出版ジャーナリストの飯田一史さんが「学校がしんどい中高生にそっと手渡したい」と語るのが、第66回講談社児童文学新人賞受賞作『放課後死体クラブ(仮題)』です。
本記事では、飯田さんの知見に基づき、本作が子どもたちの心を救う理由を深掘りします。【※(仮題)までが正式タイトル】
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飯田一史(いいだ いちし)
出版ジャーナリスト・ライター。中央大学法学部法律学科卒。グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了(MBA)。出版社にてカルチャー誌や小説の編集に携わったのち、独立。国内外の出版産業、読書、子どもの本、マンガ、ウェブカルチャー等について取材、調査、執筆している。
目次
思春期の息苦しさと解放を描く『放課後死体クラブ(仮題)』
カバーイラストとタイトルを見て「ホラーなのかな?」と思ったら、違った。読後感のいい作品だ。読んでいると、思春期に経験したさまざまな出来事がリフレインする。
中学生時代の、他人の目を気にしながらクラスのなかでの立ち位置を確保し、気をつかい、探りあいながら友だちづきあいをしていくなかで抱いた徒労感。
「こんな趣味の話ができる人なんか、近くにいるはずないよな」と諦めていたのに「いた」とわかったときの高揚感。
緊張で吐きそうになるくらいの想いで勇気をもって踏み込んでみて、初めて得られた関係性の大きな変化。
……等々。
「どこかに自分のことをわかってくれる人がいないかな」「なんでも話せる相手がいたらいいのに」と感じている中高生なら、この本は間違いなく刺さるだろう。
どこかしんどそうにしている中高生が身近にいる大人が、「大丈夫?」とか「何かあった?」と聞いても「別に」「大丈夫」しか返ってこないときに、目に入る場所にそっと置いておきたい一冊でもある。
『放課後死体クラブ(仮題)』
作:ひなたきな
第66回(2025年度)講談社児童文学新人賞受賞作
〈あらすじ〉過去のトラウマから本音を隠して過ごすひよりは、周囲を気にせず堂々と振る舞うクラスメイトの由木(ゆき)に惹かれていく。二人は、共通の趣味であるホラー映画を通じて意気投合。ひよりの過去を知る由木から「死体」の演技指導を頼まれたことで、二人は「放課後死体クラブ」を結成。異なる傷を抱える二人が、支え合いながら唯一無二の絆を築いていく物語。


































