絵本も爆売れ！誕生55年イッツ･ア･スモールワールドが今バズってる！

「イッツ・ア・スモールワールド
せかいで　いちばん　しあわせな　ふねの　たび」

ゲストがボートに乗り世界中を巡るという、ディズニーランドでもっとも愛されてきたアトラクションのひとつです。その歴史は古く、初めて開設されたのは1964年。この年から翌年にかけて開催されたニューヨーク世界博覧会のために、ペプシコーラ社とユニセフの提供によって製作されました。

アトラクションに登場するのは100にもなる国や地域。都市とジャングル、砂漠と氷の国、アジアも南米もオーストラリアも。まさに「小さな世界（スモールワールド）」。多彩な文化と生活を称えるために生まれた空間の中で、主役として歌い踊るのは世界各地の子どもたち。

この演出には、ディズニーランドの生みの親、ウォルト・ディズニーの

という意図があったのだといいます。

博覧会に開設された「イッツ・ア・スモールワールド」は大人気アトラクションとなり、会期中に1000万人以上の人が「世界でいちばん幸せな船の旅」を体験。会期が終わった後はアナハイムのディズニーランドに移設され、今ではさらに世界各地で常設されるようになりました。もちろん日本の東京ディズニーランドでも1983年の開園の時から、ずっと愛されてきています。

今年は、この名物アトラクションがアナハイムに移設されてから55周年。それを記念して『イッツ・ア・スモールワールド』の世界をそのまま体感できる絵本が刊行されています。

絵本『イッツ・ア・スモールワールド』​は、質の高い絵本を出すことに定評のあるアメリカの「ゴールデンブックスシリーズ」から生まれた本。
今回、刊行されたのは、その日本語版。アトラクションと同じようにフランスのエッフェル塔から、ギリシャの遺跡、インドのタージマハルやエジプトのピラミッドなど、アトラクションの世界を美しく、アートとしても魅力的なヴィジュアルを通して体験することができます。

ディズニーランドと言えば「夢と魔法の国」。しかし「イッツ・ア・スモールワールド」の舞台は私たちが暮らす現実の世界で、魔法も、未来の技術も出てきません。ただ、そこには「好奇心」と「想像力」という、人にとって一番大切な魔法の力があります。

ウォルト・ディズニーが周囲の反対を押し切ってディズニーランドを開園し、博覧会で「イッツ・ア・スモールワールド」を開設した20世紀の半ばには、「技術の発達にともなって世界はひとつに、"小さく"なっていくだろう」という予測がありました。

しかし21世紀の今、かつてウォルト・ディズニーの夢見た「平和な世界」はまだ実現していません。特に、2020年からはじまった新型コロナウイルスの流行は、人の活動をさまたげて、世界を再びより「大きなもの」にしてしまったことは、皆様が日々実感していらっしゃるとおりです。

こうした時代こそ大切なのは好奇心であり、新しい可能性を切り開く力が想像力ではないでしょうか。子どもたちに、そして大人も、まだ見ぬ多彩な世界への空想を楽しんでもらうために。『せかいで　いちばん　しあわせな　ふねの　たび』は、その大切なパートナーとなることと思います。よかったら、手にとってみてください。

取材・文／堀田純司

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