【ママに聞いた】子どもの「性被害」は身近なところで起きている! 「日常に潜む危険」と対策

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通学路は安全?「見守りの目」がある場所でも起きる現実

ここでは、ママたちが実際に直面したり、身近で見聞きした性被害のエピソードをご紹介します。

性被害は、特別な場所で起こるわけではありません。子どものすぐそばの日常の中で起こっています。では、集まったエピソードを見ていきましょう。

通学路での危険

不審者からの声かけは代表的なケースですが、今回のアンケートではさらに踏み込んだ衝撃的な実例も寄せられました。

・娘の通う小学校で、下校時に校門近くで女子児童が知らない男の人に腕をつかまれるという事件が発生しました。人目も多い学校の目の前でそんなことが起こるとは思ってもいなかったので、ショックでした。(30代/小2の女の子、4歳の男の子のママ)

・小学校低学年の友人の子どもが登下校見守りの高齢男性から性被害にあった。逮捕されたもののすぐ釈放、近所に住んでいるため、ママである友人がメンタルを病んだ。裁判の負担、子どもの将来への悲観など性被害は子だけでなく親の人生も壊してしまうと実感した。(40代/中1の男の子、小4の女の子のママ)

「慣れた道だから」「大人がいるから」という安心感だけでは不十分なことがわかります。 加害者は「普通の人」のふりをして近づいてくる。この冷徹な事実を、まずは大人が認識しておく必要があります。

「不審者」はいかにも怪しい格好をしているわけではなく、「優しい人」「普通の人」のふりをして子どもに近づいてきます。親はこのことを認識しておくことが重要です。

公園で起きたトラブル

通学路だけでなく、子どもだけで遊ぶことの多い公園も注意が必要です。

・公園に性的な話をしてくるおばさんが現れたときがあった。親たちで見回り、学校、警察に連絡。(20代/小3、5歳の男の子のママ)

・公園のトイレ付近で待ち伏せをし、小学生低学年の男の子が1人でトイレに入ろうとすると、すぐその後ろから付いていき、個室に連れ込み、性加害未遂をした話を聞いたことがあります。(20代/小1の男の子のママ)

・近くの公園のトイレで昔男の子が被害にあった話を聞いた。公園にたくさん人がいたなかでの犯行だったということで怖いと思った。(40代/小5、小2の男の子のママ)

性被害は男性が加害者、女の子が被害者とは限りません。 特に公共のトイレは、人目につきにくい「死角」になりがちです。 多くのママが「個室の前まで付き添う」などの対策を徹底しています。

写真:KeyRabbits/イメージマート
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【プール・銭湯】楽しいはずの場所で起きたトラブル

プールや銭湯など、子どもがよく利用する公共の水場でも、思いがけないトラブルや不安を感じたという声が寄せられました。

・事後報告でしたが、次女が小学4年生くらいのころ、家族で行ったレジャープールでお尻を触られたことがあるといわれた。(40代/高1、中1の女の子、小3の男の子のママ)

家族で遊びに行ったレジャープールでの、まさかの出来事。楽しい思い出を作る場所だからこそ、より許せない思いが込み上げます。

・更衣室のないじゃぶじゃぶ池などの水遊び場で、着替えの様子を見にきたり遠くから写真を撮る人がいると聞いたことがあります。(30代/2歳の女の子、0歳の男の子のママ)

・知り合いのお父さんと未就学児の娘が銭湯にいき男湯に入ったが、風呂を移動するたびに知らない男性がついてきて、娘の体を見ている。(30代/小1のママ)

視線だけでも「何かおかしい」と感じることを、ママなら一度は経験したことがあるかもしれません。毅然とした対応が必要な場面もありますが、まずは親が「違和感」を見逃さないことが、子どもを守る第一歩となります。

スマホ盗撮の危険 日常に潜むレンズの影

スマホが普及した今、子どもを狙った盗撮も身近な危険になっています。

・電車で写真を撮られた子がいたと聞いた。(30代/小2の女の子のママ)

・子どもが高校生のときに車両内で短い制服のスカート内にスマホをかざされた。エスカレーター上りでは数段下からのぞかれやすい(逆に、階段下から撮っているところを逮捕され退学した男子高校生が、娘と同じ学校内にいた)。(50代/成人した女の子2人のママ)

スマホの普及により、盗撮は特別な事件ではなく、日常の中で起こり得るトラブルになっています。

通学中の電車やエスカレーターなど、人目がある場所でも被害が起きており、子ども自身が「まさか自分が狙われるとは思わなかった」と感じるケースも少なくありません。外出時にはこうしたリスクがあることを前提に、注意すべき場所を親子で確認しておきましょう。

「遊び」で済ませない 子ども同士の間で起きる性的トラブル

性的なトラブルは、子ども同士の間でも起こっています。

・外遊び中にふざけて男の子にズボンを脱がされた。(30代/年長の女の子、0歳の男の子のママ)

未就学児や低学年の場合、善悪の境界があいまいなまま「遊びの延長」でエスカレートしてしまうことがあります。

こうした出来事があったときは、まず子どもの気持ちに寄り添い、どんなことがあったのかをゆっくり聞くことが大切です。話してくれた出来事を否定したり責めたりせず、「話してくれてありがとう」と受け止めることで、子どもは安心して気持ちを伝えやすくなります。

そのうえで、「これはしてはいけないことだよ」と、年齢に合わせてわかりやすく伝えましょう。必要があれば、園の先生に見守りをお願いしたり、相手の保護者と話し合ったりなど、ひとりで抱え込まず周囲と連携することも大切です。

・子どもが被害に遭ったことはないが、友達の子どもが同級生に無理やりキスをされたことがあり、小学1年生ということもあり、事件化できないことを嘆いていた。それもあり、被害者にも加害者にもならないよう気をつけている。(40代/小3、小1の男の子のママ)

相手が「イヤだ」と感じた時点で、境界線を越えた行動です。プライベートゾーンや性教育の話は「いつから伝えればいいのだろう」と迷いがちですが、早い段階から少しずつ伝えていくことで、子どもが自分の身を守る感覚を育てていく助けになるでしょう。

「わが子には同じ思いをさせたくない」ママたちが明かす過去の記憶

アンケートではママ自身が幼少期に経験した被害についても、多くの切実な声が寄せられました。

下校中の声かけや公園での被害、盗撮など、その内容はさまざまです。

・私自身ですが、小学生時代に公園から出た瞬間声をかけられ、手を持たれそうになりました。すぐ違う方向に走って逃げました。恐怖でした。(40代/小5の女の子のママ)

・子どもはまだ経験はないと思いますが、私自身、小学生時代の下校中にとおりすがりの男性から下半身を突然触られる、クラスメイトの男児から触られそうになる、という経験があります。(30代/小3、4歳、0歳の男の子のママ)

・車越しに「イヤホン落としたよ!」と声をかけられた。心当たりはなかったし、いかにもヤンチャな男性が複数人クルマに乗っていた。友達とダッシュで近くのコンビニに駆け込んだ。(40代/中3の女の子、小6の男の子のママ)

・子どもはまだないですが、私は高校生のころ電車で盗撮されていたところ、親切なかたが教えて妨害してくれた経験や、電車のホームの下から写真を撮られたり、ライブハウスで胸を触られたりしたことがあります。(30代/5歳の男の子、3歳の女の子のママ)

・自分が5回くらい不審者に出会っているので、そろそろ実体験を含めた話を伝えていきたいなと思っている。(40代/中3の女の子、小6の男の子のママ)

何十年経っても鮮明に残る恐怖。 性暴力が「魂の殺人」と言われるゆえんを、あらためて痛感させられます。

「自分が経験したからこそ、子どもには同じ思いをさせたくない」。その強い願いが、日々の防犯意識につながっています。

子どもを守るため、できることから始めよう

今回のアンケートを通して、子どもの性被害は決して特別な出来事ではないという現実が浮き彫りになりました。

安全だと思っていた場所が被害現場になったり、信頼していた人が加害者となるケースが多数報告されています。保護者はこのことを十分意識して、注意深く子どもの様子を見守っていたいものです。

今の関わり方で、もしものときに本当に子どもを守れるのか。心配な方は見直してみてください。

性被害はいつどこで起こるかわからないからこそ、親子で日頃から防犯意識を育てていくことが大切です。みなさんは、親子でどんなふうに性被害の防犯に向き合っていますか?

※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)

コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
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