進学の選択肢「通信制高校」 料金体系・教育内容・サポート体制 専門家が解説する「学費」の注意点

認定NPO法人カタリバ代表理事・今村久美さんに聞く「通信制高校」 #2 ~学費問題~

認定NPO法人カタリバ代表理事:今村 久美

複雑な「オプション費」は事前にチェック


冒頭でも触れたとおり、通信制高校の費用は、基本的な授業料以外にもさまざまなオプションで構成されています。例えば、授業の補習や追試、部活動や修学旅行への参加、週に数回の登校など、学校によってオプションの内容は異なります。

そして、これらのオプションを生徒が利用する場合、別途どれくらいの費用がかかるのか「一見してわかりにくい状況になっている」と今村さんは指摘します。

「通信制高校では、授業に含まれていないオプションの費用の内訳がどのようになっているのか公表されていないことが多いです。そのため、保護者の方は各学校に個別で問い合わせをして詳細を確認する必要があります」(今村さん)

つまり、入学後の予想外の出費を避けるためには、基本的な授業料だけでなく、オプション費用についても事前の確認が欠かせません。

最後に今村さんは、通信制高校を選ぶ上での注意点を次のようにまとめました。

「これまでお話ししてきたとおり、実際には通信制高校の学費は学校によって大きな差があるのが現状です。
各学校の費用体系や教育内容、サポート体制など情報を事前に収集して自分の目的や目標に合った学校を見つけられるといいですね」
(今村さん)

───◆─────◆───

通信制高校へ入学してから予想外の出費に気づく前に、授業以外のサポート内容や、それに伴う費用などは事前に学校側に確認をして自分に合った学校を選ぶことが重要だということがわかりました。

次回3回目では、学校選びの際に特に重視すべきポイントについて、引き続き今村さんに教えていただきます。

取材・文/山田優子

通信制高校連載
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「NPOカタリバがみんなと作った 不登校─親子のための教科書」著:今村久美(ダイヤモンド社)
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いまむら くみ

今村 久美

Kumi Imamura
認定NPO法人カタリバ 代表理事

慶應義塾大学卒。2001年にNPOカタリバを設立し、高校生のためのキャリア学習プログラムの提供を開始。 2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供、コロナ禍以降は、経済的事情を抱える家庭に対するオンライン学習支援やメタバースを活用した不登校支援を開始するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組む。 ハタチ基金代表理事。地域・教育魅力化プラットフォーム理事。文部科学省中央教育審議会委員。 こども家庭庁こどもの居場所部会委員。東京都学校外での子どもの多様な学びに関する有識者会議委員。 東京大学経営協議会学外委員。朝日新聞パブリックエディター。 主な著書:「不登校親子のための教科書」(ダイヤモンド社)

慶應義塾大学卒。2001年にNPOカタリバを設立し、高校生のためのキャリア学習プログラムの提供を開始。 2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供、コロナ禍以降は、経済的事情を抱える家庭に対するオンライン学習支援やメタバースを活用した不登校支援を開始するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組む。 ハタチ基金代表理事。地域・教育魅力化プラットフォーム理事。文部科学省中央教育審議会委員。 こども家庭庁こどもの居場所部会委員。東京都学校外での子どもの多様な学びに関する有識者会議委員。 東京大学経営協議会学外委員。朝日新聞パブリックエディター。 主な著書:「不登校親子のための教科書」(ダイヤモンド社)

やまだ ゆうこ

山田 優子

Yamada Yuko
ライター

フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。

フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。