進学の選択肢「通信制高校」 料金体系・教育内容・サポート体制 専門家が解説する「学費」の注意点
認定NPO法人カタリバ代表理事・今村久美さんに聞く「通信制高校」 #2 ~学費問題~
2025.01.07
認定NPO法人カタリバ代表理事:今村 久美
高校就学支援金「サポート校」は対象外
その一方で、サポート校を利用する際に注意しなければならないのが費用の問題です。
今村さんは次のように語ります。
「サポート校は『塾』と同じ扱いのため、通信制高校の学費に加えて別途サポート校の料金がかかります。そして、通信制高校よりもサポート校のほうが、料金が高い場合が多いのです。
さらに、高校就学支援金は、通信制高校の授業料部分には適用されますが、民間で取り組んでいるサポート校の授業や講座には適用されません。
そのため、『通信制高校は安く進学できる』と信じて入学したものの、実際には年間で100万円以上の高額な金額がかかってしまった、という声も少なくありません」(今村さん)
つまり、通信制高校は安いと思っていても、サポート校の費用が加わることで予想以上に高額になることがあるのです。
通信制高校とサポート校の違い
ここで重要なのが、通信制高校とサポート校の違いを理解することです。
サポート校は国の認可を受けていないため、高校卒業資格を取得できません。サポート校はあくまでも通信制高校を補完する存在であり、正式な高等学校ではないからです。
しかし、学校名だけでは、その学校が通信制高校なのか、サポート校なのかを判断しにくい場合もあります。
「『通信制高校』と『サポート校』を見分けるコツですが、例えば、『○○高等学校』や『○○高校』と表記されている場合、その学校は認可された通信制高校であることが多いです。
通信制高校の場合は、校内でサポートが受けられ、高校就学支援金が適用できるのか。それとも別途サポート校に入学する必要があるのかを確認するようにしましょう。
一方で『○○高等学院』『○○高等学園』『○○キャンパス』と表記されている場合、その学校はサポート校である可能性が高いです」(今村さん)
通信制高校とは別にサポート校への入学が必要な場合は、その費用も含めたトータルの教育費用を事前に把握しておくようにしましょう。