【不登校】 “オンラインフリースクール”で家から出られない子が変わる 最初の「半歩」を踏み出すための活用法とは[教育ジャーナリストがルポ]

『フリースクールという選択』ハイライト版3/4〜“オンライン”フリースクール〜 教育ジャーナリストおおたとしまさ 全4回 (2/3) 1ページ目に戻る

教育ジャーナリスト:おおたとしまさ

少しずつ外とつながる最初の半歩

リアルなフリースクールの敷居がまだ高く見える子どもたちには、その敷居をまたぐ手前のスモールステップとしての意味合いが、オンラインフリースクールにはあります。

また、学校に行かないどころか家からも出なくなってしまったわが子が、たとえオンラインであったとしても家族以外の誰かとつながるのを見て保護者がほっとできたり、そんな状況にあるわが子をずっと孤独に支えてきた保護者がオンラインフリースクールのスタッフから支えてもらえたりすることにも大きな意味があると思います。

オンラインに居場所を見つけてしまったらずっと部屋にひきこもってしまうのではないかという懸念も世間一般にはあるようです。

しかし実際には、オンラインであったとしても家族以外の誰かとかかわるようになって、自分の存在を認めてもらって、心のエネルギーが回復して、次への一歩を踏み出せるようになる子がたくさんいます。

最初はカメラオフ、マイクオフで、チャットだけでやりとりしていた子が、そのうちマイクをオンにして話し出したり、カメラもオンにしてスタッフと面談したり、集団授業に交じったりするようになるというように、少しずつ変化は起こります。

現在多くのオンラインフリースクールがメタバース校舎(ネット上の仮想校舎)をベースにしています。

初期の「ドラクエ」の画面のような二次元の校舎の中で子どもたちやスタッフのアバター(分身)が行き来しながら、オンライン教材で教科学習をしたり、映像授業で新しい単元(学習テーマ)について学んだり、探究的な学習のライブ授業をみんなで受けたり、マンツーマンの個別面談を行ったりしています。

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オンラインフリースクール「夢中カレッジ」のメタバース校舎(上)。顔を出さずともチャットだけでやり取りができる(下)。  画像提供:夢中カレッジ

オンラインフリースクールでよく利用されているオンライン教材は、「イーボード」「すらら」「デキタス」あたりです。いずれも、子どもがひとりでも学習を進められるように設計された自立型オンライン教材です。「スタディサプリ」はオンラインで視聴できる映像授業教材です。

オンライン教材もメタバース校舎構築のシステムも選択肢はある程度限られていますから、どのオンラインフリースクールも構造的には似ています。一方で得意とする守備範囲にはグラデーションがあります。

(1)リアルではなかなか出会えないひとやことやものと出会って積極的に世界を広げていくことを打ち出しているもの

(2)オンライン教材を利用した学習をして出席認定をもらうことを打ち出しているもの

(3)外に出られない子どもが家庭以外の場所とひとと少しでもつながり、その間に親がサポートを受け心を落ち着かせることを意図したもの

それらが区別されず、ひとまとめにオンラインフリースクールと呼ばれてしまっていることが、適切なマッチングや実態理解を難しくしています。

拙著『フリースクールという選択』の「第3章 オンラインで踏み出す最初の半歩」で紹介されている6つのオンラインフリースクールのなかから一例として、ここでは「夢中カレッジ」を紹介します。

オンライン校舎でも少人数制クラスにこだわるワケ

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