この本の魅力は、「見た目」に関する言葉を善悪で単純に分けないことです。大切なのは、「ほめたか、けなしたか」ではなく、その言葉を相手がどう受け止めたのか。
エピソード13の「いじり文化」やエピソード15の「あだ名」が教えてくれるように、何気ない一言は、人を傷つけることもあれば、勇気づけることもあります。
だからこそ、この本は、何が人を傷つけるのか、どうすればお互いに心地よく過ごせるのかを、一緒に考えさせてくれる一冊なのです。
マンガで読みやすいため小学生にもおすすめですが、実は大人のほうが多くの気づきを得られる一冊かもしれません。
読み終えたあと、「自分だったらどう感じるだろう」と自然に話したくなる本です。ぜひ親子で読んで、「これってどう思う?」と話し合ってみてください。
写真:アフロ
ジャンルはそれぞれ違います。しかし、この3冊は共通して、私たちに一つの問いを投げかけています。
「人の価値は、見た目だけで決まるのだろうか。」
私は、この問いは中学受験にも通じると思います。受験には、偏差値や順位という「見える数字」があります。
もちろん、それらは努力の成果を知るための大切な指標です。しかし、その数字だけで子どもの価値が決まるわけではありません。
毎日努力を続ける姿勢。失敗しても挑戦し続ける勇気。友達を思いやる優しさ。自分で考え、自分の言葉で表現する力。
こうしたものは、成績表には載っていません。
国語の問題では、「登場人物はなぜその行動をしたのか」「そのとき、どんな気持ちだったのか」が問われます。つまり、国語が測ろうとしているのは、表面的な情報ではなく、「相手の立場になって考える力」です。
ルッキズムについて考えることは、「人を見た目だけで判断しない」ということだけではありません。目に見える情報だけで決めつけず、その人の背景や思いに想像を巡らせること。そして、自分自身も、他人の評価や見た目だけで価値を決めないこと。
それこそが、この3冊が伝えたいメッセージなのではないでしょうか。
もし今年の入試で「ルッキズム」をテーマにした作品が出題されたとしても、知識だけを問う問題にはならないはずです。「あなたはどう考えますか」。そんな問いに、自分の言葉で答えられるかどうか。その力が試されるでしょう。そのためにも、この3冊を通して、「見た目」と「自分らしさ」について考えてみてください。
国語は、文章を読むだけの教科ではありません。人を理解し、自分を理解する教科です。だからこそ、「ルッキズム」というテーマは、これからの中学入試で出会っても不思議ではありません。もし来年の入試で出題されたら、作品の向こう側にある「人を見るまなざし」まで、ぜひ読み取ってほしいと思います。




































akira
学生時代から塾講師として中学受験指導に携わり、大学卒業後は塾業界に就職。2023年、関東圏にある現在の教室に室長として就任。保護者や生徒に対するきめ細かいコミュニケーションを重視した教室運営を行うことにより、御三家をはじめ、早稲田、渋谷幕張の合格者数は高い進学実績がある。SNSでも独自の学習指導法を公開している。保護者はもちろん、塾関係者からもそのノウハウに注目が集まっている。 X(旧Twitter):@AArukikata
学生時代から塾講師として中学受験指導に携わり、大学卒業後は塾業界に就職。2023年、関東圏にある現在の教室に室長として就任。保護者や生徒に対するきめ細かいコミュニケーションを重視した教室運営を行うことにより、御三家をはじめ、早稲田、渋谷幕張の合格者数は高い進学実績がある。SNSでも独自の学習指導法を公開している。保護者はもちろん、塾関係者からもそのノウハウに注目が集まっている。 X(旧Twitter):@AArukikata