リアルレポート「現役東大生35人に聞きました! わたしの中学受験」 勉強のヒント 国語編

新連載小説『受験精が来た!』コラボ企画 #5

真田 涼

写真:アフロ

受験シーズン到来! そこで中学受験を経験した現役東大生に緊急アンケートを実施した。解説するのは、中学受験をテーマにした「受験精が来た!」で第5回青い鳥文庫小説賞 銀賞を受賞した著者の真田 涼先生。今回のテーマは前回に引き続き勉強法について! 苦手な人が多い国語についてのコツや攻略法をレポートします。

真田涼先生の第5回青い鳥文庫小説賞銀賞受賞作『受験精が来た!』が電子書籍で絶賛発売中!!

みなさん、こんにちは! 真田涼です。コクリコで小説『受験精が来た!』が好評連載中です。中学受験生の親として実際に体験したリアルな情報や驚きの真実、お子さんの成績アップに直結する塾では教えてくれない&巷の受験本やサイトには書かれていないお役立ち情報・裏ワザが満載の、面白くてやる気が出る作品です。

コラボ企画としてアンケートで集めた、中学受験経験のある東大生35人のフレッシュな情報とともに、これから中学受験を考えている方、今まさに通塾や勉強法で悩んでる方、みなさんのヒントになるコラムをお届けします。

第5回:中学受験 ~勉強法ヒント・国語基本編~

前回の算数に続き今回は勉強法ヒント・国語基本編です! 国語か……あれ? 何かみなさんテンション低くないですか? 国語は、運ゲーだから、ノー勉でもいける。国語をやるくらいなら、算数や理社の暗記をするなんて思っていませんか?
 
国語はどうしても後回しになりがちですよね。でも国語は、算数と同じくらい配点が高い科目です。そして、国語こそすべての基本なんです。そのあたりを2回に分けてじっくりお伝えしていきます。

ところで東大生の人たちは中学受験のとき、国語にはどんな印象を持っていたんでしょう? さっそくアンケートを見てみましょう。

*中学受験のときに一番苦手だった科目は何ですか? 

グラフのスタート位置は3時より(Googleフォームで作成。以下同)

おや? 国語が一番苦手と答えた人が42.9%もいますね。
その6年後、大学受験のときはどうなったんでしょうか?


*国語はすべての教科の基本?

*大学受験のときに英語以外で一番苦手だった科目は何ですか?

やっぱり国語が一番苦手と答えた人が42.9%も! 全然変わってない……。みなさん、国語には悩まされてきたんですね(笑)

そんな国語ですが、中学受験においてはやっぱり重要なんです。

実は難関校ほどいわゆる詰め込み型の知識で対応できる問題、そのことを知ってさえいれば答えが出せる問題は出題しません。博学の物知りな子どもを欲しがってはいないのです。

むしろ知識に頼らずとも、学校が提示する長文の問題文から与えられる情報・ヒントをきちんと読み解き、そこから出題者が意図するねらいをくみ取って、それを自分の言葉で表現することが求められているのです。

例えば2022年の麻布中学の社会の問題では、日本で働いている外国人の実情にふれながら、1890年代から1950年代前半の植民地支配と特別永住者、1950年代後半から1990年代の経済成長と外国人労働者などについて長文の情報を与え、いくつかの設問を踏まえながら最終的には「日本に働きに来た外国人とその家族の人権を守るためには、どのような政策や活動が必要だと考えられるか。君が考える政策や活動の内容とそれが必要である理由を説明しなさい」という問いを与えています。

ここで試されているのは、ただの知識自慢ではありません。「特別永住者」という言葉の定義を知識として知っている人はそんなに多くはないはずです(私も知りませんでした)。ここで求められているのは、問題文と対話する力です。

未知の事柄について新たに与えられた情報から何を読み解き、そしてどのような考えを組み立てていくか、その能力を見ているのです。今の世の中を見るとこの姿勢は極めて真っ当であると感じます。

Googleがあるおかげで、知識自体は検索すればいつでもたやすく手に入ります。その得られた知識からどのような仮説をたて、運用するのかが求められているのです。そしてさらにそれを自分自身の言葉──オリジナリティを発揮して表現することが必要とされています。

科目は社会ですが、ここで求められているのは読む力、書く力なのです。

社会が文系の科目だから、ではありません。理科でも2020年の渋谷教育学園渋谷中学校ではバルミューダ社のトースターの温度上昇の仕方について長々と説明をしながら、トースターの庫内の天井を丸くすることの利点について考えさせ、自分の言葉で書くことを求めています。

これは算数の問題でも散見されます。つまり読む力、書く力がないと国語だけでなくすべての科目に影響が出てくるのです。これが「国語こそすべての基本」といわれる本当の理由です。

*楽しく、やりがいがなければ語彙は身につかない

国語力の重要な武器、それは語彙力です。読む力、書く力をつけるには言葉を知っている必要があります。小説『受験精が来た!』でもおススメしていますが、そのための有効なツールは「漫画」です。

え!? と思われる方もいるかもしれません。でも言葉はワクワクして楽しんででなければ身につきません。そして今の漫画は実はかなり内容が高度になっています。『鬼滅の刃』『東京卍リベンジャーズ』……今の少年誌の作品は、大人が読んでも読みごたえがあり、そこに出てくる言葉はむしろ教科書に出てくる言葉よりも高度だったりします。

また『ちはやふる』を読めば百人一首の知識も身につきますし、『ゴールデンカムイ』を読めばアイヌの方々の知識も身につきます。漫画は知的好奇心を刺激しつつ、語彙を増やすきわめて有効なツールなのです。

芥川龍之介や夏目漱石が書いた作品も漫画になっているものもありますし、国語に限らず、歴史や理科なども漫画から入るのはとても良いことだと思います。

また、瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』のような入試問題に頻出の作品の映画化版がネットフリックスなどでも配信されています。読書に限定することなく、さまざまな作品に触れることは、国語の成績を上げるということだけでなく、情緒を育む上でもとても良いことだと思います。

さすがに小6の受験直前期にはそんな時間は取れないかもしれませんが、たまには家族で映画を見るのも良いと思います。

【そして小説『受験精が来た!』です】

今回も実際の現役東大生が体験した中学受験のデータ、私が親として見聞きした肌感覚の体験や臨床心理士としての知識などを元に、国語の勉強法のヒント、そしていかに国語力が全科目に影響を与えるか、ということについてお伝えしました。いかがだったでしょうか?

小説『受験精が来た!』はこれまで全く受験に興味のなかった小6の女の子が、いきなり現れた毒舌のイケメン妖精・受験精の助けを借りながら第一志望校合格を目指すお話です。小学生が読んでも笑って楽しめる内容ですが、ここに書いた超リアルな中学受験は、本当の情報が満載です。

そしてちょっとした気づきでグッとケアレスミスが減る方法や各科目をできるだけ無駄を省いて楽しく効果的に勉強するヒントなどを『26条の受憲法』としてまとめてあります。今回のコラムで取り上げた国語の点数を上げるコツもさらに多くのノウハウをくわしく紹介しています。

親子で夫婦でお子さん自身で、これから受験を考えている人も、いま受験でくたびれ気味だよって人も、受験をするか迷っている人も、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

次回はさらに一歩進めて勉強法ヒント・国語実践編をお届けします! お役に立てる情報がたくさんありますのでお楽しみに♪

さなだ りょう

真田 涼

小説家・臨床心理士・公認心理師

小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https:/...