
「 一生分の運をつかってデビューした!」2児の母・めんたまんたさんの「今日一日がんばってみようかな」と思えるシュルかわ絵本
クセになるお野菜キャラ! おじさん顔の小学1年生「ひげとうもろこしくん」こうして生まれた
2025.08.16
ひっそりと持ちつづけた「絵本作家」の夢
絵本をつくってみたいというひそかな願望は以前からありました。公募の賞を受賞すれば道がひらけるかもしれないということはわかってはいたのですが、しめきりまでに文と絵を仕上げることが全くできなくて。これまで一度も応募するには至りませんでした。
いつも、目の前の仕事(書籍・雑誌・ウェブ等のイラスト)だけで手一杯だったんです。まずはイラストレーターとして一人前にならなくてはと思っていたので。なので、絵本づくりはまだまだ夢の向こうという感じでした。いつかできたらいいなと。
でも「やりたいことはどんどん表明していったほうがいい」というのは耳にしていたので、自分のWebサイトにだけひっそりと「絵本」と書いていました。じっくり見ないと気がつかないところに。でもそれを見つけて声をかけてくれた人(担当編集者)がいたんです。やっぱり自分のやりたいことを言葉にしておくのは大事ですね。
こんなチャンスはもう二度とないかもしれない、これを逃してなるものかと、通常のイラスト仕事は最小限に抑えて、育児以外の時間と体力のほぼ全てを絵本づくりに捧げました。1年半もかかってしまいましたが、「今の私にはこれ以上のものはつくれない!」と思えるまでやりきったので、悔いはありません。
でもあわよくば、また次の冊を一冊をつくれたらなと思っています。
──やっぱりユーモアが大事ですよね?
ユーモアはずっと意識していますね。おもしろいものが好きなので。昔から、あとからじわじわくるようなシュールな笑いが好きで、描く絵もシュールなものが多かったと思います。それが自分なりのユーモア表現だったんですね。
でもシュールすぎると商業イラストとしては需要があまりないことに気がついて、かわいらしさを足していくようになりました。ベースは「かわいい」で、そこにスパイス・ユーモア要素として「シュール」を。シュールでかわいい「シュルかわ」を軸にするようになってから、目標としていた仕事がぽつぽつもらえるようになっていきました。


ただふざけるだけではなく、元気が出るようなものを描きたいと思っているんです。大学で死生学を勉強して、実存的空虚(何不自由ない暮らしをしていても感じる虚無感や生きる意味の欠落感)と向き合い、生きていることの尊さを学びました。難しいことではありますが、見てくれた誰かが、ふっと気がゆるんで「今日いちにちがんばってみようかな」と思えるようなものがつくれたらと思っています。笑いは元気の源だと思うので。
今回の絵本『ひげとうもろこしくんは おじさんじゃない』で、少しはそれを形にできていたらいいなと思います。これからも「シュルかわ」を突き進みつつ、「がんばりすぎている誰かがふっと息抜きできるようなもの」を目指して、日々模索を続けていきたいと思います。
読者のかたがたへのメッセージ
学校も職場も人間関係も大変で、子育ても信じられないくらい大変で、みんなそれぞれいろいろなものを抱えながら毎日必死に生きていることと思います。そんな折、この絵本でちょっとでも息抜きができたなら。ひげとうもろこしくんから、ひげと勇気と元気をもらってくれたなら。このうえない喜びです。
自分が思っているよりたぶん世界は広い。ありのままを受け入れてくれる世界がたぶんどこかにある。そんなメッセージも秘めています。たくさんの子どもたちにこの絵本が届きますように。

ひげとうもろこしくんルーレット
▼画像をクリック!



ひげとうもろこしくん

トマト

ピーマン

じゃがいも

たまねぎ

にんじん

きゃべつ

ブロッコリー

なす

きゅうり先生

フサフサ ヤマブシタケ
めんたまんた
1988年、兵庫県生まれ。ちょうどよい田舎育ち。無難なレールを進んでいたはずがいろいろとあり、2019年にイラストレーターに転身。「二度見したくなるシュルかわイラスト」をテーマに、がんばりすぎている人の息抜きになるような作品を目指している。『ひげとうもろこしくんは おじさんじゃない』(講談社)で絵本作家デビュー。2児の母。
1988年、兵庫県生まれ。ちょうどよい田舎育ち。無難なレールを進んでいたはずがいろいろとあり、2019年にイラストレーターに転身。「二度見したくなるシュルかわイラスト」をテーマに、がんばりすぎている人の息抜きになるような作品を目指している。『ひげとうもろこしくんは おじさんじゃない』(講談社)で絵本作家デビュー。2児の母。