お気に入りの一冊に出会うために親ができること
自治体がおこなう健康診断や、図書館で実施されている「ブックスタート」は、赤ちゃんに絵本をプレゼントする活動です。多くの自治体が、ボランティアによる読み聞かせをセットでおこなっているので、赤ちゃんの反応のいい絵本を選ぶことができます。
また全国の図書館は、赤ちゃん連れが利用しやすいよう、赤ちゃん用の絵本コーナーや、授乳室、オムツ替えコーナーなどを充実させています。騒いだり、泣いたりしてしまっても大丈夫。図書館はすべての人のためのものです。図書館の絵本でお子さんのリアクションをみて、気に入ったものを購入してみるのはいかがでしょうか。
小学生になっても読み聞かせをしていい
けれども、お子さんの希望があれば、小学生になっても読み聞かせを続けてあげてほしい、と私は話します。字を読むことに追われて、ストーリーを楽しめなくなってしまうことがあるからです。
本のストーリーや内容を楽しませてあげることを優先していれば、お子さんは必ず本の魅力に気づくはず。そのうちに「自分で読むよ」と言う日が、必ずくるはずです。
お子さんが本に親しめば、国語力は自然と上がります。しかし一朝一夕に力がつくわけではなく、食べ物から栄養をとるように、じわじわと身につけていくもの。親御さんはお子さんの反応をみながら、ゆったりとした心で、読み聞かせの時間を楽しんでほしいと思います。
伊藤 明美(いとう あけみ)
保育園図書顧問・司書。千葉県浦安市立中央図書館に33年間司書として勤務。市のブックスタート事業の立ち上げや実施にも携わる。現在は、社会福祉法人芳雄会保育園司書として園児への読みきかせや絵本の選書・展示等を行うほか、千葉大学・日本女子大学等非常勤講師、各種講座講師等としても活躍。2001~2003年度ブックスタート赤ちゃん絵本選考委員。著書に「先生が本(おはなし)なんだね」(小澤昔ばなし研究所)がある。
赤ちゃんへの読み聞かせと絵本を考えるシリーズ第3回は、図書館司書としてたくさんの絵本や児童書、そして親子と触れあってきた伊藤明美さんに読書好きな子を育てる最初の一歩、赤ちゃんへの読み聞かせとその後の読書体験へのつながりについてお話を伺いました。
連載を通して、絵本の読み聞かせは、お子さんの心の成長や学力に、有意義な時間になることがわかりました。親御さんが読み聞かせを「しなければ」と思わずに、無理なくゆったりとした心で、楽しんでみてくださいね。
山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
伊藤 明美
千葉県浦安市立中央図書館に33年間司書として勤務。市のブックスタート事業の立ち上げや実施にも携わる。現在は、社会福祉法人芳雄会保育園司書として園児への読みきかせや絵本の選書・展示等を行うほか、千葉大学・日本女子大学等非常勤講師、各種講座講師等としても活躍。2001~2003年度ブックスタート赤ちゃん絵本選考委員。著書に「先生が本(おはなし)なんだね」(小澤昔ばなし研究所)がある。
千葉県浦安市立中央図書館に33年間司書として勤務。市のブックスタート事業の立ち上げや実施にも携わる。現在は、社会福祉法人芳雄会保育園司書として園児への読みきかせや絵本の選書・展示等を行うほか、千葉大学・日本女子大学等非常勤講師、各種講座講師等としても活躍。2001~2003年度ブックスタート赤ちゃん絵本選考委員。著書に「先生が本(おはなし)なんだね」(小澤昔ばなし研究所)がある。