種村有希子の絵本『きいのいえで』制作日記

第34回 講談社絵本新人賞受賞からデビューまで 第4回「同じ星の違う時間」

※この記事は、講談社絵本通信掲載の記事を再構成したものです。
こんにちは。

先日は、(エ)さんと一緒にデザイナーさんの事務所に打ち合わせに行ってきました!

担当してくださるのは、タカハシデザイン室の高橋雅之さんです。

緊張して伺ったはずなのですが、壁に飾ってあるポスターが、偶然にも好きな作家さんのものばかりで興奮しておしゃべりが止まらなくなったり……半分遊びにいったようになってしまって、帰ってから反省しました!


今回の一番の目的は、表紙案を決めること。

事前に描いたラフをお見せして、意見を伺いました。悪くないけど、まとまりすぎている感があることや、子供たちが暮らしている部屋の要素をいれたらどうか等の意見をいただき、なるほどと思いました。

表紙は、初めて見る読者に一目で作品の売りが伝わって、尚かつ、おもしろそうだと思ってもらう必要があるのです。

奇抜にすればいいという意味ではないけど、無難にまとまっているようでは、初めて見る人の心にひっかかることは難しい。そして、高橋さんの方でも構図を考えて下さることになりました。

それにしても、初めてづくしの私にとっては、ところどころ会話が呪文のように聞こえるときが……表紙や本文に使う紙の名前など、まさにそれです。紙って本当にたくさんの種類があるんですね。

高橋さんがデザインされた本を色々見せていただきながら、紙のイメージをしぼっていきました。

印刷する紙の質感は、絵本に加わる大事な要素のような気がします。原画とはまた違った印刷ならではのおもしろさが出たらいいなあと。

それから、本文の書体。今回の打ち合わせで一番自分の中で難しかったのがこれです。

はっきりしているのは、本文は子供の心の声だということ。だから、あまり凝っていない素直な書体がいいということが希望でした。

私の下手な説明で、どの程度イメージが伝わったか不安もありますが、どんなデザインの絵本になるかとても楽しみです。


余談ですが、最近恐竜にはまっています。

科学には無縁だった私ですが、恐竜の番組をテレビで見て急に興味がわいたのです。時代が違うだけで、人間も恐竜も同じ星で生きている(いた)という事実が本当に不思議です。

きっと恐竜からしたら、こんな軟弱な生物が生きられる時代がくるなんてびっくりでしょう。そう考えると、今の毎日がとても不思議でおもしろくみえてくるのです。




絵本を作っている今のこの時間も。

こちらができあがった絵本です。

『きいのいえで』
作:種村有希子 講談社
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種村有希子さんの絵本!

きのみ幼稚園の園庭には、小さな時計台のお城に、お姫さまが住んでいます。9時になると、扉が開いて、出てきてくれるのです。幼稚園の子どもたちは、みんなお姫さまのことが大好き。

『ようちえんの おひめさま』
作:種村有希子 講談社
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