2月中旬、ラフの最終チェックを終えて、いよいよ本文の彩色へ進みました。4月末を期限と決め、彩色、彩色、とにかく彩色の日々です。この時期、担当Kさんへのメールには「悩みながらも楽しく描いております」と繰り返し記していました。
彩色ということで、『にんじゃいぬタロー』の原画の描き方について触れたいと思います。画材は、主に学童用の水彩絵具(F水彩、マット水彩)と、色々なメーカーの水彩色鉛筆を使っています。
彩色で特に悩んだのは、背景の色です。応募時は暗闇のシーンが多かったのですが、今回は昼間のシーンが増えた事と、暗闇のシーンも1見開きで2場面を表現するように替えた所があり、かなり悩みました。試しに、小さいサイズで色を付けて全ページ壁に貼って、全体的な色の流れをみたり、本のようにめくって、前後の色の関係をみたりしながら、試行錯誤を重ねて決めていきました。
彩色がだいたい終わった原画は、壁に掛け遠くから見て、確認する事を繰り返しました。
そして、現在はというと、1回目の色校が終わった所です。通常、色校は講談社でさせていただくようなのですが、現在の状況を考慮して、原画を一旦こちらに戻していただいて、打ち合わせはZOOMで行いました。
次回の制作日記は8月末頃、校閲、装丁、印刷について、書かせていただきます。
不安な状況が続いておりますが、どうぞ、みなさま、くれぐれもお身体大切にお過ごしください。
渡辺 陽子
第41回講談社絵本新人賞を受賞。はじめての作品となる『にんじゃいぬタロー』を刊行。神奈川県在住。
第41回講談社絵本新人賞を受賞。はじめての作品となる『にんじゃいぬタロー』を刊行。神奈川県在住。