今回は、前回に続きラフの練り直しについて書かせていただきます。
去年の12月初旬 修正したラフを提出し、編集長のチェックを待っていました。
ドキドキの12月中旬 Kさんから「編集長から戻ってきました」とメールが届きました。ストーリーはおおむねOKとのことで、ホッとしましたが、2ヵ所、再検討のご意見をいただきました。
1点目、ふろが古すぎやしないかな?
主人公のけんたは、古い和風の家に住んでいる設定なので、五右衛門風呂にしていました。
2点目、最後のシーンをもう一考
最後32ページ目は、応募時もかなり悩んで、最終的に2人で野原を走るシーンにしていました。
その時期Kさんは、すでにお休みに入っていたにも関わらずお返事をくださいました。お風呂はヒノキ風呂でOK。そして問題の最後のシーンは、“犬がよくする行動”の絵を採用する事にしました。それは応募時、わかりにくいかな? と思いボツにした案でしたが、Kさんも気に入ってくださり復活となりました。どんな絵になったかは、ぜひ絵本を見ていただけたらうれしいです。
さて、すでに当初のスケジュールより遅れていたので、これで彩色に進める! と思ったのですが……Kさんから「応募作に比べて、手裏剣をなげるシーンの迫力がなくなったのと、犬がつみあがるシーンがわかりにくくなったのでは!? ここは盛り上がりの重要ポイントだと思う」とのご指摘が……
ということで、お正月もラフの練り直しとともに過ぎて行きました。でも、ご指摘いただいて本当に良かったです。お蔭様で以前より良いシーンが描けたのではないかと思っています。
1月中旬 修正したラフをKさんへメールし「いいですねー!」と、お返事をいただきました!
次は編集長のラフ最終チェックですが、その前に、雑なラフを清書させていただく事にしました。下絵のつもりで細部まで描き込みをしていると、「秋の出版だけど、けんたは半袖でいいのかな?」「家では靴下ぬいでいるかな?」など、細かい(どうでもいい)所が気になりだして、Kさんに相談し、丁寧に「どちらでもいいと思いますよ」とお返事をいただいて、こんな事聞いちゃって恥ずかしい~と思ったりしながらも、1月末 やっとラフの清書を提出し、編集長のチェックを待ちます。
ドキドキの2月中旬、数点の直しがあるものの、彩色のOKが出ました! ということで、次回は「彩色について」書かせていただきます。
次回の制作日記は7月末頃ですが、どうか新型コロナウイルスがこのまま収束に向かい、平穏な生活を取り戻せるよう心から願っております。皆様におかれましても、くれぐれもお身体ご自愛ください。
渡辺 陽子
第41回講談社絵本新人賞を受賞。はじめての作品となる『にんじゃいぬタロー』を刊行。神奈川県在住。
第41回講談社絵本新人賞を受賞。はじめての作品となる『にんじゃいぬタロー』を刊行。神奈川県在住。