宇宙生命の鍵をにぎる深海エビ
2014.12.04
NASA(アメリカ宇宙航空局)が、宇宙における生命の可能性について、おもしろい発表をしました。2300mの深海にすむ、深海エビの一種が、生命の鍵をにぎっているのではないか?というものです。
深海エビの一種、「リミカリス・ハイビサエ」は、カリブ海の海底2300mにある、なんと400度もの熱水が噴出(ふんしゅつ)する、熱水噴出孔(ねっすいふんしゅつこう)の付近にすんでいます。
とうぜん、太陽光線も届きませんが、エビたちは、熱水噴出孔にすむ細菌が作る炭水化物を食べて生きているのです。
木星の衛星エウロパには、地表の下に海があると考えられており、熱水噴出孔もあるかもしれません。そして、そこには、微生物が繁殖(はんしょく)している可能性もあるのです。
NASAジェット推進研究所の専門家は、「エウロパに微生物がいるかどうかは、熱水噴出孔から放出されるエネルギーの量しだいだと思う。」と言っています。微生物がいたら、「リミカリス・ハイビサエ」のような、それを食べる生きものがいる可能性もあるかもしれません……。
ちなみに、「リミカリス・ハイビサエ」の体内からは、おなじエビの体も見つかっており、食べ物が十分ではないときには、共食いもしているようです。
そんな過酷な環境から、生命は始まったのかもしれませんね。
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