キノコを育てるアリ『ハキリアリ』<後編>
モンスターハンター平坂寛の びっくり! 生きもの烈伝
2018.12.07
僕もちょっとだけ分けてもらって味見をしてみたことがあるが、見た目も味も「カビの生えた土」といったところで、残念ながら人間が食べておいしいものではない。
そういえばハキリアリを観察していておもしろいことに気がついた。
ハキリアリはほのかアリと出会ってもケンカしないのだ。
ふつうちがう種類のアリたちが出会うと大ゲンカになる。
ところがハキリアリは巣の周りをほかのアリがうろついても、葉っぱをはこぶ行列にまぎれこんでも、怒って攻撃したりはまったくしない。仲がいい…というよりおたがいにどうでもよさそうなそぶりだ。
だがもちろん、グンタイアリのようにハキリアリを狩ろうとするアリに対しては本気を出して戦うようだ。
となるとハキリアリの武器はアゴのみ。
葉っぱを切りきざんでいるだけあって、かむ力はとても強い。うっかりビーチサンダルで行列をふんづけたりするとするとかな〜り痛い目にあうぞ。
キノコばっかり食べてるとギ酸を作る材料が足りないのかもしれないし、ほかのアリとケンカすることがあまりないからわざわざギ酸を持つ必要がないのかもしれない。
あるいは、アゴだけで十分戦えるからほかの武器なんかいらねえ!という進化をとげた結果なのかもしれない。
……みんなはどう思う?答えがわかったら教えてください!