ジャングル最強の生きもの グンタイアリの大あごのひみつ 前編
2017.03.10
体の大きなカブトムシ?
するどいまえあしで、ほかの昆虫をつかまえて食べるカマキリ?
いやいや!
アマゾンのジャングルには、そんな彼らですらにげだすような最強の虫がいるのだ。
グンタイアリというアリのなかまだ。
アリなのに自分たちの巣をもたず、ずっとジャングルをさすらいながら生活をするのだ。
ヘビや大トカゲさえも、グンタイアリの大軍にとびかかられればひとたまりもない。
あっという間にかれらの食料になってしまう。
また、鳥などに食べられそうになると、行列のボディーガードである「兵隊アリ」が活躍する。
この兵隊アリというのが、これまたすごいすがたをしているのだ。
ひとめで「こいつは凶暴そうだ!」とわかる、こわい顔。
行進にちょっかいを出そうものなら、鳥だろうと人間だろうと、彼らがその巨大な大あごをふりかざして襲いかかってくる。
ためしにグンタイアリの行列に手をおくと、兵隊アリがすぐさま指に飛びかかってきた。
だが、ようすがおかしい。
なかなかかみつくことができずにいる。
やっとかみついても、そんなにいたくもない。なぜだろう?
ぼくはそのワケをあごが長すぎるから、そして先がぐりんと曲がっているからじゃないかと考えた。
おはしだって、あんまり長いと食べものをつかみにくいし、つかめても力がうまく入らず、すぐ落としてしまうだろう。
先が曲がっていたらなおさらだ。
アゴの短いはたらきアリも負けじとかみついてくる。
むしろ、兵隊アリよりもこっちの方がいたい。
じゃあなぜグンタイアリは敵をはさんでこらしめるための武器をこんなに長〜くしてしまったのか?
もしかしてカッコつけたかっただけ?
ふしぎに思いながら指にかみついた兵隊アリをながめていると、指先が「チクッ!」と痛んだ。
目をこらすと、アリが指にかみついたまま自分のおしりを突き立てている。
なるほどいたいわけだ。
しかも、何度も何度もしつこく刺しつづけている。
追いはらおうと息を「プッ!」とふきかけてみるが、がっしりとかみついていてぜんぜん落ちない。
こんどは手をブンブンふってみるが、やはり落ちない。あいかわらず毒針でブスブスと刺しつづけている。
ここでピンときた!
「この大きなアゴは、ふりはらわれずに毒針攻撃をつづけるためのものなんだ!」
後半へつづく。
グンタイアリの武器は強力なアゴだけではなかった!?
次回はグンタイアリの毒針攻撃を詳しく解説!
お楽しみに!