日本にもいるぞ! サソリ! 八重山諸島に生息するマダラサソリとヤエヤマサソリ

モンスターハンター平坂寛の「びっくり生きもの烈伝」サソリ②

生物ライター:平坂 寛

えっ、日本にサソリが!?

▲つぶらなひとみがかわいいサソリ。

僕の小学生時代の夢は野生のサソリを捕まえることだった。

そしてその夢は大人になってからちゃんと叶った。

いったいどこで? アマゾン? エジプト? いやいや、ここ日本で!

えっ、日本にサソリが!?

はい、います。

日本でサソリが暮らしているのは、主に石垣島や西表島をはじめとする八重山諸島と呼ばれる南の島。しかも、マダラサソリヤエヤマサソリという二種類のサソリがいる。

マダラサソリはその名のとおり、くすんだ黄色っぽい体に黒いまだら模様が特徴だ。
頭から尾までの長さは3センチメートルほど。
ハサミはピンセットのように細長い。
脚と尾もスラリと長く、スマートでクールなカッコよさがある。

マダラサソリは乾いた場所が好きで、海岸近くの枯れ木や民家の壁のスキマにひそんでいることが多い。
たまに部屋の中に入りこんでくることもあるそうだ。

▲写真:おはしかピンセットのようなハサミ。ものをはさむ力は弱いが、小さなエサを器用につまみ上げることができる。

そして気になるのはやはり、尾の先にかがやくするどい毒針!

これに皮ふのやわらかい部分を刺されると、チカッ!という痛みが走り、赤く腫れる。


▲写真:普段はおとなしいマダラサソリだが、ちょっかいをかけると毒針のついたしっぽをふりかざして攻撃してくるぞ!

痛みの強さは…そうだなー、たしかに痛いけどミツバチよりはうんとやさしいかな?

そう考えると、同じ八重山諸島の危険生物ならサキシマハブやムカデなどの方がよほどこわい。
▲写真左:サキシマハブ。八重山で一番こわい存在だ!
▲写真右:大きなムカデも多いので気をつけよう。

そもそもマダラサソリはとてもおとなしいので、彼らから人間を攻撃してくることはまずないのだ。
地元の人たちもサソリを怖がったりすることはない。というか、気にもしていない。いることを知らない人もいる。

もちろん、虫の毒に弱い体質の人もいるので刺されないよう用心するに越したことはない。
けれど、外国の猛毒サソリに比べれば危険性はずっと低いのだ。

いやー、ちょっとホッとしたね!



③につづく。
次回はちいさ〜いサソリの赤ちゃんの写真とヤエヤマサソリを紹介するよ! お楽しみに!

肉食獣やサメはもちろん、毒ヘビ、毒ガエル、ワニ、怪魚、猛禽類…etc。選りすぐりの危険生物づくし!

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平坂寛さんが編集長を努めるウェブサイト
ひらさか ひろし

平坂 寛

Hiroshi Hirasaka
生物ライター/YouTuber

1985年9月10日生まれ。長崎県長崎市出身。筑波大学大学院生命環境科学研究科博士前期課程修了後、生物ライター、生物ハンターとして活動。公益財団法人黒潮生物研究所 客員研究員を務める。 講談社の動く図鑑MOVEでは「モンスターハンター平坂寛のびっくり!生きもの烈伝」連載中。 危険生物との過激なチャレンジが大人気! YouTubeはチャンネル登録者数約80万人!(2024年現在)

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1985年9月10日生まれ。長崎県長崎市出身。筑波大学大学院生命環境科学研究科博士前期課程修了後、生物ライター、生物ハンターとして活動。公益財団法人黒潮生物研究所 客員研究員を務める。 講談社の動く図鑑MOVEでは「モンスターハンター平坂寛のびっくり!生きもの烈伝」連載中。 危険生物との過激なチャレンジが大人気! YouTubeはチャンネル登録者数約80万人!(2024年現在)