「塾なしハーバード大」で話題! 廣津留真理&廣津留すみれさんインタビュー

子どもがやる気になるにはモチベーションが必要!

左・廣津留真理さん 右・廣津留すみれさん
一人娘のすみれさんが大分の公立高校から塾なし,留学経験なしでハーバード大学に現役合格&卒業したことで話題の母、廣津留真理さん。家庭内での学習指導経験を踏まえて編み出した「ひろつるメソッド®」は、子育て中の親たちの間で高く評価されています。

今回は、ハーバード大学、ジュリアード音楽院を経てバイオリニストとして活躍するすみれさんと共に、引き続き「学びの場で親は子どもに何ができるか」について語っていただきました。

大切なのはモチベーション

廣津留真理さん(以下、真理さん):「子どもが勉強を嫌いで困る」「宿題をしないので怒ってばかり」と言う人は多いけど、学校の価値観を家にまで持ち込む必要はないのでは? 

世界は広いし、道はいくつもあるんだから。その人その人のフェーズでやればいい。たとえば私は、算数の計算問題なんてやる必要ないと思うけど……。

廣津留すみれさん(以下、すみれさん):私はタスク処理の練習にもなるので、計算問題はやっていてもいいと思います。中身を吸収するというより、どう効率よく終わらせるか、みたいな感じかな。

そもそも私はなんでも「早く済ませたい」と思うタイプで、今も「今日やるべきこと」というTo Doリストを作ってるよ。終わった項目にチェックをつける感覚は、子どもの頃に計算問題を解いていったのと似てるかも。

真理さん:そう考えると計算問題も役に立つのね。

すみれさん:あと必要なのはモチベーションかな。勉強でも何かのレッスンでも、モチベーションは大事だと思う。「○○できるのが普通」じゃなくて、○○をやったら誰かが褒めてくれるとか、子どもはそういうのがないと続かないよね。

真理さん:すみれさんはバイオリンをやめたいと思ったことはある?

すみれさん:ないです。練習はあまり好きじゃなかったけど、音楽は楽しかったから。勉強みたいにガリガリしなきゃいけないというものではないし、自分の感情を好きな音に乗せていけるのがすごく良かった。

真理さん:なるほど。
廣津留真理さん

お金でやる気を出させてはいけない?

すみれさん:どれくらい上手くなりたいとかコンクールで賞をとりたいとか、明確な目標があったので、それもモチベーションになったな。成功している自分の姿を頭の中でシミュレーションして、「その目標を叶えるためなら仕方ない。練習するか!」という気持ちで続けてた。たまたま今は職業になっているけど、まずは「楽しい」が最初にあった気がします。

真理さん:うん、楽しいって大事よ。

すみれさん:あと我が家の場合、3時間練習したら100円もらえたんだよね? あれはすごくいいモチベーションになった(笑)。

自分で動物の絵を描いたスタンプカードを作って、「ここまでいったら○○円!」って。欲しいぬいぐるみが1800円だったら、それを18日間続けないといけないな、とか。そういうわかりやすい目標やご褒美がないと、子どもはやる気が出ないんじゃないかな。

真理さん:「子どもをお金で釣るなんて」と言う人もいるけど、別にいいのでは? 子どもは純粋な存在でいなきゃいけない、お金でやる気を出させてはいけないって、謎の神話だと思う。

すみれさん:実際、お小遣いをもらえたら張り切っちゃうしね。(笑)
当時、すみれさんが作った「ピアノれんしゅうカード」。

苦手感がある世界からは、すみやかに立ち去ろう

廣津留すみれさん
真理さん:あと「習い事」という言い方も謎。ものすごい才能の持ち主でない限り、ほとんどの人は本気でやってやっと趣味レベルだと思うんですよ。

たとえば今から私が遊びで、「ウクレレやりたい」「ヨガやりたい」はいいの。でも子どもに「あわよくば将来の役に立つように」という形で習わせるなら、ちゃんと先生も選んで、みっちり本気でやらないと。

じゃないと貴重な時間とお金がもったいない。そしてやってみてセンスがないと思ったら、すぐにやめさせることが大事。

すみれさん: 私もバレエをやっていたけど、すぐにやめちゃった。

真理さん:オペラ座バレエ団でどういう人が上にいけるのか調べたら、身長とかめっちゃ決まってて。「もうやっても無理じゃん」と、あっさりやめさせました。

あとね、子どもが嫌がっている、やる気がない習い事をやるのもムダ。苦手感がある世界からは、すみやかに立ち去るのが一番だと思う。

すみれさん:イヤイヤやってても身にならない。

真理さん:そうそう。今、うちの英語教室はオンラインになっていて、生徒さんも首都圏を中心に日本全国からやってくる。英語が本当に好きな人や、初めての英語は楽しいながらもぐんぐん進ませたい、という親御さんのお子さんが集まっている。もちろん受験のためという人もいるでしょうけど、世界に羽ばたいてほしい人が集まっている。そうやって、思いが同じ人が集まる場所は必ずあるから。

すみれさん:今はオンラインでどこにでもリーチできる時代だしね。もう東京にいようが、地方の山奥にいようが関係ない。

真理さん:親が子どもに「勉強しなさい」と言うのは、今の自分の身分と学歴を再生産するためでしょう? でも親の時代と今は全然違うし、もう終身雇用もないし、子どもが大人になる頃には更に社会は変わっているはず。となると、同じやり方でやっていても、もうリプロダクションできないんですよ。

だから親も感性をアップデートして古い価値観を手放すべき。
それが子どもの特性を伸ばすことになり、ひいては幸せな将来につながると思います。

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いかがでしたか?

インタビューをして思ったのは、これからの時代、「親の賢さ」が必要だ、ということ。
価値観をアップデートして、子どもを明るい未来へ導いてあげましょう!
撮影/恩田亮一 文/上田恵子 
廣津留 真理(ひろつるまり)
ディリーゴ英語教室代表/一般社団法人Summer in JAPAN代表理事/株式会社ディリーゴ代表取締役。大分県在住。早稲田大学卒業。

英語指導歴30年、褒めて育てるがモットー。子育て終了後に起業する。一人娘のすみれさんは、大分の公立高校から留学経験なしでハーバード大学に現役合格&首席卒業。彼女への家庭内での学習指導経験を踏まえて編み出した、独自の「ひろつるメソッド®」を確立する。

著書は『英語ぐんぐんニャードリル ひろつるメソッド 最短最速! ゼロから一気に中2終了』、『成功する家庭教育 最強の教科書』ほか。『音声タッチペンつき ひろつるメソッド 小学生の英語 ニャードリル』(5478円〈税込み〉/講談社)が好評発売中。

「塾なしハーバード大」のひろつるメソッド! 「小学生の英語ニャードリル」

廣津留すみれ(ひろつるすみれ)
バイオリニスト。12歳で九州交響楽団と共演、高校在学中にNY・カーネギーホールにてソロデビュー。ハーバード大学(学士課程)卒業、ジュリアード音楽院(修士課程)修了後、ニューヨークで音楽コンサルティング会社を起業する。

テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』金曜レギュラー。2022年2月にCD『メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲+シャコンヌ』をリリースした。著書は『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』ほか。