キュアウィング/夕凪ツバサ演じる声優・村瀬歩「『Go!プリンセスプリキュア』のキュアフローラと共演できたことがうれしい」
『映画プリキュアオールスターズF』公開記念インタビュー7 キュアウィング/夕凪ツバサ役(『ひろがるスカイ!プリキュア』)村瀬歩さん
2023.09.07
ライター:小川 聖子
今回は、キュアウィング/夕凪ツバサ役(『ひろがるスカイ!プリキュア』)村瀬歩さんです!
大好きなキュアフローラと共演できたことも嬉しいです
村瀬さん 『映画プリキュアオールスターズF』には歴代プリキュアが多数出てくるということで楽しみにしていたのですが、まさか僕が一番好きなプリキュアであるキュアフローラと同じチームになれるなんて!
台本を読んだときから“はるはる(春野はるか)”と話しているみたいな気持ちになれてワクワクしました(笑)。はるかは絵本に出てくる「プリンセス」に憧れ、「プリンセスになる」という夢のために頑張っている女の子なのですが、僕が演じるツバサ(キュアウィング)にとっても「プリンセス」は特別な存在なんです。
なにしろツバサは変身するときも「ナイト」を名乗るくらいですから……。だからふたりの出会いのシーンはとてもエモーショナル。素敵な感じに仕上がっていると思いますのでぜひ楽しみにしていただければと思います。演じられて幸せでした!
また、今作でツバサは『ひろプリ』のみんなとは離れて行動するのですが、その途中で「(離れていても)僕の仲間はきっと大丈夫です」みたいなことを言うシーンがあるんです。ふだんの『ひろプリ』の日常シーンでは、改まってそんなことを口にする機会はなかなかないので、ツバサの仲間への信頼感のようなものが垣間見え、僕自身も嬉しかったですし、みなさんにもちょっと知らなかったツバサの一面が見えるシーンになっていると思います。
村瀬さん はい。今回アフレコ現場に行ったら、この映画のキャラクターデザイン・総作画監督を務める板岡(錦)さんが今回の映画に登場するプリキュアを描かれた直筆のイラスト色紙が飾ってあったんです。
そこに描いてあるプリキュアは、もちろんもともとは別々のキャラクターデザイナーさんがデザインしたものなのですが、それを板岡さんがもともとのキャラクターの良さを生かしながらしっかりご本人の絵として描いていらっしゃって。それを生で見たときに「うわ〜、すごいな!」って。
さらにそこにキャストのみなさんがサインをされていたのですが、そんなパワーがプラスされ、とても強いオーラを放っていたことが印象的でした。
そんなことを感じたのは、僕たちウィングチームが最後の収録チームだったこともあると思います。60分、70分を超えるアニメ作品は、一日で録るということももちろんあるのですが、今回は関わる人数も多かったこともあって、確か3日くらいに分けてアフレコが行われていたんですね。
その中で、僕たちウィングチームは最後の収録だったみたいで……。終わったときにはスタッフのみなさんも「我々も終わりました! 本当にお疲れ様でした!」っておっしゃって。とても大変だったんだな、というのが伝わってきて、これも印象に残っていますね。
村瀬さん そうですね。それこそ『HUGっと!プリキュア』や『Go!プリンセスプリキュア』のみなさんとご一緒すると、視聴者目線からしたら「キャラクターそのものだな、うまいな」と思うアフレコにも、スタッフさんから「もう少しこうしたほうがいいかも」みたいなディレクションが入るんです。
それを受けてみなさん修正されるのですが、そうすると「あ、確かにこっちのほうがキャラクターっぽいかも」ということが何度かありまして。
キャストのみなさんは、もうキャラクターを何年も演じていますし、それがもうしっかり身に染みついている状態でもあると思うのですが、それと同じくらい、ときにはそれ以上にスタッフの皆さんがキャラクターを熟知しているからこそ、こんなディレクション、ジャッジができる、そのことがすごいと思いました。
村瀬さん 今作の監督は、『Go!プリンセスプリキュア』や『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』などを手掛けた田中裕太さんが担当されているのですが、改めて「プリキュアとは何か」を考える作品になっているところがすごいと思いました。
人によっては強いということがプリキュアの条件かもしれないし、きらきら輝いていることや、人を助けたり、守ることがプリキュアかもしれない。
そんな本質を考えるような内容になっていて、そこに僕は(田中監督の)「魂」を感じました。見ていて応援したくなったり、勇気をもらえる作品になっていると思うので、ぜひたくさんの人に見ていただけたらと思っています。
プリキュアQ&A
スマホを探します。毎朝アラームを止めるところから一日がスタートするので、まずは「何時だろう?」って。もしもスマホがなかったり、あっても圏外だったりしたら、「あー、終わった!」って落ち込むでしょうね(笑)。
僕は「お腹がすいた」とか、何か変化が起きないと動かないタイプなので、何か起こるまではその場に留まっていると思います。
『スター☆トゥインクルプリキュア』の世界が夢があって楽しそう! なんて言いつつ、やっぱり大好きな『Go!プリンセスプリキュア』の世界がいいかな(笑)。
キュアフローラですね。フローラに変身する春野はるかは、人に笑われても、自分の夢のために努力を続けられる女の子。もともと好きなキャラクターでしたが、「人に笑われても」というところが、かつて飛ぶために研究していた姿を否定されたツバサにも重なる気がして、より好きになりました。
どんなときも前向きなフローラの目には光が宿っていて、いつも目の前のことに自分の心を動かして、一生懸命なところが好きです。他人に対する優しさも持っているし、本当に気高くて美しいプリキュアだなと思います。
キュアフローラが活躍する『Go!プリンセスプリキュア』の作品も大好きです。使われるモチーフに華やかな装飾性がありますし、演出面では自分が大好きな『少女革命ウテナ』を思わせるところもあって、好きなところがたくさんあるんです。
「偉大」! 20年の歴史があることもすごいですし、「昔、好きだったんです」という方たちが今、関連する会社に就職されたり、仕事として携わっている場合もあって、そういうところもすごいなと思っています。時代とともに革新を続けてきて、でも昔からの良さ、そのDNAはしっかりキープしていることも伝わってきます。
僕は最初に『Go!プリンセスプリキュア』にゲスト出演したのがプリキュアを本格的に知ったきっかけです。もう9年も前になるんですね。今回のキュアウィング役のオーディションのときに過去のプリキュア作品も1話から見せていただいたのですが、やっぱり残る作品は何年経っても色褪せず、どんなときに見ても、その時代だったり、そのときの自分だったりに伝わってくるメッセージがあるなと思いました。
ですから、この先の時代の人にも、「この作品は面白かった!」と言ってもらえるような作品作りを目指して頑張っていきたいなと思っています。
PROFILE
村瀬歩(むらせあゆむ)
12月14日生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。『ひろがるスカイ!プリキュア』でキュアウィング/夕凪ツバサ役を務める。主な出演作に、『ハイキュー!!』日向翔陽役、『魔入りました!入間くん』鈴木入間役ほか。
『映画プリキュアオールスターズF』
2023年9月15日(金) 公開
プリキュア20周年記念となる『映画プリキュアオールスターズF』では、2004年の『ふたりはプリキュア』を含む、全TVシリーズの全プリキュアが集合。
本作の舞台は、プリキュアがバラバラに飛ばされてしまった不思議な世界。それぞれが別の場所で新たに出会った仲間たちと団結し、もとの世界に戻る唯一の手掛かりであるお城を目指し“ワクワクドキドキの大冒険”が繰り広げられる。