声優・加隈亜衣が語る『映画プリキュアオールスターズF』「ましろがソラと離れることで、お互いの大切さを再確認するところも見どころです」

『映画プリキュアオールスターズF』公開記念インタビュー4 キュアプリズム/虹ヶ丘ましろ役(『ひろがるスカイ!プリキュア』)加隈亜衣さん

ライター:小川 聖子

写真/大坪尚人(講談社写真映像部)
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プリキュア20周年作品となる『映画プリキュアオールスターズF』の公開を記念して、Ane♡ひめ.netでは、キャストのみなさんにインタビューを実施。作品への思い、ご自身が演じたプリキュアへの愛情……みなさんあふれる思いをたっぷり語ってくださいました!

今回は、キュアプリズム/虹ヶ丘ましろ役(『ひろがるスカイ!プリキュア』)加隈亜衣さんです!

プリキュアは「憧れであり、受け入れてくれる存在」でもある

──まずは、『映画プリキュアオールスターズF』に出演されて感じたことからお伺いしたいです。

加隈さん 映画版では一緒に行動するメンバーが違うので、ましろ(キュアプリズム)が見せる顔も少し違うなと感じましたね。

特にローラ(キュアラメール)によって引き出された「色」みたいなものが結構強くて。『トロピカル~ジュ!プリキュア』チームは、パワフルでコミカルな雰囲気が強いですよね。そんな『トロプリ』チームのローラと会話するときは、やっぱりこちらもリアクションが大きくなったりなどテンションが高くなる感じがして面白かったです。

お姉さんぽいあまね(キュアフィナーレ)が相手だとそれはあまりなくて、さらにのどかちゃん(キュアグレース)が相手だとむしろ波長が合う、みたいな感じで。それぞれと新たに絆を育んでいくわけではありますが、相手によってましろが変わるところは新鮮に感じました。

他に感じたのは、それぞれのシリーズには「このチームだから成り立つ」という関係性ややりとりがいろいろあるんだな、ということ。例えばローラは、まなつ(キュアサマー)に対してはワーッて言えるけれど、映画版のプリズムチームでそれをやると、急に強い子に見えちゃう、みたいなことが起こるんです。

これはキュアフィナーレにも言えることでしたが、キャラクターらしさを損なわず、見え方を調整することが必要だったので、私もそこは意識しました。ましろもね、ローラやキュアフィナーレにビクッとしちゃうとよくないので、振り回されつつも楽しそうに見えるバランスを探りました。
──改めて、ご自身が担当されたプリキュアの好きなところや、自身が影響を受けたり、心を打たれたりしたキャラクターがいれば教えてください。

加隈さん ましろはもう、優しくてキラキラしている存在です️。ただ、彼女自身はちょっと自分に自信がないというか、周りの子の良さに気がつくからこそ「自分にその輝きはあるんだろうか」みたいなことを考えちゃう子。

私もお仕事で不安を感じたときや、大きな出来事があるたび、ちょっとマイナスな気持ちになってしまうところがましろちゃんと似ているなと思っていて。でも、ましろは悩みながらも前に進む子なんですよね。どのお話でも、自分が踏み出せる小さな一歩を見つけて、自分のものにしていく姿が本当に素敵なんです。

周りの子ほど大胆だったり、目立ったりということはなくても、悩んでも「小さくてもとりあえず一歩進んでおこう」と考えられるところには、私も影響を受けました。

映画版のましろも、優しくて温かいところはテレビシリーズと変わらない魅力だと思いました。ただ、コミカルな感じは、テレビシリーズ以上というか、過去最高かもしれないですね(笑)。それからアクションもかなりダイナミックで……これは映画版ならではの見どころかと思います。
──『映画プリキュアオールスターズF』で、思い入れのあるところはありますか。

加隈さん キュアプリズムのオーディションを受けたとき、ましろに似ているタイプのキャラクターとして「のどか(キュアグレース)」という記載があったんです。そんなふたりが今回同じチームになっていて、一体どんなふうになるんだろうと思っていました。

ましろも優しい子なのですが、のどかはましろよりも先に優しさを行動で示せる子なんだなと思いました。そこが改めて知れて、かっこいいなと思いました。
──2004年にスタートしたプリキュアは、20周年を迎えます。「20周年への思い」や、長い期間にわたって愛されるプリキュアシリーズの魅力はどんなところにあると思われますか。

加隈さん 20周年という記念すべきタイミングで、映画に出られたことが嬉しいです。プレッシャーを感じる部分はもちろんあったのですが、キュアブラックの声を担当されていた本名(陽子)さんに「プリキュアのバトンを受け継いだので頑張ります!」ということをお伝えしたときに、「みんなそう言ってくれるけど、それぞれの代にそれぞれの色があるから、自分たちの色で頑張ってね!」ということを言われて……その言葉がすごく温かくて嬉しくて。

歴代プリキュアを真似するのではなく、自分たちで作っていく、これは私たちのプリキュアなんだと思うことができました️。プリキュアという軸はもちろんありつつ、代々のプリキュアがみんなそれぞれに新しい挑戦をしてきたからこそ今があることがわかった気がしました。

毎年、慣れ親しんだプリキュアがいなくなってしまうときは寂しいですし、新しいシリーズが始まるときは戸惑いもあると思いますが、それでも新しい出会いや、新たな世界を広げてくれるのもプリキュア。そんなところも魅力だと思っています。

プリキュアQ&A

Q:映画のように、目が覚めて不思議な世界が広がっていたらどうすると思いますか。

とりあえず、めちゃくちゃたくさん空気を吸い込む気がします。「どんな匂いなんだろう?」って。それでいい匂いだったら安心できますし、反対に危険を感じる匂いもあるはずなので、その場合はその場を動くのもちょっと考えちゃうと思います。
Q:もし選べるなら、どのプリキュアの世界に行ってみたいですか。

私は『ひろがるスカイ!プリキュア』『ヒーリングっど❤プリキュア』と2作品に関わっているので悩みますね。

『ひろプリ』では、ましろの家に行って、みんながどんなふうに生活しているのかを見てみたいですね。スカイランドも謎が多くて気になります。地球のものに似ているけれど少しずつ違うスカイランドの動物たちにも会ってみたいです。

『ヒーリングっど❤プリキュア』では、ヒーリングガーデンに行ってみたいです!
Q:推しプリキュアを教えてください!

まず、ラビリンを演じていた身としては、パートナーのキュアグレースは特別なんです。ただ、『ひろプリ』になるとやっぱり『ひろプリ』のメンバーが最高で。そこではやっぱりソラちゃん(キュアスカイ)の特別感を感じますし、ましろとは支え合う関係なんだなって思っています。映画版では、ましろとソラが離れることでお互いの大切さを再確認できるところも見どころだなと思います。
Q:「プリキュアとは◯◯」、◯◯に入れるとしたら?

「憧れでもあり、受け入れてくれる存在」。大人になるとなかなか子どものように純粋な心にはなれない気がしてしまいますが、プリキュアを見れば、キラキラしている人、輝いている人に憧れていた気持ちを思い出せる気がします。

そうすると、子どものころは、小さい挑戦をたくさんしていたなってことも思い出せるし、それが心地よかったことも思い出せたりします。

プリキュアのお話では、人間の弱さや悩みを描くこともありますから、「あ、これわかる」とか、「こうやって向き合えばいいんだ」という共感やヒントを得ることもできます。ネガティブな感情も否定されないのが嬉しいなと思っています。
PROFILE

加隈亜衣(かくまあい)
9月9日生まれ。福岡県出身。主なアニメ出演作に、『ヒーリングっど❤プリキュア』のラビリン役、『鬼滅の刃』真菰役、『ブレイブウィッチーズ』雁淵ひかり役、『甘城ブリリアントパーク』千斗いすず役ほか。『ひろがるスカイ!プリキュア』では、キュアプリズム/虹ヶ丘ましろ役を務める。
『映画プリキュアオールスターズF』
2023年9月15日(金) 公開

プリキュア20周年記念となる『映画プリキュアオールスターズF』では、2004年の『ふたりはプリキュア』を含む、全TVシリーズの全プリキュアが集合。

本作の舞台は、プリキュアがバラバラに飛ばされてしまった不思議な世界。それぞれが別の場所で新たに出会った仲間たちと団結し、もとの世界に戻る唯一の手掛かりであるお城を目指し“ワクワクドキドキの大冒険”が繰り広げられる。
©2023 映画プリキュアオールスターズF製作委員会
「だいすきプリキュア! ひろがるスカイ!プリキュア&プリキュアオールスターズ ファンブック vol.3」
発売日:2023年09月15日
価格:1500円(税別)
※『だいすきプリキュア! ひろがるスカイ!プリキュア&プリキュアオールスターズ ファンブック vol.3』(2023年9月15日発売予定)でも関根明良さん&菱川花菜さん&ファイルーズあいさんのスペシャル座談会記事(撮りおろし写真あり)を掲載予定です。ご期待ください。
「プリキュアオールスターズ 缶バッジ セット」
発売日:2023年09月05日
価格:2800円(税別)
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