中学受験生の親として実際に体験したリアルな情報や驚きの真実、お子さんの成績アップに直結する塾では教えてくれない&巷の受験本やサイトには書かれていないお役立ち情報・裏ワザが満載の、面白くてやる気が出る作品です。
コラボ企画としてアンケートで集めた、中学受験経験のある東大生35人のフレッシュな情報とともに、これから中学受験を考えている方、今まさに通塾や勉強法で悩んでる方、みなさんのヒントになるコラムをお届けします。
第9回:中学受験 ~前受け校編~
関東では東京の中学入試スタート日が2月1日なので、1月中に試験が行われる埼玉や千葉県の学校のことを指します。
関西地方では灘中学などいわゆる本命校も1月中に試験が行われるので、本命の前に受ける学校全体を指します。
さてグラフを見ると80%の人が本命よりも前に試験を受けていて、さらに2校以上受けた人が65%以上もいました。
前受け校を受ける最大の意味とは?
①滑り止め校として、進学先の確保
②(距離の問題などで)通うつもりはないが合格をもらうことで安心の確保
③この試験の合否や成績により本命校を決める試金石
小説『受験精が来た!』でも書いていますが、前受け校の中には、かなりの人数が受験する学校もあります。電車の本数があまり多くないと、同じ時間の電車に受験生とその親が集中しますので、ホームは花火大会並みの人出となります。また学校までも受験生の親子で渋滞していて、徒歩5分の学校であっても、3倍は掛かります。なので、当日は余裕を持って家を出たほうが良いです。
受験シーズンは、雪も降りますので、スノーブーツは親子共々あったほうが良いです。直前に用意しようと思うと、特に子ども用はサイズがなくて買えなかったりしますので、早めの準備がおススメです(意外とスポーツ用品店にあったりします)。
当日、雪や雨がかなり激しく降っていると、長靴を履いていても、靴下がビチョビチョに濡れてしまうこともあります。そのような悪天候のときのために、靴用のレインカバーや替えの靴下と靴があると良いです。
また飲み物やおやつについても注意が必要です。我が家では、模試のときから子どもには水筒のお茶が熱すぎないか、ぬるすぎないか、スポーツドリンクのほうが良いか、お菓子は何が良かったか、何はいらないかなどを確認していました。
試験で適切な水筒のサイズはお弁当や午後受験の有無でも変わってきます。意外と水筒は中身も含めると重いので、適切なサイズを把握しておきましょう。「○○ちゃんの水筒にパッキンがなくて、カバンの中、水浸しになってた」「チョコが溶けてて食べにくかったから入れないで」「ゼリードリンクはもう1つ入れて」などといった感想を聞いて、こちらも気をつけるようにしていました。
学校によっては子どもが試験を受けている間、親が体育館や講堂で待つことができるのですが、とにかく足元が冷えます。椅子も固くて冷たいので、『おしり41℃』という商品やひざ掛け(内側にカイロを貼るとこたつみたいに温かい)が重宝しました。私と娘は冷え性なので、桐灰の靴下とUGGの靴も履いていました。
子どもの面接があってスカートをはく場合は、桐灰の黒の靴下はおススメです。また、靴用のカイロを利用するのも良いと思います。他には、待っている間に読む単行本や飴、持ち運びできる充電器などがあると安心です。単行本は、私は験を担いで、その学校の卒業生が書かれたものをチョイスしていました(実際には、子どものことが気にかかって、本の内容はほとんど頭に入ってきませんでしたが)。
また、成績開示をしてくれる学校もあるのですが、それはとてもありがたかったです。「理社が結構悪かったから、再度、知識をインプットしよう」などと直前期の対策がしやすくなります。
前受け校は学校によって、非常に多くの生徒が受験するので、その学校の教室で収容できないと、体育館で受けることもあります。その場合は、寒さ対策も必要となります。また人数が入りきらずに別の系列の学校が試験会場となったため、駅から非常に遠かったなんてこともあります。ですので1月校こそ、早めの出願をおすすめします。
小説『受験精が来た!』にも書いてありますが、早くに入試がある学校で、入試問題をHPにアップしている学校もありますので、理科と社会の時事問題だけはピックアップして解かせてみてください。時事問題はトレンドがあり、似たような問題が出ますので、これをやるかやらないかは大違いです。
ところで、前受け校を受ける意味ですが、先程書いた3つよりももっと重要な意味を持つものがあります。
前受け校を受ける最大の意味は、『本物の入試を実際に体験する』ということです。
いくら模試や本番同様に過去問を解いても、それは本物ではありません。確かに模試や過去問の結果が良ければ嬉しいですが、手ごたえが悪くても「本番じゃないし」「まだ日にちがあるから」「本番ではこんな問題出ないし」などと、いくらでも自分を慰められるのでメンタルのダメージもそこまでではありません。そもそも緊張感が全く違います。
小説『受験精が来た!』でも、主人公の希望(のぞみ)が1月校を受けます。
前受け校を受けることで失敗したなら、本番で同じようなことがあっても失敗しなくて済みますし、うまくいった成功体験も、もちろん本番に活かされます。親子共に、前日の過ごし方や当日持っていくもの、緊張をほぐす方法など、「これがあってよかった」「こうすればよかった」という気づきをゲットしてきてください。
失敗も成功も実体験は宝物です!
今回も実際の現役東大生が体験した中学受験のデータ、私が親として見聞きした肌感覚の体験や臨床心理士としての知識などを元に、過去問を解くときの注意点についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
小説『受験精が来た!』はこれまで全く受験に興味のなかった小6の女の子が、いきなり現れた毒舌のイケメン妖精・受験精の助けを借りながら第一志望校合格を目指すお話です。小学生が読んでも笑って楽しめる内容ですが、ここに書いた超リアルな中学受験は、本当の情報が満載です。
そしてちょっとした気づきでグッとケアレスミスが減る方法や各科目をできるだけ無駄を省いて楽しく効果的に勉強するヒントなどを『26条の受憲法』としてまとめてあります。今回のコラムでいくつかご紹介しましたが、さらに多くのノウハウをくわしく紹介しています。
親子で夫婦でお子さん自身で、これから受験を考えている人も、いま受験でくたびれ気味だよって人も、受験をするか迷っている人も、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
次回は、いよいよ受験直前期編です! 東大生は受験直前期には、どのように過ごしていたのでしょうか? ベストな状態で本番に臨むためには、どんな準備をしたら良いのか? お役に立つ情報がたくさんありますのでお楽しみに♪
真田 涼
小説家、臨床心理士・公認心理師 公認心理師協会 理事 RinDa臨床心理士ルーム 代表 長男長女2児の親 HP:https://rindashinri.wixsite.com/mysite Instagram : https://instagram.com/rinda_shinri
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