魚介なべ、いただきまーす!
かまくらみたいな形をした女の人のおうちは、中に入ると思った以上に広く、涼しくて心地よいです。真ん中には炉があって、おなべがぐつぐつ煮えていました。
「お、おいしそー!!」
さんまるは、目をキラキラ輝かせます。
「もう、食べごろだよ。子どもたちの分はあとからいくらでも作れるから、いっぱい食べな」
「わーい!」
みんな、夢中でおなべを食べました。ブリに、タイに、そしてヒラメ……いろいろな魚介のダシがしっかりしみていて、体のしんまであったまります。
「おいしすぎて、止まらないモン♡」
もりもり食べるみんな。さんまるたちは、女の人のことを「縄文お母さん」と呼ぶことにしました。
「ありがとう、縄文お母さん!」
縄文お母さんと縄文ヒーローズは、すっかり仲よくなりました。おなべが空っぽになるころには、全員元気百パーセント!
「とってもおいしかったよ! お礼させて!」
こまっくーが、ポケットから小さな黒い実を取り出しました。
「これ、カシス! ぼくのふるさと青森でよくとれる果物なんだ。目にもいいよ!」
「へえ、すごいね! とてもきれいだ」
縄文お母さんが興味しんしんでカシスを見ます。負けじと、むーもんもなにかを出しました。
「むーもんのふるさとは、トゲクリガニの名産地モン♡ このカニ、食べてみてほしいモン♡」
©smoke/イメージマート
いのるんも、張りきって言います。
「八戸の名物、サバ缶をどうぞるん! おいしいサバがぎっしり入ってるるん!」
気づけば、「青森特産品まつり」になっていました。家のまわりには、どんどん他の村人も集まってきます。どれも村人たちには初めての味で、「すっぱい!」、「おいしい!」と大さわぎ。村人たちとの会話もはずみます。いのるんが聞きました。
「ここって、やっぱり栗がたくさんあるるん! いったい、だれの畑るん?」
男の人が、にっこり笑って答えます。
「栗は、みんなのものだよ。このムラでは、自然からの『いただきもの』をみんなで大切にしているのさ。土器があるから食べ物をわけあえるし、保存できるからうばい合わなくていいんだ」
周りにいた子どもたちも、口々に言いました。
「自然のめぐみは宝物だから、全員で守るんだよ!」
「ぼくたち、みんな仲良しなんだ!」
いのるんたちは、体だけじゃなく心もぽかぽかしてきました。このムラの人たちは、争うことなく協力して、宝物をみんなではぐくんでいるのです。三人が村人とわきあいあいと話す中、さんまるはだんだんそわそわしてきました。
「ねぇねぇ、のんびりしてる場合じゃないよ! はやくドグウちゃんを見つけなきゃだよ! だれか、ひらべったくて、不思議なおめめで、とってもかわいいドグウちゃん、見なかった?」
さんまるが言うと、村人たちはやっぱり「知らない」、「見ていない」と首を横にふります。
「そんな……」
さんまるは、がっくりかたを落としました。おいしいおなべを食べられて幸せだけど、ドグウちゃんを発見できないなら縄文時代に来た意味がありません。
悲しそうなさんまるを見て、縄文お母さんは「うーん」とうでぐみをしてなにか考えはじめました。
「そうだねぇ……その『ドグウちゃん』とやらだけど──もしかして、これじゃないかい?」 そう言った縄文お母さんの手元を見て、4人はハッとしました。
その手の中には、なんとドグウちゃんが!
「えぇっ、どうして縄文お母さんが!?」
「もしかして、縄文お母さんの持ち物だったモン♡?」
さんまるたちがびっくりしていると、縄文お母さんは自分の顔をがしっとつかみました。そのまま、顔を引っ張ると──。

































