はなうた巡礼

著:山本 容子  

発売日 2000/04/20
価格 定価:1,760円(本体1,600円)
ISBN-13 9784062101936
判型 AB
ページ数 32ページ

山本容子の少女時代
童謡をくちずさめば、記憶の底から幼い日々がめぐりくる。なつかしい童謡を銅版画で表現し、エッセイを添えた画文集。

言葉より先に音符が読める子にしたいという母の希望で、2歳4か月から私は童謡を習っていた。そして6歳の6月6日からは、祖母の夢をかなえるべく日本舞踊のおけいこにもかよいはじめた。そう、この日から私は現在に至る和洋折衷の精神を生きることになったのである。この写真は当然モノクロだが、洋服はオレンジ色だったことをはっきり覚えている。そしてちょっと厚めのウール生地だったことも。髪型に注目してもらいたい。くるんくるんのカールは、この日の早朝、母がこてで丸めてくれた。熱さと匂いも覚えている。ああそれからこのリボン。祖母が七五三の着物用のリボンを最後に頭にのせてくれたのだった。この冬の日、私ははじめてのレコーディングのために歌った。――山本容子

縄とび、まりつき、石けり、「花いちもんめ」というのもあったなぁ。祖母に教えてもらった「おじゃみ(お手玉)」という遊びもあった。祖母お手製の「おじゃみ」が美しくって会うたびに新しい「おじゃみ」を欲しがったものだった。これらの遊びには必ず歌がついていた。耳からおぼえた歌の節と歌詞は身体にしみこんだから今でも歌える。──(本文より)

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角野 栄子
児童文学作家
1935年東京・深川生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年滞在。その体験をもとに描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。 代表作『魔女の宅急便』は舞台化、アニメーション・実写映画化された。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞等受賞多数。その他、「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけ」シリーズ、『リンゴちゃん』『ズボン船長さんの話』。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2016年『トンネルの森 1945』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、18年3月に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を、日本人として3人目に受賞。 2023年には、江戸川区に「魔法の文学館」がオープンした。 写真提供:魔法の文学館 童話作家・角野栄子のオフィシャルサイト 魔法の文学館オフィシャルサイト
ナコ
イラストレーター
宮城県仙台市在住。イラストレーター。アパレル・キャラクターのデザイン会社にてグラフィックデザイナー・イラストレーターとして活躍後に、フリーに転身。現在は、書籍や雑誌、広告のイラストから企業キャラクターデザイン、エッセイ漫画執筆、雑貨やテキスタイルデザインも手がけている。ブログ、SNSでもエッセイ漫画を公開中。 【著書】「ナコさんちの頑張らない家事」(KADOKAWA) ▼webサイト▼ https://nfsn66.net/ ▼ブログ▼ https://ameblo.jp/nacomusud/ ▼instagram▼ naco.nfsn66 ▼Twitter▼ @nfsn66
佐野 洋子
絵本作家・エッセイスト
1938年6月28日中国・北京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。 主な作品に『100万回生きたねこ』(講談社)、『おじさんのかさ』『おばけサーカス』(講談社・サンケイ児童出版文化賞推薦)、『すーちゃんとねこ』(こぐま社)、『わたしのぼうし』(ポプラ社・講談社出版文化賞絵本賞)、『だってだっての おばあさん』(フレーベル館)、『ねえ とうさん』(小学館・日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)などの絵本や、童話『わたしが妹だったとき』(偕成社・新美南吉児童文学賞)、さらに『神も仏もありませぬ』(筑摩書房・小林秀雄賞)、『役にたたない日々』(朝日新聞出版)、『シズコさん』(新潮社)、『死ぬ気まんまん』(光文社)、『佐野洋子対談集 人生のきほん』(西原理恵子/リリー・フランキー 講談社) などのエッセイ、対談集も多数。 2003年紫綬褒章受章、2008年巌谷小波文芸賞受賞。2010年11月5日72歳で逝去。 ©︎ JIROCHO, Inc.               
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