ハングリーゴーストとぼくらの夏
著:長江 優子
70年の時を経て、戦争の記憶を宿した種が花開くとき、過去と現在が交差する。史実をもとに描かれる「共生」をテーマにした物語。
発売日 | 2012/07/27 |
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価格 | 定価:1,540円(本体1,400円) |
ISBN-13 | 9784062178068 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 242ページ |
I may forgive you.(許してあげてもいい)
波菜子のおばあちゃん・静子のもとに届けられた謎のクリスマスカード。差出人の名はハンナ・フォックスとあった。
痴ほうの初期症状が現れ、一週間後には施設への入所が決まっているおばあちゃんは、まったく身に覚えがないと言うが、波菜子はおばあちゃんとハンナが第二次世界大戦中に交わしていた秘密の交換日記を見つける。
ハンナはイギリス人とのクォーターで、おばあちゃんの親友だったのだ。
横浜の山手に住み、おばあちゃんと同じように女学校へ通い、日本を母国と思っていたハンナは、戦時中、敵国人の血が流れているという理由で、自由を奪われ、神奈川県厚木市での抑留生活を強いられていた。
手を伸ばせば届くようなところに、帰るべき家があるのに帰れない。うちに帰りたい。
交換日記には、つらい日々を送るハンナの思いがつづられていた。
それは、東日本大震災に伴い発生した福島第一原発の事故で、避難を強いられた人たちと、奇しくも同じものだった。
打ち切られた交換日記と、クリスマスカードの謎を、大震災後の混乱のなか、波菜子は何かに急き立てられるように追っていく。
その先に、ハナという愛称で決して呼んではくれないおばあちゃんとの、目には見えない壁を越えられるかぎがあるような気がして……。
敵国人抑留という史実を織りこみながら描かれたフィクション。
著:長江 優子
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